障害者・患者9条の会■
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 秋元波留夫さん
 あいさつされる秋元波留夫さん

秋元さんのあいさつのビデオ映像(5番の映像です)

<秋元波留夫さんのあいさつ>
 みなさんこんにちは。いま、司会の福井典子さんからご紹介がありました秋元でございます。よびかけ人の一人として、まずみなさんにごあいさつを申し上げたいと思います。

 「障害者・患者9条の会」が全国障害者問題研究会(全障研)、すべての障害者の生活と権利を守る会の障全協、きょうされんなどの提唱で結成され、その創立の集会が開かれましたのは、昨年9月10日のことであります。それから1年、さきほどもお話がありましたように、九条の会自体は、全国に4500を超えて広がっておりますし、障害分野でも埼玉、兵庫、和歌山などに九条の会が結成されまして、障害者・患者9条の会のアピールの賛同者は700人を超え、呼びかけ人の一人として、心強い限りであります。

 しかし、改憲の動きはどうでしょうか。私たちの創立集会の翌日、昨年9月11日に行われました衆議院選挙では、予想を超えて小泉自民党が圧勝して、ここ4年の政権を委ねることに相成ったのであります。この選挙では、郵政民営化を争点に掲げて、公務員減らし、小さな政府、官から民へなどという響きのいいキャッチフレーズを並べた、格好のいい独り芝居の小泉劇場が功を奏したようであります。

 それにしましても、与党が衆議院議席の3分の2以上を占めたのでありますから、このような異常としか言いようのないアンバランスの政治状況の下で、選挙の過程で郵政民営化の陰に隠されて、議論からは取り残された福祉や年金の問題がどのように処理されるか注目されましたが、なかんずく自民党政権の年来の懸案であります憲法改悪を、今回の圧勝を機会に一気に推し進められようとする懸念が多分にあったわけです。

 そのわけは、2000年のアーミテージ報告からも明らかでありますように、アメリカ・ブッシュ政権が、在日米軍再編強化の主力として、自衛隊を正規の軍隊として米軍の支配下に組み入れる必要がある。そのために九条の手直しを求めているからだと思います。この在日米軍再編計画に要する経費の総額は、はっきりわかりませんけれども、日本側の負担分として、約60億ドル、約3兆円を提示したのであります。この莫大な経費負担が、この4月から実施されました障害者自立支援法の正体、私は障害者殺しと言うほかのない、残酷きわまりない制度に仕上げた犯人であることはまちがいなく、憤りを禁じることができません。

 この再編計画について、それと関連のある沖縄をはじめ、米軍第1軍団の移転先とされている座間市、厚木基地からの空母艦載機部隊の移転先に予定されております岩国基地など、全国の基地を抱える自治体市民の猛烈な反対運動が起こっておりまして、防衛庁や防衛施設庁の役員がその説得に躍起になっております。しかし、このような国民の反対にもかかわらず、この再編計画が実現することはまちがいありません。なぜでしょうか。ここでぜひ、みなさんに思い出していただきたいのが、あの日米安全保障条約がまだ生きておりまして、沖縄のみならず、日本本土の莫大な米軍基地化の存続が許されているという事実です。この条約がある限り、在日米軍再編計画を阻むことはもちろんのこと、沖縄本土の基地問題の解決は絶望なのであります。

 しかし、この日米安保条約の廃棄は、決して不可能ではありません。なぜならば、みなさんご承知かどうかわかりませんけれども、この条約第10条に次の規定があるからであります。「第10条 この条約が10年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後1年で終了する」という10条がちゃんとあるわけであります。いまこそ私たちはこの条項の実施を政府に迫り、日米安全保障条約廃棄の国民運動を展開すべきときであります。

 まもなく、9月20日、自由民主党総裁の選挙が行われますが、その結果、小泉政権を継承する安倍晋三・靖国神社参拝内閣が成立して、改憲、憲法改悪の動きが急ピッチで推し進められることは必至であります。私たちは、絶対にこれを許してはいけません。

 今、九条をめぐるたたかいは澎湃(ほうはい)として全国津々浦々に広がっておりますけれども、この憲法九条を有名無実にしている日米安保条約への国民の関心が極めて乏しいのは、遺憾きわまりないことであります。かつてのこの国会を包囲した60年安保闘争を思い起こし、今こそ私たちは、日米安保条約の存在に目を開くときであります。

 憲法九条は、障害者・患者にとってかけがえのない、命と権利を守るよりどころであります。私たちは、憲法九条を守り抜くために、日米安保条約を廃棄しなければなりません。障害者・患者9条の会のアピールには、「戦争は、いのち、文化、経済を破壊します。その度に、障害者は、社会的に役立たない”穀潰し””非国民”とさげすまれ、差別され、抑圧されてきました。障害発生の最大の原因は戦争による暴力です。戦争と障害者のしあわせは絶対に両立しません。障害者は平和でなければ生きられないのです」と記されております。この立場から私は、障害者・患者9条の会が、わが国を戦争に巻き込むその張本人である日米安全保障条約廃棄と憲法九条を守る運動を統一的に結合した全国運動に取り組むことを提案して、私の呼びかけ人のあいさつといたします。


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