障害者権利条約のパラレルレポートに関する資料/日本障害者協議会(JD)         2016年5月20日 現在 
 障害者の権利に関する条約第1回日本政府報告(日本語仮訳) 2016.4.19現在

障害者政策委員会確認(9月案との見え消し版赤字+パブコメ時修正(黒字)+4.19修正青字)        
 政府報告 加盟団体等のパブコメ、資料等 パブコメ アンケート調査
 第1部 総論

Ⅰ 条約締結に至る経緯と現状

1.我が国は、2014年1月20日、「障害者の権利に関する条約」(以下「障害者権利条 約」という。)の批准書を国際連合事務総長に寄託し、本条約は、第45条の規定により、同年2月19日に我が国について効力を生じた。この第1回日本政府報告は、本条約が我が国について効力を生じてから2016年2月までの期間を対象としている。また、本報告には、我が国において本条約第33条にいう監視するため の枠組みを担う「障害者政策委員会(以下「政策委員会という。)」のコメントを反映させるとともに、付属文書として、本報告の提出を視野に入れて障害者政策委員会が行った我が国障害者施策の根幹をなす第3次障害者基本計画の実施状況の監視の結果を取りまとめた文書を添付している。本報告作成にあたっては、政策委員会以外の関係者からの意見も広く求めるべく、案文に対する意見公募も実施した。(外務省、内閣府

2.我が国は、障害者権利条約が国連総会で採択された翌年2007年9月28日に、 同条約に署名した。一方、条約の批准については、国内の障害当事者等から、 条約の批准に先立ち国内法の整備を始めとする障害者に関する制度改革を進め るべきとの意見が寄せられた。日本政府は、これらの意見も踏まえ、2009年12 月に内閣総理大臣を本部長、全閣僚をメンバーとする「障がい者制度改革推進本部」を設置し、集中的に障害者に関する制度改革を進めていくこととした。 これを受けて、障害者基本法の改正(2011年8月)、障害者自立支援法の改正 (2012年6月)(「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下「障害者総合支援法」という。)に改められた。)、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」という。)の成立及び「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下「障害者雇用促進法」という。) の改正(2013年6月)等、様々な制度改革が行われた。このように、条約の締結に先立って国内の障害者制度を充実させたことについては、国内外から評価する声が聞かれている。(外務省、内閣府、厚労省)

3.他方、日本政府としては、条約の実施については不断の努力が必要であるとの認識であり、障害当事者・関係者の方からの意見を求めながら、今後政策を実施していきたい。課題としては、データ・統計の充実が挙げられ、特に性・年齢・障害種別等 のカテゴリーによって分類された、条約上の各権利の実現に関するデータにつき、より障害当事者・関係者の方のニーズを踏まえた収集が求められていると考えられるので、次回報告提出までの間に改善に努めたい。また、障害者政策委員会では、障害者施策における重点的な課題として、成年後見制度も含めた意思決定支援、精神障害者・医療的ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援、インクルーシブ教育システム、雇用、情報アクセシビリティについて、分野横断的な課題として、障害のある女性、障害者に関する統計について、重点的に検討された。(外務省、関係省庁)

Ⅱ 我が国に関する基本的情報

4.国土や人口等我が国に関する基本的情報については、「コア文書」に係る政府報告(HRI/CORE/JPN/2012)参照。(外務省)

Ⅲ 条約上の権利の実現のための政策、戦略、国内の法的枠組み、障害者差別に 関する包括的な枠組み

5.我が国の憲法は、基本的人権の尊重を重要な柱としており、憲法第97条におい ては、基本的人権を「現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」としている。この基本的人権には、(i)身体 の自由、表現の自由、思想・良心の自由、信教の自由等のいわゆる自由権的権利、(ii)教育を受ける権利、国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利等のいわゆる社会的権利等が含まれている。また、同第14条においては、すべ て国民が法の下に平等であって差別されないことが記されている。(内閣府)

6.障害者についても、その基本的人権は憲法の下で保障されているが、とりわけ、 障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、 もって障害者の福祉を増進することを目的として、心身障害者対策基本法が1970年5月21日に制定され、1993年の「障害者基本法」への名称変更も含め幾度かの改正を経て、障害者権利条約の趣旨を反映させるために2011年に更に改正された。主な改正内容は、「障害者」の定義に、いわゆる「社会モデル」の考え方を反映したこと「合理的配慮」について我が国の国内法で初めて規定し たこと、障害者政策委員会を設置したことである(障害者政策委員会について の詳細は、第33条「国内における実施及び監視」参照)。(内閣府)

7.また、政府は、障害者基本法第11条に基づき、政府が講ずる障害者のための施策の最も基本的な計画として、障害者基本計画を策定することとなっている。 現在、2013年に策定した、2013年度から2017年度までの概ね5年間を対象とする第3次計画に基づいて、障害者の自立と社会参加の支援等のための施策を推進しているところである。(内閣府)

8.また、障害者基本法第11条では、都道府県については、障害者基本計画を基本 とするとともに、当該都道府県における障害者の状況等を踏まえ、都道府県障害者計画を策定することを、 市町村については、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、市町村障害者計画を策定することを義務付けている。2014年3月末時点で、 全ての都道府県が計画を策定しており、市町村については全体の94.8%である 1651市町村が策定している。(内閣府)

9.障害保健福祉施策に関しては、20072006年4月1日から施行された障害者自立支援法において、身体障害者、知的障害者及び精神障害者に対し、障害の種別に依らない一元的な障害福祉サービス等の仕組みを確立するとともに、障害者の地 域生活への移行や就労支援といった課題に対応し、また、障害者が自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な障害福祉サービスや相談支援等を利用することのできる仕組みを構築している。 また、厚生労働省と障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団との基本合意(2010年1月)や、内閣府に設置された障がい者制度改革推進会議総合福祉部会によって取りまとめられた提言(2011年8月)等を踏まえ、2012年6月に、障害者自立支援法の一部改正法が成立した。これにより、障害者自立支援法の題名を障害者総合支援法に改めるとともにまた、2012年6月の障害者自立支援法の一部改正により、障害者総合支援法に改めるとともに、基本理念の規定の創設や障害者の範囲の拡大(難病等の追加)等の改正が行われ、同法に基づき、引き続き障害者の地域社会における共生の実現に向けた施策を実施してい る。(厚労省)

10.「障害に基づく差別」及び「合理的配慮」に関しては、2011年に改正した障害者基本法において、基本原則として、障害を理由として差別することその他の権利利益を侵害することを禁止するとともに、障害者への差別とならないよう、障害者が個々の場合において社会的障壁の除去を必要とするときは、その負担が過重でない場合には、その障壁を除去するための措置が実施されるに当たり、合理的な配慮がされなければならない旨規定した。(障害者基本法第4 条第1項、第2項)(内閣府)

11.また、2013年に成立した障害者差別解消法において、「障害を理由とする差別の禁止」として、行政機関等及び事業者に対し、障害を理由として不当な差別的取扱いをすることにより障害者の権利利益を侵害することを禁止するとともに、障害者が個々の場合において社会的障壁の除去を必要とするときは、その負担が過重でない場合には、障害者の権利利益を侵害しないよう、その障壁を除去するための措置が実施されるに当たり、合理的な配慮をしなければならな い(事業者に対しては、合理的な配慮をするように努めなければならない)旨 を規定している。(障害者差別解消法第7条、第8条)(内閣府)

12.雇用における障害者差別に関しては、2013年に障害者雇用促進法の一部を改正した。具体的には、障害者権利条約第27条に規定されている労働及び雇用の分野における障害者に対する差別の禁止を具体化するため、改正障害者雇用促進法第34条及び第35条において、事業主に対して雇用の分野における障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁止し、同法第36条の2及び第36条の3において、事業主に対して、過重な負担にならない範囲で障害者が職場で働くに 当たっての支障を改善するための措置(合理的配慮)を講ずることを義務付け た。(厚労省)

13.さらに、改正障害者雇用促進法第36条及び第36条の5に基づき、障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針及び雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針を2015年3月に策定し事業主団体等に対して精力的に周知のうえ、2016年4月に施行された。た。加えて、雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供について事業主と障害者である労働者の間で紛争が起きた場合について、同法第3章の2において、事業主は、障害者から苦情の申出を受けたときは自主的な解決に努めることとするほか、都道府県労働局長は必要な助言、指導又は勧告をすることができ、必要があると認める時は紛争調整委員会に調停を行わせることが規定されている。(厚労省)

Ⅳ 条約上の権利実現のための資源及び費用対効果の高い方法の追求

14.我が国の障害者施策に関しては、施策を実施する各省庁において予算を計上して実施しているところであり、2015年度の障害者施策関係予算の合計額は、1 兆7233億円である。2015年度の障害者施策関係予算の主なものとして、障害児者が地域や住み慣れた場所で暮らすための障害福祉サービスの提供や、障害児のための療育支援、障害者の地域生活を支援する事業等があり、これらを含む生活支援施策としては1兆1330億円を確保している。障害者施策関係予算は、 2011年時点では1兆3565億円であったが、4年間で約3668億円、約27%増加している。(内閣府)

15.なお、我が国においては、業務災害に係る給付、障害年金等については、それ ぞれの施策に包括されて計上しており、障害者施策としては計上していない。 (内閣府)
1:意見=策定過程及び全般的な内容についての市民社会の参画について
第33条の監視の枠組みを担う「障害者政策委員会」とされているが、障害者政策委員会は政府機関である。監視の枠組みには市民社会の参画が求められており、政府報告の策定過程に市民社会の参加が不十分であった旨、課題として明記すべきである.
理由=障害者権利条約は、障害のある人が参画し、意見を出し合いながら策定されてきた。権利条約策定の過程を踏まえると、内容も大事だが、その策定過程も同様に重要である.権利条約第4条3項、第33条3項、第35条4項において、政策決定過程や報告書策定過程への障害者および障害者を代表する団体の参加が規定されているにも関わらず、そうした場が設けられてこなかったので設定すべき。
(日本障害者協議会)

2:意見=権利条約を批准したことで、障害のある人の生活がどのように改善されたのかについての記述がない。記されている内容は、この条約に基づく義務を履行するためにとった措置である。その措置によってもたらされた進歩に関する包括的な報告が記述されていない。これでは、締約国の報告義務は半分しか果たしていない。政府報告書として課題に踏み込めなかったことを明記すべきである。
理由=権利条約第35条の内容が遵守されていない。とりわけ、第35条5項には履行の程度に影響を及ぼす要因及び困難を記載することとされており、報告書としては極めて不十分である。他の市民との平等を実現するために、政府はどのような努力を行うのかが問われている。
(日本障害者協議会)

3:意見=データ不足は報告でも触れられているが、既存のデータ利用もほとんどなく、すでに実施されている調査データなども活用できていないことなども課題として明記すべきである。
理由=政府は障害者理解についての調査を行っており、国際比較も実施しているが、その紹介はない。こうしたデータは貴重なものであり、既存データを駆使して報告をまとめていこうという意思がみえない。
(日本障害者協議会)

4:意見=データ・統計の充実が課題であることが率直に記され、次回報告提出までの間の改善が明示されていることは評価したい。一方、第31 条に関してパラグラフ207 から209 では統計上の課題が明記されていないことから、パラグラフ3との整合性に疑義が生じている。第31 条に関する報告においても統計上の課題を明記するべきである。
理由=第31 条によれば、条約を実現するための政策立案に必要な統計資料等は、障害者の権利を行使する際に直面する障壁を特定、対処できることが求められるため。
(きょうされん)

5:において、憲法第97条、第14条について記述されているが、第13条の幸福追求権に関しても、条約上の実現のための政策、戦略等の観点から言及するべきである。第13条は、生命・自由・幸福追求権についての基本的規定であり、67だけでなく、総論にも記載するべきである。
(日本社会福祉士会)















9:意見=基本合意と骨格提言の内容は未だその大部分が実現しておらず、その実現に全力を尽くすことが政府の最重要課題であることを銘記すべきである。
 上記の「基本合意や骨格提言等を踏まえ、障害者自立支援法の一部改正法が成立した」は、およそ実態に反する不誠実な報告であり、その部分の修正を国連に報告する前になすことは最低限必要である。
(障害者自立支援法違憲訴訟団) ◆パブコメ全文(word)


障害者自立支援法違憲訴訟団
 2015年10月27日
外務省申し入れ書「障害者の権利に関する条約第1回政府報告に、国が障害者自立支援法違憲訴訟団と基本合意を締結した事実、及び同基本合意で確認された重要事項並びに骨格提言の実現を確実に明記して下さい

障害者自立支援法違憲訴訟団 2015年11月10日
障害者総合支援法見直しにあたっての意見書  

9:意見=障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団の、現在の意見を明記してください。
理由=厚生労働省と障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団との基本合意や、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」は、現在の施策にほとんど盛り込まれず、原告団・弁護団のみならず、さまざまな障害当事者団体から意見・要望が出されています。
(障害者の生活保障を要求する連絡会議:障害連)



















14:意見=障害施策関係予算が27%増加しているとあるが、障害のある人のニーズや地域生活の実態に照らせば、少なくともGDP に占める障害関連予算の割合をOECD 平均まで引き上げるべきであるとの指摘がある旨、明記すべきである。
理由=GDP に占める障害関係予算の割合をOECD 諸国と比較すると、わが国の障害施策関係予算は平均にも届かないため。
(きょうされん)

15:「なお、我が国においては、業務災害に係る給付、障害年金等については、それぞれの施策に包括されて計上しており、障害者施策としては計上していない。」とある。しかし、障害者権利条約第28条では「相当な生活水準及び社会的な保障」について記載されており、障害年金についても、その対象者数や金額について「14」に記載すべきである。
(日本社会福祉士会)
項目  政府報告 (各論)   団体のパブコメ意見、調査資料など 
第1条
目的    
 16.障害者権利条約の趣旨を踏まえ、2011年に改正した障害者基本法においては、全ての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するために障害者施策を推進することを目的として定めている。(障害者基本法第1条)(内閣府)

 17.「障害者」の定義については、改正前の障害者基本法では、障害者は「身体障害、知的障害又は精神障害(「以下「障害」と総称する。」)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」と規定されていたが
2011年の改正で、いわゆる「社会モデル」の考え方を反映し、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」と規定している(障害者基本法第2条)。障害者差別解消法においても、同じ障害者の定義をとっている(内閣府)

 18.同様に、社会的障壁についても「障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念、その他一切のものをいう」と規定された。(内閣府)    
意見= 全ての国民が、障害有無によって分け隔られることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現ために障害者施策を推進するとしているが、実際には筋痛性脳脊髄炎/ 慢性疲労症候群 (ME/CFS)のように多くの難病や慢性疾患患者が、身体障害福祉法や総合支援 法の対象になっていため「制度の谷間」に置かれ、他の市民と平等を実現するために必要な合理的配慮が受けられない現状があることを明記すべきである。
理由= 「障害者」の定義は、いわゆる「社会モデル」の考え方を反映し、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能がある者であっ て、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態であるものいう 」と規定しており、難病や慢性疾患は障害の範囲に含まれているのだから 、病名によって他の市民と平等に生きる権利が保障されないこ とがあってはなら ない。平成 26 年度の厚労省のME/CFS患者の実態調査によって、ME/CFS患者は、 他の人と平等に社会参加する権利、必要な介護を受ける権利、外出する権利、選挙権を行使する権利、教育を受ける権利、医療を受ける権利、就労する権利等が保障されていないことが明らかになった。すべての「制度の谷間」の解消に向けて政府はどう努力していくのかが問われている。
(筋痛性脳脊髄炎の会) 2_1政策会議報告  2_2報道資料 2_3要望書 

17:意見=第1条に関連して、改正障害者基本法、障害者差別解消法に障害の定義は社会モデルとなっているとあるが、実際の障害者サービスを規定している障害者総合支援法は医学モデルのままである。社会モデルにもとづいた定義を、障害者総合支援法においても位置づけることが喫緊の課題である旨、明記すべきである。
理由=障害当事者の生活を支えるサービスを規定している障害者総合支援法が医学モデルである限り、ニーズや生活実態に即した支援、谷間の障害者をうまない制度にはなりえないため。
(きょうされん)

17:意見=障害者自立支援法や難病医療法などの福祉法の定義が、障害者基本法の定義とかい離していることを明記してください。
理由= 障害者基本法では対象が包括的な定義に改正されましたが、具体的な施策は依然として手帳の有無や病名で分け隔てる入口規制があり、真に支援を必要としている人が病名で排除され、公的支援から排除される問題は全く解消していません。骨格提言ではニーズのある人が置き去りにならないよう、病名で分け隔てられないための仕組みが提言されましたが、全く反映されていません。具体的な障害施策で病名による制限列挙が続けられている実状をありのまま記載するべきです。
(障害連)

17:意見=「障害者」の定義については、障害者基本法の定義を報告に挙げているが、福祉サービス分野においては身体障害者福祉法など別の定義を採用している旨の説明がない。現行の身体障害者福祉法などと障害者基本法の障害者の定義が大きく異なっていることを明確に説明すべきである。
(全日本難聴者・中途失聴者団体連合会)

17:意見=現在、総合支援法では、一部の難病者も「障害者」に当たるとされているものの、疾病名を指定する方法によって対象が画されていることから、確定診断の有無や疾病名の如何によって総合支援法の埒外に置かれる難病者が多く生じており、このような事態は権利条約の趣旨に反するものであることを明記すべきである。
(自立支援法違憲訴訟団)  全文(word)


福祉や医療などで障害認定のしくみが異なるため、無年金、無手帳者を生みやすい。
(日本脳外傷友の会) 

「発達障害者手帳」を創設してほしい。
 (日本自閉症協会)  
第2条
定義
 19.障害者差別への取組については、第1部「総論」、第1条「目的」及び第5条「平等及び無差別」参照。

 20.2008年3月バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する関係閣僚会議において決定した「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進要綱」は、ユニバーサルデザインを、施設や製品等については新しいバリアが生じないよう誰にとっても利用しやすくデザインするという考え方としており、ユニバーサルデザインの推進に関しては、一部の関係者のみによる取組とするのではなく、国民一人ひとりの課題であるととらえ、社会全体で取り組みを進めていくことが重要であり、そのために、関係者相互による積極的な情報交換・情報共有が不可欠であり、こうした取組を促進すると規定している。(内閣府)  
20:意見=ユニバーサルデザインを科学的かつ具体的、実証的に、常に研究開発していくことをめざす表現を加えてほしい。
理由=ユニバーサルデザインは既にあるものではなく、常に障害者への理解や支援方法の深化、社会環境等の変化に対応して、創り続け利用されていくべきものだと考えられるため。
(全国LD親の会)
第3条
一般原則 
 21.我が国は条約の批准に当たって障害者権利条約の趣旨を踏まえて法整備等を行ったが、本条に掲げる一般原則の各項目の趣旨についても以下のとおり対応した。

 22.第3条(a)及び(c)については、2011年の障害者基本法の改正において、全ての障害者が、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提として、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと等を基本原則とすることを定めており、障害者の社会への参加・包容を促進しているを規定した。(障害者基本法第3条)(内閣府)地域社会への包容については、第19条「自立した生活及び地域社会への包容」等を参照。

 23.第3条(b)及び無差別、(e)機会の均等については、第1部「総論」及び第5条「平等及び無差別」参照。第3条(c)社会への包容については、第19条「自立した生活及び地域社会への包容」参照。

 24.第3条(d)については、2012年に制定された障害者総合支援法においては、2011年の障害者基本法改正を受け、障害者総合支援法第1条の2において、障害者総合支援法が目指すべき基本理念が制定された。具体的には、全ての国民が基本的人権を享有する個人として尊重されること、障害の有無によって分け隔てられることなく共生する社会の実現、身近な場所において必要な支援を受けられること、社会参加の機会の確保、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保されること、社会障壁の除去等の理念が規定されている。(厚労省)

 25.第3条(f)施設及びサービスについては、第9条「施設及びサービス等の利用の容易さ」参照。第3条(g)男女の平等については、第6条「障害のある女子」参照。

 26.第3条(h)については、教育基本法第3条において、自己の人格を磨き、あらゆる機会にあらゆる場所で学習ができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならないとされている。また、同法第4条において、全て国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を保障され、また、国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じることとされている。(文科省)
22:意見=以下のように、障害者に係る日本の制度と実態を報告書に明記すべきである。
 ①日本では、65歳以上または40歳以上で特定疾患により障害を持った人、またはその要件を満たしたときは社会保険方式の介護保険制度をそれ以外で障害を持った人は税制方式の障害福祉制度等を利用する障害福祉施策を取っていること。
 ②社会福祉関係費が過剰な負担となり、制度の持続性を損なわないように、社会保障の基礎を社会保険制度とし、障害者総合支援法第7条で介護保険優先原則を定めていること。
 ③このため、若いころから障害を持った人は介護保険法の対象となると同制度に移行され、支援の質と量は減少することが多く、非課税世帯の場合利用料負担も発生すること。
 ④介護保険制度への非移行者に対しては、障害福祉サービスの支給を打ち切る自治体もあり、訴訟問題にも発展していること。
 ⑤こうした問題に対応するため、政府としては通知(技術的助言)や事務連絡を発出し、介護保険優先は障害福祉サービスに相当するサービスが利用できる場合と限定している。さらに、移行の前後で支援の量が激減することがないように障害福祉サービスの上乗せや横出しを認めている。しかし、実態としては相当するサービスを判断するのは自治体であり、利用者の意向は反映されない、また、上乗せに際しては政府が通知で示している基準以上のローカルルールを自治体が定めているといった課題があること。
 ⑥制度移行に際して一定要件を満たしたものには負担軽減策を導入しようとしていること。
(障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会:障全協)
第4条
一般的義務 
  第4条1について、
 27.障害者基本法は、何人に対しても、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為を禁止している(障害者基本法第4条第1項)。障害者基本法第3条において、全ての障害者が基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提として、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることを規定している。(内閣府)

 28.また、障害者権利条約第2条に定義されている「ユニバーサルデザイン」の製品、サービス、設備及び施設、障害者に適した新たな機器等の研究、開発、促進、情報提供等に関しては、第3次障害者基本計画(Ⅱ-3)の「各分野に共通する横断的視点」の一つとして、障害者の社会への参加を実質的なものとし、障害の有無にかかわらず、その能力を最大限に発揮しながら、安心して生活できるようにするため、ソフト、ハードの両面にわたる社会のバリアフリー化を推進し、アクセシビリティ の向上を図るとしている。(内閣府)

 29.障害者基本法第22条及び第2次障害者基本計画(Ⅲ7.(2))において、国及び地方公共団体が、情報の利用におけるバリアフリー化のための施策を講じることとされており、「日本工業規格(JIS X8341-4) 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第4部:電気通信機器」を2005年に制定した。(経産省)

 第4条3について、
 30.障害者基本法では、内閣府に、障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業の従事者、学識経験者30人以内で構成される審議会として「障害者政策委員会」(以下「政策委員会」という。)を置くこととしている。(障害者基本法第32条、第33条) 現在、障害者政策委員会は28名であり、半数以上が身体障害(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、盲ろう)・知的障害・精神障害(発達障害を含む。)・難病の本人又はその家族からなる団体の方々で構成されている。(内閣府)

 31.また、政策委員会において、「障害者基本計画」の策定又は変更について意見を聴くこととされているほか、障害者基本計画についての調査審議、実施状況の監視などを行い、必要に応じて内閣総理大臣に対して意見を述べること等ができることとされている。(障害者基本法第11条第4項及び第9項、第32条) (内閣府)

 32.また、国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たっては、障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならないこととされている。(障害者基本法第10条第2項)(内閣府)

 33.地方における意思決定過程の関与としては、障害者基本法において、都道府県や市町村において、当該都道府県又は市町村の障害者施策の総合的かつ計画的な推進について調査審議し、及びその実施状況を監視する合議制の機関を置く(市町村においては「置くことができる」)こととされている。2014年3月末時点で、全ての都道府県が合議制の機関を置いており、市町村については全体の48.3%である841市町村が置いている。(障害者基本法第36条)(内閣府)

 34.都道府県及び市町村の障害者計画の策定又は変更に当たっては、この合議制の機関から意見を聴くこととされているほか、この合議制の機関は、当該計画についての調査審議、実施状況の監視などを行うことができるとされている。(市町村の場合、合議制の機関を置いていない場合は、障害者その他の関係者の意見を聴くこととされている。)(障害者基本法第11条第5・6・9項)(内閣府)

 35.障害者総合支援法第87条において、厚生労働大臣は、障害福祉サービス等の提供体制を整備し、同法に基づく支援の円滑な実施を確保するための基本指針を定めることとされているが、基本指針の作成又は変更に当たっては、障害者等及びその家族その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じることとされている。また、同法第88条及び第89条において、市町村及び都道府県は、基本指針に即して、障害福祉サービスの提供体制の確保等、同法に基づく業務の円滑な実施に関する障害福祉計画を定めることとされているが、障害福祉計画の作成又は変更に当たっては、障害者等及びその家族並びに障害者等の福祉、医療、教育又は雇用に関連する職務に従事する者等により構成される協議会の意見を聴くよう努めることとされている。(厚労省)
意見=障害者権利条約は、すべての人のために不可欠な権利として人生の全局面において基盤となるアクセシビリティの保障とICT(情報コミュニケーション技術)の利活用を位置づけている(第2条、4条、9条、19条、21条)。しかし、政府報告は論点が散見され、的が絞りにくい。
 アメリカではADAのもとでの「リハビリテーション法508条」によって、連邦政府はアクセシブルなICTの調達を義務づけている。欧州の「Mandate376」も同様だ。わが国では強制力のある法制度や施策が不十分で、技術や指針があってもそれを必要とする人に届いていない。利活用のためのリテラシー教育も不可欠だ。
 また、JDのICT利活用実態調査(2007年)では、パソコン72.1%、インターネット68.6%、携帯電話55.5%が「困ったことがある」と回答しているが、その後の調査はほとんどなされていない。
 上記の認識のもと、政府報告は障害者のICT利活用の実態を反映しておらず、不十分な記述なので、次のように加筆修正されたい。
 さらに「142.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている」と記述されるが、政策委員会は「監視するための枠組みを担っており」とされている。政府報告として対策すべき事項であるので、そのように書きぶりを正されたい。
○第4条 一般的義務(追記)
 28. 「今後、一層の実効性の向上を図る」
 29. 「新技術や支援機器は、日常生活はもとより、教育、労働、リハビリテーション等あらゆる場面で積極的に活用されるべきである。そのため、今後は利用促進面での支援制度を検討する。」
(日本障害者協議会 情報通信委員会)

28 29 意見=「ソフト、ハードの両面にわたる社会のバリアフリー化を推進し、アクセシビリティ の向上を図るとしている。(内閣府)」とありますが、「今後、一層の実効性向上を図る必要がある」こと、および、技術や機器の積極的な活用には、今後、「利用促進面での支援施策の検討が不可欠である」ことを追加希望いたします。
理由=現状、ユニバーサルデザインに配慮した製品開発は努力義務であり、実効性があがっていないこと。
・「日本工業規格(JIS X8341-4)」等の指針はあれど、実態としては、障害者の情報通信利用において、機器、ソフトウェア及びサービスは十分に利活用されていないことを、課題として明記する必要があると思います。
(東京コロニー)


意見=「権利条約 第4条 一般的義務」において「(a)この条約において認められる権利の実現のため、全ての適当な立法措置、行政措置その他の措置をとること」とされているが、条約批准にあわせて制定された法律の内容は権利保障のための措置が不十分である旨を明示すべきである。
<具体例>
 障害者基本法第三条三  全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。
とあるが、「可能な限り」という限定であり義務付けされていないことや、後段の文章が「選択の権利を保障するとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の権利が保障されること。」などとし権利保障を確実なものとするべきであるがそうなっていない。
(全国手話通訳問題研究会)


30:「知的障害、精神障害の当事者委員がいない」と明記してください。
理由=障害者政策委員会の構成が「半数以上が身体障害・知的障害・精神障害・難病の本人又はその家族からなる団体の方々で構成されている」という表記では、知的障害、精神障害当事者の委員が参加できていない実状が報告できません。
(障害連)

30から35:意見=第4条3に関連して、政府内の障害施策に関する全ての審議体における当事者委員の比率等当事者参画の状況及び改善の必要性について加筆するべきである。
理由=平成24 年10 月1 日の障害者政策委員会第3小委員会(第2回)に提出された事務局資料によると、国の審議会等の委員役1800人にうち障害者等委員は17 名(約0.9%)、国の審議会等の専門委員等8000名超のうち障害者等専門委員等は25名(約0.3%)となっており、政策決定過程への障害者の参画が著しく遅れていることから。
(きょうされん)

介護保険制度は非課税世帯にも保険料と利用料(一割)を課す。さらに、年金は稼得能力の喪失に対する補てんにすぎないため、所得保障としては不十分であり、結果として経済力の違いが支援の社会的障壁となっているが、政府は財源との関係から介護保険優先原則には一定の合理性があるとしていることを明記すべきである。
(障全協)
第5条
平等及び無差別
 36.障害者基本法において、基本原則として、障害を理由として差別することその他の権利利益を侵害することを禁止するとともに、障害者への差別とならないよう、障害者が個々の場合において社会的障壁の除去を必要とするときは、その負担が過重でない場合には、その障壁を除去するための措置が実施されるに当たり、合理的な配慮がされなければならない旨規定している。(障害者基本法第4条第1項、第2項)(内閣府)

 37.障害者差別解消法において、「障害を理由とする差別の禁止」として、行政機関等及び事業者に対し、障害を理由として不当な差別的取扱いをすることにより障害者の権利利益を侵害することを禁止するとともに、障害者が個々の場合において社会的障壁の除去を必要とするときは、その負担が過重でない場合には、障害者の権利利益を侵害しないよう、その障壁を除去するための措置が実施されるに当たり、合理的な配慮をしなければならない(事業者に対しては、合理的な配慮をするように努めなければならない)旨を規定している。(障害者差別解消法第7条、第8条)(内閣府)

 38.また、障害者差別解消法において、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するために以下の措置等を定めている。
(1)行政機関等に対し、不当な差別的取扱いを禁止し、過重な負担がない限り社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮を行うことを義務付けるとともに、各職員が適切に対応するための要領の作成を義務(地方公共団体は努力義務)付け。
(2)事業者に対し、不当な差別的取扱いを禁止し、過重な負担がない限り社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮を行うことに努めるよう義務付けるとともに、主務大臣が対応指針(ガイドライン)の作成並びに報告の徴収、助言、指導及び勧告を行うことにより事業者の自主的な取組を促進するための措置を規定。
(3)相談及び紛争防止等のための体制の整備、啓発活動、障害者差別解消支援地域協議会等の障害者差別解消のための支援措置を規定。(内閣府)
意見非課税世帯で障害福祉サービスを利用していた障害者(全体の約9割)は介護保険の対象となっても障害の状態が変化することはない。それにも関わらず、介護保険への移行が強要され、サービスの質と量が減少し、費用負担が発生することは、年齢と原因疾患による障害者差別であるという指摘がある。これに対し、最初から介護保険を優先して利用しなければならない障害者の約6割も非課税世帯で、利用料の負担が重く受給抑制をせざる負えない人たちもおり、一部の障害者のみが優遇されているという批判もある。こうした国民の声を報告書に明記すべきである。
理由=現在、岡山県と千葉県では、介護保険への不申請を理由とした障害福祉サービスの打ち切りと介護保険優先原則の問題に関して、訴訟問題となっている。また、日本障害者センターは2014年から15年にかけて、介護保険優先原則の運用に関する調査を実施した。この結果、506の市・特別区の内(回収率63.8%)、優先原則を適用している自治体が48596%)、介護保険サービスにない社会参加のための移動支援を障害固有のサービスと認めていない自治体が13527%)、上乗せを認めている448の自治体の内、厚労省の基準より厳しいローカルルールを設けている自治体が12328%)あること(これらの結果は、昨年2月に厚労省が公表した調査結果に近い数値である)。そして、介護保険制度に申請しない場合、13426.4%)の自治体が障害福祉サービスの支給を停止することが明らかになっている。
 さらに、20151127日、厚労省の発表では障害福祉サービスの利用者が65歳になり介護保険サービスの利用に移った結果、自己負担が約9倍に増えたとされ、利用料負担増の影響の大きさが明らかにされている。これは障害者だけでなく、約6割を占める非課税世帯の介護保険対象者にとっても重いものである。この結果、低所得者は受給抑制をせざるを得ず、必要な支援を受けることができない。他にも、障害福祉と介護保険の認定基準の違いによりサービスの量が減少する。両制度のサービス内容は異なるため、今まで受けていた支援内容が受けられなくなるといった問題も生じている。
 多数を占める介護保険利用者からは、非課税世帯の利用料が無料となる障害福祉サービスの利用者は優遇されているという批判があるが、これは一方で非課税世帯にも費用負担を課し、他方で支援の量も質も低い介護保険制度を優先することが最大の問題であると考える。介護保険優先原則に起因する諸問題は障害者権利条約の基本理念および第四条一般的義務 1(b)等に抵触する可能性があるため、政府報告書に明記し、国連の障害者権利委員会の判断を仰ぐべきである。
(障全協)


差別と偏見について(5条、8条、19条、24条)
障がいのある人の“きょうだい”は、障がいのある人への偏見に起因して、様々な差別を受けることがある。その例としては、同じ世代の子どもたちからのいじめ、結婚にあたって相手や相手の家族からの理不尽な反対等がある。
(兄弟姉妹の会) 
第6条 
障害のある女子
 39.障害者基本法において、施策の基本方針として、障害者の自立及び社会参加のための施策が、障害者の性別等に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならない旨規定している(障害者基本法第10条第1項)。また、第3次障害者基本計画及び障害者差別解消法に基づく基本方針及び第4次男女共同参画基本計画には、障害に加え、女性であることで更に複合的に困難な状況におかれている場合に配慮が必要である旨、明記している。 及び第3次男女共同参画基本計画には、女性である障害者は、障害に加えて女性であることにより、更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意することを明記し、対応することとしている。
 また、障害者政策委員会において、第3次障害者基本計画の実施状況についての議論を行う中で、障害のある女性委員から障害のある女性の課題について意見を伺い、議論を行った。(内閣府)

 40.売春防止法等に基づき、都道府県に設置された婦人相談所において、障害者を含め、配偶者等からの暴力やストーカー被害にあっている女性等からの相談に応じるとともに、必要に応じて一時保護を行っている。また、中長期的な支援が必要な方に対しては、婦人保護施設において、必要な保護支援を行っている。
なお、婦人保護事業に関する都道府県からの実施状況報告によれば、2014年度に婦人保護施設に入所していた者のうち4割は、身体障害、知的障害、精神障害あるいは何らかの疾患を抱えている。 (厚労省)

 41.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)
 障害者権利条約第6条「障害のある女子」に対応するため、障害女性の視点からの記述及び統計を充実させるとともに、例えば、福祉施設での同性介助を標準化するなど、女性に重点を置いた政策立案を推進する必要がある。また、国や地方公共団体の政策を決定するような様々な審議会や有識者会議の委員構成については、ポジティブ・アクション*の取組が推進されており、
障害者政策委員会においても、こうした視点・取組が必要である。
 *男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係わる男女間の格差を改善するために必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供すること。
39:意見= 「有機的連携」の文言について、ここでもう少しイメージのわきやすい説明を付け加えてほしい。
理由=分かりにくい曖昧な表現なので、もっとわかりやすい的確な言葉を補ってほしい。

意見=障害者政策委員会の中で、障害のある女性委員から障害のある女性の課題について意見を伺い議論を行ったことは評価するが、それで終わるのではなく、更に論議を深めたりもっと広く課題を吸い上げて、障害者でありかつ女性である二重のハンディキャップ解消に向けて、女性障害者の抱える課題や困難への対処を明確化していく必要がある。課題克服の取り組みも政府内だけでなく、各自治体や福祉、医療、教育、労働などのあらゆる場にその視点を広くげていく取り組みが必要である。
理由=我が国で男女平等度が低く意識・社会改革が進んでいないのは様々な指標にも明らかであり、周知されているところである。障害者の世界では、前面に障害者であることが出やすく、女性である立場や課題がなおざりにされがちである。
(全国LD親の会)

斜体部分(障害者政策委員会の指摘)の意見=障害者害者政策委員会での意見が、8点にわたって報告書本文に記載されているが、政府の意見ではなく障害者政策委員会の意見であることが明記されており、本文上での扱いが不適切である。障害者政策委員会による指摘について、政府としても問題意識を共有した旨、明記すべきである。
理由=政府は、報告に率直に障害のある人の置かれている状況を記すことが求められているし、障害当事者の声を反映させる過程を軽視し、国連に報告することの意味や意義が十分でない。
(日本障害者協議会)

女性で障害があることによる二重の差別を受ける場合が現実にあり、一歩踏み込んだ配慮が施策として検討されるべきである。
(ゼンコロ) 
第7条 
障害のある児童
 42.障害者基本法において、施策の基本方針として、障害者の自立及び社会参加のための施策が、障害者の年齢等に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に策定され、及び実施されなければならない旨規定している(障害者基本法第10条第1項)。また、第3次障害者基本計画及び障害者差別解消法に基づく基本方針には、障害児には、成人の障害者とは異なる支援の必要性があることに留意する旨明記している。(内閣府)

 43.障害者基本法において、障害者がその年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、国及び地方公共団体は、障害者である児童生徒及びその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならないと規定している。(文科省)

 44.児童福祉法第1条~第3条において、全て児童はひとしくその生活を保障され、愛護されなければならないとし、国及び地方公共団体は、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負うとしている。また、これらの規定は児童に関する法令の施行に当たって常に尊重されなければならないとされている。同法の規定も踏まえ、都道府県は児童福祉法の施行に関し、児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行い、これに基づいて必要な指導を行っている。こうした都道府県の事務は児童相談所において対応している。(厚労省)

 45.保育所保育指針において、子供に障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めることとされている。(厚労省)
(特別児童扶養手当等の支給については、第28条「相当な生活水準及び社会的な保障」参照。)全国障害者問題研究会(全障研)
42-45:意見=障害者基本法、障害者基本計画、障害者差別解消法、児童福祉法等において、施策を実施すべきことを明記しているとあるが、第7条のいう内容に添って実施しているかどうかを検証した記述が必要である。
理由=第7条の2「児童の最善の利益」、3の意見表明の権利、その支援のためにとった措置に対応した報告が求められる。

42:意見=「障害児には、成人の障害者とは異なる支援の必要性があることに留意する旨明記している」とあるが、障害のある児童が障害者総合支援法、児童福祉法にもとづいて療育や福祉サービスを利用する場合、すべて成人の障害者と同じ手続きである。このことを明記し、改善すべき課題としてあげるべきである。
理由=居宅サービスは障害者総合支援法によって、障害児通所支援等は児童福祉法によって規定されているが、申請から支給決定、サービス利用までの流れは成人と同じであり、障害が未確定である場合や発達しつつある児童という視点が欠落している。また、保護者の収入に応じて費用負担が生じることは、この条項の基本原理である児童の権利に関する条約の第23条の無償原則にも反する。

43:意見=就学にあたって保護者に対する説明責任を果たすことと意向を尊重することが記述されているが、意向を尊重するための教育条件整備義務が十分に果たされてきたかどうかも、この項目を論じる基準である。加筆すべきである。
理由=「意見を聞く」「尊重する」だけではなく、学校・学級を必要なだけつくり、十分な教職員を配置するなどの政府の義務が実行されてこそ、原則としての「児童の最善の利益」が尊重されたことになると考える。

44:意見=都道府県権限による児童相談所の機能を記述しているが、障害児に関する児童相談所の関与は限定的であることを考えると、この項目は精査すべきである。
理由=改正児童福祉法によって在宅障害児の福祉サービスの調整は市町村が行うことになった。児童相談所は「判定」(手帳交付)と措置入所を行っているが、その部分において「児童の最善の利益」に照らした課題を述べるべきである。

45:意見=保育所における障害児保育の到達点がまったく書かれていない。また「保護者に対する個別の支援」とあるが、子どもに対する支援の視点が必要である。
理由=障害児保育に対する財政的措置は地方交付税であるためきわめて脆弱で、実施状況において自治体格差がきわめて大きい。そのことについての調査も行われていない。子ども・子育て支援制度が実施されても格差の是正のための方策が不十分であると言わざるを得ない。
(以上、障害乳幼児に応益負担を持ち込ませない会)


障害の診断を受ける前後の支援に関する国のシステムが曖昧で、自治体間の格差が大きい。
最初の療育を選択するときの支援について、待機がある。子どもにふさわしい相談の場が公的に保障されていない。
療育の費用は食費も含めて保護者の所得によるために応益負担がある。
子ども・子育て支援制度が始まるにあたって、これまで以上に保育所での障害児保育の地域格差が大きくなる。障害があることが保育の必要性として認められなければ保育所入所が難しくなり、障害のある子どもは「小規模保育」に誘導されるのではないかという懸念が広がっている。
放課後等デイサービスが急増しているが、施設整備、職員の専門性が不十分。基本報酬が低い。
 (障害乳幼児に応益負担を持ち込ませない会)   7_1 要望書 
第8条 
意識の向上 
 46.障害者基本法は、障害者の権利についての基本原則を規定しており、国等に対して基本原則に関する国民の理解を深めるよう必要な施策を講じることを義務付けている(障害者基本法第3条、第7条)。障害及び障害のある人に対する国民の関心、理解を深めるとともに、障害のある人の社会参加意識の高揚を図るため、1995年より、毎年12月3日から9日までの1週間を「障害者週間」としている(障害者基本法には、2004年改正時に規定が設けられた。同法第9条。)。前後の期間も含め、全国で、官民にわたって多彩な行事を集中的に実施するなどど、積極的な啓発・広報活動を実施している。(内閣府)

 47.内閣府では、1989年度から、各都道府県・指定都市との共催により、若者への啓発・広報活動の一環として、全国の小・中学生等から、障害のある人とのふれあい体験をつづった「心の輪を広げる体験作文」を、1993年度からは「障害者週間のポスター」も募集し、優秀作品の表彰を行う「心の輪を広げる障害者理解促進事業」として実施している。(内閣府

 48.内閣府では、高齢者、障害のある人、妊婦や子供連れの人を含む全ての人が安全で快適な社会生活を送ることができるよう、ハード、ソフト両面のバリアフリー・ユニバーサルデザインを効果的かつ総合的に推進する観点から、その推進について顕著な功績又は功労のあった個人・団体に対して、内閣総理大臣及び高齢社会対策又は障害者施策を担当する大臣が、毎年度、バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰を行い、その優れた取組を広く普及させることとしている。(内閣府)

 49.また、障害者差別解消法において、国及び地方公共団体は、障害者差別の解消について国民の関心と理解を深め、特に、その障害者差別の解消を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行うものとしている(障害者差別解消法第15条)。(内閣府)

 50.内閣府では、我が国の社会活動の中心的担い手となる青年の能力の向上とネットワークの形成を図るため、「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」において、障害者関連活動等の社会活動を行っている日本青年海外派遣及び外国人青年日本招へいといった国際交流を実施している。(内閣府)

 51.障害のある方々が日頃培った技能を互いに競い合うことにより、その職業能力の向上を図るとともに、企業や社会一般の人々に障害のある方々に対する理解と認識を深め、その雇用の促進を図ることを目的として、アビリンピックの後援を行っている。(厚労省)

 52.障害者基本法第16条第2項において、「国及び地方公共団体は、障害者である児童生徒と障害者でない児童生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによつて、その相互理解を促進しなければならない」と規定し、学習指導要領等において、障害のある人々などとの触れ合いや、障害のある子供と障害のない子供との交流及び共同学習の機会を設けることについて規定している。(文科省)

 53.「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」(以下「人権教育・啓発推進法」という。)第7条に基づき策定した「人権教育・啓発に関する基本計画」において、障害のある人の人権を人権課題の一つとして、障害のある人に対する偏見や差別意識を解消し、ノーマライゼーションの理念を定着させることにより、障害のある人の自立と完全参加を可能とする社会の実現を目指して、人権尊重思想の普及高揚を図るための啓発活動を充実・強化することを明記している。法務省の人権擁護機関(第33条「国内における実施及び監視」参照)では、当該計画に基づき必要な施策を推進しているところ、「障害のある人の自立と社会参加を進めよう」を啓発活動の年間強調事項の一つとして掲げ、講演会や座談会の開催、啓発冊子等の配布、各種イベントにおける啓発活動を実施している。(法務省)

 54.法務省では、国家公務員等の理解と認識を深めることを目的とした、中央省庁等の職員を対象とする「人権に関する国家公務員等研修会」を開催しているところ、2014年2月には「障害のある人の人権」をテーマに取り上げ、実施した。また、都道府県及び市区町村の人権啓発行政に携わる職員を対象に、その指導者として必要な知識を習得させることを目的とした「人権啓発指導者養成研修会」を開催しているところ、その中で、「障害のある人の人権」をテーマとする講義も実施している。(法務省) 
46~54:意見=第8条に関連して、意識の向上に対応する施策が列挙されているが、加えて、これらの施策の効果が不十分であること及びそのことへの即時の対応が求められていることについて言及するべきである。
理由=内閣府による平成24 年度「障害者に関する世論調査」によれば、障害者週間を知らないと答えた者が71.4%、障害者権利条約を知らないと答えた者が81.5%に及び、政府等による啓発活動が不十分であることが明らかなため。
(きょうされん)

46~54:意見=実施した事柄の羅列が多く、更に積極的に踏み込んで継続していきたいという方向性や意欲を示してほしい。
理由=差別解消の一番の土台となる「意識を変える取り組み」であるにも拘わらず、ありきたりな、形式駅な内容である。捉えにくいものであるからこそ 今後早急に客観的で妥当な効果査定や評価を継続実施し、その結果や分析に基づいた報告をすべきと考える。
(全国LD親の会)

意見=障害者差別の解消を妨げている諸要因の解消を図るため、必な啓発活動行うと しているが、 病気による内部障害は外からは見えないために、障害を理解されることが困難で、未だに詐病の扱いを受けている疾患がある現状があることを記すべきである。
理由=ME/CFSはWHOの国際疾病分類において神経系疾患と分類されているにもかかわらず、未だに精神的なものであるかのような扱いを受けており、基本的人権が守られているとは到底いえない。国が率先して啓発活動を行うべきである。
(筋痛性脳脊髄炎の会)


失語症に関しての合理的配慮が多くの場面で実施されていない。失語症に対する認識、知識の欠如からくるものであると推察される。また、失語症のある方々に対する基本的人権が守られていない。失語症のある方々とそのご家族の当たり前の生活を保障してほしい。
(日本失語症協議会)   8_1 政策会議報告  8_2 要望書

脳損傷により日常生活が困難になった当事者への十分なリハビリテーションシステムや、福祉の制度がなかったために、当事者本人および家族にも障害が理解されず、ましてや一般市民にも理解されず、支援が浸透していない。
(日本脳外傷友の会)   
第9条
施設及びサービス等の利用の容易さ
 55.障害者基本法において、国及び地方公共団体に対して、公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進を図ることを義務付けている。また、公共的施設を設置する事業者に対して、同様の努力義務を課している(障害者基本法第21条第1項、第2項)。情報、通信その他サービスに関しては、障害者基本法において、国及び地方公共団体が、情報の利用におけるバリアフリー化のための施策を講じることとされているほか、災害その他の事態の場合に障害者に対しその安全を確保するため必要な情報が迅速かつ的確に伝えられるよう必要な施策を講ずるものとされている(同法第22条第1、2項)。また、事業者に対して、障害者の利用の便宜を図ることについて努力義務を課している(同法第22条第3項)。(内閣府)

 56.障害者基本計画においては、分野別施策として、住宅、建築物、公共交通機関、歩行空間など生活空間のバリアフリー化を推進し、自宅から交通機関、まちなかまで連続したバリアフリー環境の整備を推進することを生活環境施策の基本方針としており、住宅、建築物、公共交通機関、歩行空間等のバリアフリー化を推進することとしている。(国交省)

 57.「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方を踏まえた、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下、「バリアフリー法」という。)」により、旅客施設・車両等、道路、路外駐車場、都市公園、建築物等の新設等の際の「移動等円滑化基準」への適合義務、既存の施設等に対する適合努力義務を定めるとともに、「移動等円滑化の促進に関する基本方針」において、2020年度末までの整備目標を定め、バリアフリー化の推進を図っている。
 例えば、旅客施設に関して、1日の乗降客数が3、000人以上の旅客施設については原則100%バリアフリー化することを目標と定め、整備を進めており、着実に進捗している一方、リフト付きバスや福祉タクシー等の車両については、整備目標を達成するため、導入を更に進めていく必要がある。また、移動等円滑化の基準と実績については、毎年度公表している。(国交省)

 58.バリアフリー法の基本方針二の1の二において、バリアフリー化が義務化されていない特定建築物に対してもバリアフリー化の積極的な対応が望ましいとして、設計上の対応可能性やコスト増への対応可能性を勘案しながらバリアフリーを目指している。また同方針四の1の(1)より、移動等円滑化の進展の状況等を勘案しつつ、より検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めることにより、「スパイラルアップ」(段階的・継続的改善)を図っている。(国交省)

 59.バリアフリー法第4条において、国は教育活動等を通じて移動等円滑化の促進に関する国民の理解を深めるよう努めなければならない旨規定されている。具体的には、高齢者、障害者の疑似体験等を内容とするバリアフリー教室を全国各地で開催している。また、同法第8条第5項において、公共交通事業者等は、その職員に対し、移動等円滑化を図るために必要な教育訓練を行うよう努めなければならない旨規定されており、各事業者において障害者の参加による教育訓練等を実施している。(国交省)

 60.施設についての研究及び開発の実施又は促進については、バリアフリー法第52条第1項において、国は、移動等円滑化を促進するために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならないこと、同条第2項において、国は、移動等円滑化に関する情報提供の確保並びに研究開発の推進及びその成果の普及に努めなければならない旨規定されている。これらに基づき、例えば、視覚障害者誘導用ブロックの敷設方法に関する調査研究等を行い、公共交通事業者等に公表するとともに、旅客施設のバリアフリー整備ガイドライン等の改訂に反映させている。  (国交省) 

 61.公共交通、建築物の移動等円滑化基準においては、主要な設備等を視覚障害者に点字その他の方法により示すこと、公共交通の基準には聴覚障害者が文字により意思疎通を図るための設備を備えなければならないことが 設定されている。また、バリアフリー法に基づく取組みの現状把握、課題の抽出、対応方策の検討や提案等を行うため、関係する全国の高齢者・障害者等団体、施設設置管理者団体等、学識経験者、行政機関等が一堂に会し、全国バリアフリーネットワーク会議を開催している。 (国交省)

 62.警察では、バリアフリー法に基づき、障害者等が道路を安全に横断できるよう、音響式信号機、経過時間表示機能付き歩行者用灯器、歩車分離式信号等のバリアフリー対応型信号機や、高輝度標識、横断歩道上における視覚障害者の安全性及び利便性を向上させるエスコートゾーン等の見やすく分かりやすい道路標識等を整備している。(警察庁)

 63.情報利用のバリアフリー化については、障害者基本法第22条第1項において、国及び地方公共団体が、情報の利用におけるバリアフリー化のための施策を講じることとされており、その一環として、障害者基本計画(Ⅲ6.(4))において、地方公共団体等の公的機関におけるウェブアクセシビリティの向上等に向けた取組を促進することが明記されていることから、国及び地方公共団体におけるウェブアクセシビリティの維持・向上の支援に資するための手順書である「みんなの公共サイト運用モデル」を公表(2005年策定、2011年改定)している。(総務省)

 64.字幕放送等の普及につき、障害者基本計画(Ⅲ6.(2))において、放送事業者への制作費助成、「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」に基づく取組等の実施・強化により、字幕放送(CM番組を含む)、解説放送、手話放送等の普及を通じた障害者の円滑な放送の利用を図ることを明記している。具体的には、「身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律」(以下「障害者利用円滑化法」という。)(同法第2条第4項、第3条、第4条、第5条)に基づき、字幕・解説・手話番組の制作費等の一部助成を実施している。また、放送法第4条第2項において、放送事業者は字幕番組・解説番組をできる限り多く設けるようにしなければならないとする努力義務を規定している。なお、「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」は 2017年度までの字幕・解説・手話放送の普及目標を策定・公表したものであり、その進捗状況について毎年度、把握・公表している。(総務省)

 65.通信・放送役務の提供又は研究開発につき、障害者基本法第22条第1項において、国及び地方公共団体が、情報の利用におけるバリアフリー化のための施策を講じることとされていること、障害者基本計画(Ⅲ6.(1))においても、障害者の情報通信機器及びサービスの利用における情報アクセシビリティの確保及び向上・普及を図るため、障害者に配慮した情報通信機器及びサービス等の企画、開発及び提供を促進することが明記されていることから、障害者の利便の増進に資する通信・放送役務の開発を行うための通信・放送技術の研究開発を行う者に対し助成を実施している。障害者利用円滑化法(同法第2条第4項、第3条、第4条、第5条)に基づき、身体障害者向け通信・放送役務の提供又は開発を行うものに対する助成を実施している。(総務省)

 66.警察では、主として聴覚や言語に障害のある者が、犯罪被害に遭ったり犯罪を目撃したりした場合に警察への緊急通報を行うため、各都道府県警察においてFAX110番及びメール110番を開設している。(警察庁)
(意思疎通支援については、第21条「表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会」参照。)(厚労省)
(本条に関する障害者政策委員会からの指摘に関しては、第21条「表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会」の最後のパラグラフを参照。)
意見=第9条 accessibilityは、タイトルを「アクセシビリティ」とし、つぎの下線部分を加筆、追記すべき。
 55.障害者権利条約の下、障害者基本法において(以下略)

 63.情報利用のバリアフリー化については、障害者基本法第22条第1項において、国及び地方公共団体が、情報の利用におけるバリアフリー化のための施策を講じることとされており(中略)国及び地方公共団体におけるウェブアクセシビリティの維持・向上の支援に資するための手順書である「みんなの公共サイト運用モデル」を公表(2005年策定、2011年改定)している。今後は、障害者の利活用実態をふまえ、関連省庁と連携し、対策に務めたい。(総務省)

 65. より一層の情報アクセシビリティ普及のため、利活用に関する助成制度及び啓蒙活動の実施も検討する。
(日本障害者協議会情報通信委員会)

63 65:意見=「みんなの公共サイト運用モデル」を公表(2005年策定、2011年改定)していること(総務省)が述べられていますが、今後のウェブアクセシビリティの向上についての取り組みは、「利用者側の利用状況を十分に踏まえて進めていくこと」が望まれることを追加希望いたします。
理由=公共サイトのウェブアクセシビリティ促進のためのモデルの施策は確かにありますが、そこには、肝心の障害のある人の活用リテラシーについてはほとんど検討されておらず、他の施策とのリンクもありません。

意見=「放送技術の研究開発を行う者に対し助成を実施している」、「身体障害者向け通信・放送役務の提供又は開発を行うものに対する助成を実施している」とありますが、より一層の情報アクセシビリティ普及のため、今後は「利活用に関する助成制度及び啓蒙活動の実施」も検討していく旨を追加希望いたします。
理由=技術やサービスの研究・開発への助成はありますが、現在、その後の利用促進への助成がありません。また、自治体及びサービス提供者(情報通信機器、放送、出版等メディア等)、研究開発者等に対し、情報利用の促進は責務であること、また、それは「人権」に不可欠であることの啓蒙が不足しています。
(東京コロニー)


自立について*(9、10、12、19、20、22、23、24、25、26、27、28、29、30条)
 障がいのある人の“きょうだい”にとって、障がいのある人の「自立」は、大変重要なことである。互いが互いに縛られずに自分の人生を作るためである。
 障がいのある人が自立できるためは、幼少期からの自立に向けた家族への支援や教育等が保障され、成人後は家族から独立して生きることのできる、雇用、福祉、医療等の制度及び所得補償等が必要であるが不十分である。生活を充実させる余暇等のための支援や、自立の基礎となる意思決定支援も不可欠であるが不十分である。一方、高齢になった家族と障がいのある人が共依存にならないように家族を支援することも必要である。
(兄弟姉妹の会) 
第10条
生命に対する権利
 67.日本国憲法13条は、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする旨定める。障害者基本法においては、障害者がその尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを基本原則として規定しており(障害者基本法第3条)、また、国及び地方公共団体に対して、障害者の自立と社会参加の支援のための施策を総合的かつ計画的に実施する責務を課している(同法第6条)。(内閣府)  
第11条
危険な状況及び人道上の緊急事態 
 68.東日本大震災においては、高齢者や障害者の死亡率が高いとの調査がなされた 被災地全体の死亡者のうち65歳以上の高齢者の死亡者数は半数以上であり、障害者の死亡率は被災住民全体の死亡者の約2倍となった。このほか、消防職員や民生委員など支援者についても多数の犠牲者が出た。こうした教訓を踏まえ、2013年6月に災害対策基本法を改正し、当該市町村に居住する、高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要するもの「要配慮者」(災害対策基本法第8条第2項第15号)のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するもの(以下「避難行動要支援者」という。)に対する実効性のある避難支援、安否の確認その他の避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために必要な措置がなされるよう、避難行動要支援者名簿の作成を市町村長に義務付けるとともに、平常時及び災害発生時において避難支援者に情報提供を行うための制度を設けた。また、当該法改正を受けて、「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」(2006年3月)を、全面的に改定し、避難行動要支援者名簿の作成・活用に係る留意点・参考となる事項等をまとめた「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」を2013年8月に策定・発表した。
 さらに、同法改正においては避難所における生活環境の整備等に関する努力義務規定も設けられ、この取組を進める上で参考となるよう、避難所(福祉避難所を含む)運営に当たって要配慮者への支援に関して留意すべき点等を盛り込んだ、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」を2013年8月に策定・発表した。 (内閣府)

 69.2015年3月に仙台市で第3回国連防災世界会議が開催され、日本政府は、仙台市、日本財団及び国連国際防災戦略事務局(UNISDR)とともに、本会議を「アクセシブル・カンファレンス」とすることを目指して、施設のバリアフリー化や各セッションにおける日本語及び国際手話通訳、スクリーンへの日本語と英語字幕の表示等、障害者も苦労することなく会議に参加できるよう、様々な取組を行った。また、本会議では、障害者も防災の主要な担い手として、全体会議においてステートメントを行ったほか、ワーキングセッションにおける議論や関連事業に参加し、本会議で策定された新たな国際的な防災の取組指針である「仙台防災枠組2015-2030」においては、障害者の果たす役割の重要性について明記された。(内閣府)

 70.障害者基本法において、国及び地方公共団体は、災害その他の事態の場合に障害者に対しその安全を確保するため必要な情報が迅速かつ的確に伝えられるよう必要な施策を講ずるものとされている(障害者基本法第22条第2項)。また、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて防災及び防犯に関し必要な施策を講じなければならないこととされている(同法第26条)。(内閣府)

 71.武力攻撃事態対処法において、武力攻撃事態等への対処においては、基本的人権が尊重されなければならないこととされており、その上で、国民保護法第9条においては、国民の保護のための措置を実施するに当たっては、障害者の保護について留意しなければならないこととされている。(内閣官房)

 72.「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準」(以下「施設基準省令」という。)第44条第1項等において、障害者の施設入所支援等を行う施設等は、非常災害に際して必要な設備(消火設備等)を設けるとともに、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連絡体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知しなければならないと定められている。なお、指定障害者支援施設等のほか、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所や児童福祉法に基づく指定障害児入所施設などにおいても同様の規定を設けている。(厚労省)
68:意見=第11条に関連して、東日本大震災の高齢者や障害者の死亡率が高かったことにふれているが、NHKの調査によると障害者の死亡率が、住民全体の2倍であったことを紹介すべきである。また、来る大災害を前に、「死亡率2倍」の分析を政府において行なうべきであるとの指摘がある旨、明記すべきである。
理由=震災など緊急時における生命の危険に対応する施策の重要性・緊急性は高いため。
(きょうされん)

68:意見=「当該法改正を受けて、「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」(2006 年 3 月)を、全面的に改定し、避難行動要支援者名簿の作成・活用に係る留意点・参考となる事項等をまとめた「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」を2013 年 8 月に策定・発表した。
意見内容=障害者が災害時に実際に困難に直面していた事例を多く権利委員会に報告し、障害者権利条約の趣旨から、日ごろからの周知や福祉避難所の開設の訓練を行うなど、障害当事者の意見を取り入れた災害緊急時の対策や連絡体制、福祉避難所の推進等をさらに実施するべきことを明記すべきである。
理由=
 1. 2015年9月大規模な洪水に襲われた茨城県で、自閉症の長女と三女がいる母親が、長女がかつて在籍し、宿泊訓練も積んでいた特別支援学校に避難しようとしたが、同校は避難所になっていなかったため、受入を拒否された。そこで、近くの避難所になっている体育館へ行ったが、長女が突然外に出て行ったり、三女は備え付けのピアノをいじり出すなど落ち着きをなくした。自閉症の人は環境が変わるとパニックになることがよくある。「避難者が増えたらもっと落ち着かなくなる」と考えた母親は1時間で避難所生活を断念せざるを得なかった。
 2. 2013年8月「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」が策定・発表され、それに基づき、内閣府は自治体向けに「福祉避難所の量的確保」と「周知」などを求めた。しかし、実際のところ、本水害時には福祉避難所の開設まで手が回らなかった自治体が多かった。救済システムがあるのに使わないと意味がない。職員にも福祉避難所に対する認識が足りていない実態がある。
 3. 日本自閉症協会では、防災ハンドブックを作成しているほか、災害緊急時の対策や連絡体制の必要性、福祉避難所の推進について取り組みを積極的に行っている。日本政府においては、自閉症の障害を十分に理解し、障害特性を踏まえた避難行動支援を行うよう切望する次第である。なお、日本政府の同取組に対して、当協会は協力を惜しまない所存である。
(日本自閉症協会)

71:意見=「障害者の保護について留意しなければならないこととされている」という表現では不明瞭である。
理由=もっと具体的な説明が必要と考える。
(全国LD親の会)
第12条
法律の前にひとしく認められる権利 
  73.日本国憲法第13条は、「すべて国民は、個人として尊重される」ことを定めている。また、障害者基本法においては、基本原則として障害者の個人の尊厳について規定している(障害者基本法第3条)。(内閣府)

 74.我が国の民法は、「私権の享有は、出生に始まる」旨規定し(民法3条)、全ての人が権利能力を有することとされている。この点について、障害者であることを理由とした制限は設けていない。(法務省)

 75.認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な者を保護し、支援するための制度として、成年後見制度を設けており、本人の判断能力の程度に応じて、後見、保佐及び補助の3類型を利用することができる。(法務省)

 76.成年後見人及び成年後見監督人の選任に際しては、本人の意見等一切の事情を考慮すべきものとしているほか、本人(被後見人)の陳述の聴取の機会も確保している(民法第843条第4項、第852条、家事事件手続法第120条)。また、選任された成年後見人は、本人の意思を尊重しその身上に配慮する義務を負い(民法第858条)、これにより、本人の権利、意思及び選好の尊重が図られている。なお、保佐及び補助にもこれらの規定が準用され、又はこれらと同旨の規定が設けられている(民法第876条の2第2項、第876条の5第1項、第876条の8第2項、第876条の10第1項、家事事件手続法第130条、第139条)。補助については、家庭裁判所が本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない(民法第15条第2項)(法務省)

 77.成年後見人の取消権及び代理権の範囲は民法で明確に規定されており、その行使に当たっては、成年後見人は本人の意思を尊重しなければならない障害者がその財産を恣意的に奪われないことを確保している(民法第7条から第9条まで、第858条)。保佐人については、同意権及び取消権の範囲民法で規定されているほか、家庭裁判所は、本人の判断能力の程度や必要性に応じて、審判により、特定の法律行為について個別に保佐人に代理権を付与し、あるいは同意権や取消権の範囲を拡張することができるが、本人以外の者の請求により代理権付与の審判をするには、本人の同意がなければならないなど、本人の状況に応じた柔軟な対応をとることができる。(民法第13条、第876条の4)。補助人の同意権及び取消権並びに代理権の範囲については、家庭裁判所が本人の判断能力の程度や必要性に応じて個別に定めることができるが、本人以外の者の請求により同意権等の付与の審判をするには、本人の同意がなければならないこととしている(民法第17条、第876条の9)。(法務省)

 78.家庭裁判所は、後見人、保佐人及び補助人の事務を監督し、いつでも、これらの者に事務の報告等を求めることができる(民法第863条、第876条の5第2項、第876条の10第1項)。このような措置により、司法機関による審査が確保されている。また、本人の判断能力が回復した場合には、家庭裁判所が後見開始、保佐開始及び補助開始の審判を取り消すことができ(民法第10条、第14条第1項、第18条第1項)、これにより、障害者の状況に適合した措置をとることを可能としている。(法務省)

 79.成年後見制度(後見、保佐、補助)の利用者数は、2012年末は164、421件、2013年末は174、565件、2014年末は182、551件となっており、年々増加している。2014年末における後見3類型の内訳は、成年後見149、021件(約81.6%)、保佐25、189件(約13.8%)、補助8、341件(約4.6%)となっている。成年後見人等(成年後見人、保佐人及び補助人)と本人との関係については、2011年時点では親族が約55.6%、親族以外の第三者が約44.4%であったところ、2014年は親族が約35.0%、親族以外の者が約65.0%となっており、第三者の割合が大きく増加している。(法務省)

 80.成年後見制度については、例えば、障害者本人が一部の親族により身体的虐待を受け、あるいは年金収入等を搾取されている場合には、成年後見人に選任された弁護士等が、本人の意思を尊重しながら、その安全な居所を確保し、財産を管理することにより、本人の身体及び財産を適切に保護することができるとの指摘がされている。(法務省)

 81.障害者総合支援法に基づく相談支援として、地域の障害者等の福祉に関する様々な問題について、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供や助言等を行う「基本相談支援」等を実施している。また、同法第77条に基づく市町村の地域生活支援事業として、障害福祉サービスの利用の観点から成年後見制度を利用することが有用であると認められる障害者であって、成年後見制度の利用に要する費用について補助を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると認められるものに対し、当該費用を支給する事業が実施されており、2014年度には1、360の市町村において当該事業が実施された。(厚労省)

 82.「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(以下「精神保健福祉法」という。)第51条11の2において、市町村長は、精神障害者の福祉を図るため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所に対し、民法に基づく審判(民法第7条の後見開始の審判、同法第11条の保佐開始の審判、等)の請求をすることができるとされている。(厚労省)

 83.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。
 意思決定の支援及び法的能力の行使を支援する社会的枠組みでの構築が急務である。また、成年後見制度のうち、特に代行型の枠組みである後見類型の運用に当たっては、最良の支援を提供しても、なお法的能力の行使が困難な場合に本人の権利と利益を守るための最終手段として利用されるべきものであり、かつ、代理人が本人に代わって意思決定をする場合にも、法の趣旨に則り、できる限り本人の意思を尊重するよう制度運用の改善を図る必要がある。
 また、家庭裁判所の成年後見人の監督業務の負担の在り方についても課題が共有された。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)
 
意見=障害者総合支援法第7条の介護保険優先原則によって、全国各地で生じている問題点を、政府報告に明記してください。とくに上記の権利条約の各条項について、「他の者との平等を基礎」に、以下の問題点ならびに不服申し立てや司法上の争いになっていることを加えてください。
 第一に、65歳の誕生日を迎えると、機械的に介護保険が優先されてしまい、介護サービスの量に応じた1割の応益負担が課せられていることです。また、介護保険の居宅訪問サービスの時間数は、障害福祉に比べてきわめて少なく、さらに要介護認定によって厳しく制約されてしまいます。その結果、高齢の障害のある人たちは、支援の利用抑制と負担増が強いられています。これは、第19条の「自立した生活及び地域生活への包容」に抵触することを、政府報告に明記してください。
 第二に、介護保険優先原則によって、障害のある人自らが必要とする支援を選べないことです。国は、介護保険と障害福祉サービスの併給を通知で認めていますが、少なくない自治体が併給を抑えるために、基準や要件を設けています。そのために、必要な支援を受けられない事態が生じています。これは、第12条の「法律の前にひとしく認められる権利」に抵触していることを、政府報告に明記してください。
 第三に、65歳になると、それまで利用していた障害福祉の移動介護の支給が抑制されるだけでなく、市町村の移動支援の利用が制限されるなどの問題が生じていることです。これは、第20条の「個人の移動を容易にすること」への制限となっていることを、政府報告に明記してください。
(自立支援法違憲訴訟団 元原告・秋保喜美子) 全文word

意見=障害者権利条約は、全ての障害のある人があらゆる人権と自由の十分かつ平等な享受を促進し、保護し、保障すること、および彼らの固有の尊厳の尊重を促進することにあります。しかし、わが国の成年後見制度についての政府報告は民法の規定であり、これでは不十分です。
 法律の前にひとしく認められる権利(第12条)である「支援付意思決定とは」、権利は他の人に委譲できるものではないということです。障害のある人が自身の権利を完全に享受できるということです。よって支援つき意思決定は、成年後見制度に取って代ることを意図したものであります。現存の成年後見制度が障害のある人の部分的なまたは全面的無能力を進めているものとなっていますが、同条では障害のある人の権利について明確に「他の人と同じ法的能力」を享受するとあります。意思決定能力があることを前提にして、誰がどのような仕組みで支援するのか基本法が必要であるとともに成年後見制度は廃止すべきです。
 また、障害支援区分により、支援給付費が制限され、いうならば、生きていくための糧を制限され、法律の前にひとしく認められる権利が侵害されています。障害支援区分(程度区分)を廃止することを明記してください。
 障害者総合支援法は、知的障害者の支援を日中と夜間の時間帯に2分化しています。昼夜分離することなく24時間切れ目のない一貫した支援が生涯にわたり受けられることが大切です。従ってこの区分は廃止すべきです。在宅、グループホームの利用者も24時間切れ目のない支援を必要とする人がいます。訪問支援などに定められている時間制限は廃止し、必要な人に必要なだけ給付すべきです。
全国知的障害者施設家族連合会)



日本における成年後見制度の15年の歩みの中で、さまざまな新しい課題が登場し、成年後見制度の過大な権利制限の見直しが各方面から要請されている。
(日本社会福祉士会) 

意志決定支援について(12、21、29条)
意思決定支援の基礎となるのは、障がいのある人が自己肯定感を持ち、言語に縛られずに他者とコミュニケーションをとることができる力をつけることであると考える。そのためには、幼少期からの家族支援や教育及び福祉の環境とそこに携わる人の支援スキルの向上そして、本人の様々な体験が必要であるが不十分である。
(兄弟姉妹の会) 
第13条 
司法手続の利用の機会
 84.障害者基本法において、国又は地方公共団体に対して、障害者が、刑事事件若しくは少年の保護事件に関する手続その他これに準ずる手続の対象となった場合、又は裁判所における民事事件、家事事件、若しくは行政事件に関する手続の当事者その他の関係人となった場合において、障害者がその権利を円滑に行使できるようにするため、個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するとともに、関係職員に対する研修その他必要な施策を講じることを義務付けている(障害者基本法第29条)。(内閣府

 85.裁判所においては、できる限り、障害者が不自由なく裁判所施設を利用できるよう、段差解消、多機能トイレ、エレベーターの整備などのバリアフリー化を図っており、今後も更に整備を進める予定であると承知している。(法務省)

 86.裁判所では、各裁判手続等において、障害を有する当事者や証人等が、適切に意思疎通を図り、円滑に権利行使ができるようにするため、裁判官の判断で、障害の内容や程度に応じて、手話通訳人を付す、要約筆記等による手続を行う、あるいは、補聴器を貸与する、裁判所が作成、交付する書面を点訳するなどの配慮のほか、裁判官が当事者に対する手続の説明や質問をする際にも、その内容や方法に配慮するなどの措置が講じられていると承知している。(法務省)

 87.また、障害を有する子供に対しては、裁判官の判断で、さらにその発達段階に応じた質問内容や方法にするなどの配慮をしているものと承知している。(法務省)

 88.当事者は、難聴、言語障害、知能が十分でないこと等により、十分な裁判上の行為ができない場合、裁判所の許可を得て、補佐人と共に出頭することができる(民事訴訟法第60条、非訟事件手続法第25条)。(法務省)

 89.裁判所においては、裁判官の研修を担当する司法研修所、及び
、裁判官以外の職員の研修を担当する裁判所職員総合研修所において、人権擁護に取り組んでいる政府機関担当者や障害者関連の専門家を講師に招くなどして、障害者に対する適切な配慮等について理解を深める研修を実施し、また、各裁判所においても、同様の研修を実施しているものと承知している。(法務省)

 90.民事裁判及び非訟事件の手続について、口頭弁論に関与する者(当事者となる場合のほか、証人等となる場合を含む。)が耳が聞こえない者又は話をすることができない者であるときは、通訳人を立ち会わせ、又は、文字で問い若しくは陳述をすることができるとしている(民事訴訟法第154条第1項、非訟事件手続法第48条)。(法務省)

 91.刑事訴訟法及び刑事訴訟規則上、以下のとおり規定されている。
(1)障害者であるか否かにかかわらず、被告人及び被疑者は、私撰弁護人を付することができ(刑事訴訟法第30条第1項)、被告人は又は一定の事件の被疑者は、貧困その他の事由により弁護人を選定できないときは、裁判所(官)に対し、国選弁護人の選任を請求することができる(同法第36条、第37条の2)。さらに裁判所(官)は、被告人が、耳の聞こえない者又は口のきけない者であるとき(同法第37条第3号)、心神喪失者又は心神耗弱者である疑いがあるとき(同条第4号)、その他必要と認めるとき(同条第5条)、若しくは一定の事件の被疑者が、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがあるとき(同法第37条の4)は、職権で国選弁護人を選任することができる。 裁判所(官)は、耳の聞こえない者又は口のきけない者が被告人等であるときは、職権で国選弁護人を選任することができる(刑事訴訟法第37条第3号ないし第5号、第37条の4)。
(2)裁判所は、裁判所の手続において、耳の聞こえない者又は口のきけない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせることができる(刑事訴訟法第176条)。
(3)証人尋問においては、証人が耳が聞こえないときは、書面で問い、口がきけないときは、書面で答えさせることができる(刑事訴訟規則第125条)。(法務省)

 92.捜査機関において、障害を有する被疑者や参考人に対して取調べを行う際は、対象者の特性を考慮して適切な方法により行うことの重要性を意識し、知的障害者等に対し供述特性を踏まえた分かりやすい発問等を行うこと、聴覚障害者に対し手話通訳や筆談を用いること、必要に応じ、検察官らが自宅や病院等に赴いて保護者や医師等の同席の上で事情聴取を実施することなどの配慮を行っている。(法務省)

 93. 犯罪捜査規範の規定に基づき、 警察官は、精神又は身体に障害のある者の取調べを行うに当たっては、その者の特性を十分に理解し、取調べを行う時間や場所等について配慮するとともに、供述の任意性に疑念が生じることのないように、その障害の程度等を踏まえ、手話通訳者を手配するなどの適切な措置方法講じている 用いなければならないこととされている(犯罪捜査規範)。(警察庁)

 94.国家公安委員会規則において、人権の尊重を大きな柱とする「職務倫理の基本」を定め、警察職員に対し、職務倫理を保持させる教育を行うよう規定している。これらの規則に従い、警察では、警察学校や警察署等の職場において、憲法、刑事訴訟法等の法学や職務倫理の講義、障害者施設への訪問実習、有識者による講話等、障害者の特性や障害に配慮したコミュニケーション等の理解を深め、障害者の人権を含めた人権に配意した警察活動を推進するための教育を行っている(警察職員の職務倫理及び服務に関する規則)。(警察庁)

 95.留置実務を指導する者に対する司法手続を含む研修を実施し、指導者の資質を高めるとともに、留置業務に従事する職員に対しては、各警察学校における専門教育や、警察署等の職場における研修会等のあらゆる機会において、障害者を含めた被留置者の人権に配意した適正な職務執行を期する上で必要な司法手続を含む知識・技能等を習得させるための教育を行っている(「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」、以下「刑事収容施設法」という。)。(警察庁)

 96.検察庁においては、「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」に基づき、庁舎にスロープや自動扉、エレベーター等を設置する措置を講ずる努力を行っている。(法務省)

 97.検察職員に対し、経験年数等に応じて実施する各種研修において、障害者に関する理解・配慮に資する講義を実施している ほか、日常の業務においても、上司が個別事件の捜査・公判を通じて個々の検察官に対して指導を行っている。(法務省)

 98.日本司法支援センターは、民事法律扶助業務の法律相談援助を障害者等の居住場所その他適宜の場所において実施しているほか、高齢者・障害者等社会的に弱い立場にある者に対しては、同センターの常勤弁護士等が自治体や福祉団体等と連携して積極的に法的サービスを提供している。(法務省)

 99.日本司法支援センターは、関係職員に対し、障害者等疑似体験実習を実施し、障害者に必要な配慮や接遇等を学ぶ研修を実施しているほか、全職員向けに「高齢者・障害者への接遇マニュアル」を作成し、周知を図っている。(法務省)
意見=84、89、94、95、97及び99において、各種研修・教育について記述されている。研修を行うことが目的ではなく、職員が障害特性等について理解することが目的であるので、成果指標として、職員の理解度又は習得度について記載すべきと考える。現状で適切な資料がない場合は、今後それらを明らかにしていくことを明確にすべきである。
(日本社会福祉士会)

90~91:意見=「耳が聞こえない者又は話をすることができない者」が支援対象として出てくるが、発達障害における認知障害やコミュニケーション障害のある者も支援対象とした報告が必要である。
理由=認知障害やコミュニケーション障害に対しては支援が無いと受け取られてしまう恐れがある。
(全国LD親の会)

意見=92において、捜査機関における配慮について記述されているが、知的障害者が被疑者である場合の取り調べの録音・録画(可視化)及び立会人を置くことについての取り組みが進んでいることも記載すべきと考える。
(日本社会福祉士会)

94:意見=安永健太さん死亡事件国賠訴訟の2015年12月21日福岡高裁判決について、権利委員会に報告し、全ての警察職員に対し、自閉症者に対する理解促進、研修をさらに実施するべきことを明記すべきである。
理由=
 1. 2007年9 月25 日、佐賀市において、自閉症と知的障害のある青年が、5人の警察官に取り押さえられて、命を落とすという事件があった。何かに誤解して混乱している場合に、障害のない人であれば言葉によって説明することで落ち着くことができるが、自閉症があると障害ゆえに言葉で説得することが困難なこともある。青年を押さえつけた5人の警察官のうちの一人でも自閉症に気づいてくれていたら青年は命を落とさずにすんでいたのではないかと思われる。
 2. 青年の遺族は、佐賀県に対し損害賠償を求めて裁判を提起したが、2014 年2月28日に佐賀地裁において請求棄却の判決を受けた。遺族は、控訴し、2015年12月21日、福岡高裁において判決があった。結果は控訴棄却であったが、そのなかで、「少なくとも、本件取押えに対し健太が上記のような意味不明の声しか発しないことが判明した時点においては、知的障害の存在を疑い、健太の知的障害等の存否を確認するために、所持品検査等を実施し、その結果、健太の知的障害の存在が客観的に明らかとなった場合には、(中略)、知的障害者の特性を踏まえた適切な対応をする義務があるというべきである。」として、警察官に障害の特性を踏まえた一般的注意義務があることを認めている。なお、同裁判は現在上告中である。
 3. 日本自閉症協会では、「警察庁における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を定める訓令(案)」に対する意見対応指針案への意見(パブリックコメント)を提出し、警察庁における職員への研修・啓発に関する事項に関して、安永健太さん死亡事件の教訓を活かし、同様の悲劇を二度と生まないよう、全ての職員に対して、障害の理解に効果的な研修を義務付け、障害理解のための専門的なプログラムを組み、福祉施設等における実習を行うべきことなどを明記すべきとの意見を出している。日本政府においては、全ての警察職員に対して自閉症の障害を十分に理解し、障害特性を踏まえた研修・啓発を行うよう切望する次第である。なお、日本政府の同取組に対して、当協会は協力を惜しまない所存である。
(日本自閉症協会)



成年後見制度について(12、13、29条)
現在の成年後見制度は、権利を制限する内容が多く経済的負担も大きい。本来の権利擁護の視点に立ち、その内容や実施体制も含めて抜本的な改善が必要と考える。
(兄弟姉妹の会) 
第14条
身体の自由及び安全
 100.障害者基本法において、国又は地方公共団体に対して、障害者が、刑事事件若しくは少年の保護事件に関する手続その他これに準ずる手続の対象となった場合において、障害者がその権利を円滑に行使できるようにするため、個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するとともに、関係職員に対する研修その他必要な施策を講じることを義務付けている(障害者基本法第29条)。(内閣府)

 101.刑法上、殺人罪(刑法第199条)、傷害罪(同法第204条)、暴行罪(同法第208条)、逮捕監禁罪(同法第220条)等を処罰する規定があり、これらの罪に該当する行為は、障害者に対するものも含め、処罰することが可能である。刑事訴訟法上、捜査についての身体に対する刑事手続上の強制の処分は、法律に特別の定めがある場合でなければすることができないと規定している(同法第197条第1項但書)。(法務省)

 102.刑事手続上の強制処分に関しては、被疑者が障害者であると否とを問わず、逮捕状や捜索差押令状等の呈示(刑法第201条第1項、第110条)、逮捕の際の弁護人選任権の告知(同法第203条第1項、第204条第1項)、被疑者取調べの際の黙秘権の告知(同法第198条第2項)といった手続が保障されており、障害者に対してこれらの手続を行うに当たっては、障害の特性に応じて、例えば、知的障害者に対する分かりやすい言葉での説明や聴覚障害者に対する手話通訳等の利用など、障害の内容・程度に応じた適切な配慮を行っている。(法務省)

 103.刑事収容施設法、少年院法及び少年鑑別所法においては、被収容者の人権を尊重しつつ、状況に応じた適切な処遇を行うことが定められており、矯正施設における障害者の処遇については、各人の障害の内容・程度等に応じ、(1)養護を必要とする被収容者については、傷病者のための措置に準じた措置をとれる体制を整え、(2)被収容者については眼鏡その他の補正器具を貸与又は支給し(自弁のものを使用することができない場合)、(3)受刑者については刑務作業の内容等を配慮する等の措置を行っている。(法務省)

 104.留置施設における被留置者の処遇に当たっては、その人権を尊重しつつ、その者の状況に応じて適切な処遇を行うこととしている。被留置者が障害者の場合も、留置業務管理者は、障害の状況をよく把握した上で、体調や疾病の状況に応じて医師による診療等の医療的措置をとっており、障害者の具体的状況に応じ、留置施設内で眼鏡等の補正器具や車いす等の移動補助具の使用を認めている。留置業務管理者は、全ての被留置者に、おおむね月に2回の健康診断を受けさせているほか、必要に応じおかゆ等の食事を支給する等の配慮を行っている(刑事収容施設法、被留置者の留置に関する規則)。(警察庁)

 105.精神保健福祉法には、入院措置(精神保健福祉法第29条)や医療保護入院(同法第33条第1項及び第2項)等、精神障害者について本人の意思によらない入院制度を定めている。この法律に定める入院制度は、精神障害者であることのみを理由として適用されるわけではなく、精神障害のために自傷他害のおそれがある場合又は自傷他害のおそれはないが医療及び保護が必要な場合であって、入院の必要性について本人が適切な判断をすることができない状態にある場合に適用されるものである。実施に当たっては、国が指定する精神保健指定医による診察(同法第29条第2項及び第33条第1項)や入院措置についての本人への書面告知(同法第29条第3項及び第33条の3)が義務付けられている。(厚労省)

 106.「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(以下「心神喪失者等医療観察法」という。)において規定されている精神障害者に対する入院等の処遇は、殺人や放火などの重大な犯罪に当たる行為を行い、かつ、当該行為の当時、心神喪失又は心神耗弱の状態にあったと認定され、不起訴処分又は無罪等の確定裁判を受けた者について、当該行為を行った際の精神障害を改善し、社会に復帰することを促進するため、同法による医療を受けさせる必要があると認められる場合に行われるものである。処遇の決定に当たっては、対象者の鑑定を実施するとともに、弁護士や保健・福祉に関する専門家等の関与の下で審判期日を開催し、対象者に意見を述べる機会を与えた上で、裁判官と医師である精神保健審判員の合議体において、処遇の要否及び内容を適切に判断することとされている(心神喪失者等医療観察法第2条、第33条ないし第42条)。(法務省・厚労省)

 107.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照とのこと)
 精神保健福祉法等の制度と運用については、医療保護入院についての規定である精神保健福祉法第33条の妥当性について再検証する必要がある。精神科における患者の権利擁護のため家族や医療従事者から独立した権利擁護者の関与が不可欠である。
認知症も含め、本人の意思が反映されない入院の減少につなげていくことが大切であり、そのためにも、継続的に調査を実施した上で、最新の正確な統計に基づいて議論を行う必要がある。
 
102.意見=刑事手続上の強制処分に関して、障害の特性に応じた配慮に「手話通訳等」とあるが、「手話通訳・要約筆記等」との記述に改めるべきである。
(全日本難聴者・中途失聴者団体連合会)




























第15条
拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰からの自由
 108.刑事収容施設法、少年院法及び少年鑑別所法においては、被収容者の人権を尊重しつつ、状況に応じた適切な処遇を行うことが定められており、矯正施設における障害者の処遇については、各人の障害の内容・程度等に応じた適切な処遇を行っている。(法務省)

 109.刑法上、暴行罪(刑法第208条)、傷害罪(同法第204条)、特別公務員暴行陵虐罪(同法第195条)等を処罰する規定があり、これらの罪に該当する行為は、障害者に対するものも含め、処罰することが可能である。検察においては、刑罰法令に触れる事実が認められる場合には、法と証拠に基づき、適切に対処している。(法務省)
 
第16条
搾取、暴力及び虐待からの自由
 110.「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「障害者虐待防止法」という。)第4条において、国及び地方公共団体は、その責務として、障害者虐待の防止、障害者虐待を受けた障害者の迅速かつ適切な保護及び自立の支援並びに適切な養護者に対する支援を行うため、関係機関及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援等に努めなければならないとされている。また、同法第29条では、就学する障害者に対する虐待の防止として、学校の長は、就学する障害者に対する虐待の相談に係る体制の整備、就学する障害者に対する虐待に対処するための措置など、虐待を防止するために必要な措置を講ずることとされている。さらに、同法第32条及び第36条に基づき、全ての市町村又は都道府県において、市町村障害者虐待防止センター又は都道府県障害者権利擁護センターの機能を果たす部局又は施設を有している。(厚労省)

 111.刑法上、暴行罪(刑法第208条)、傷害罪(同法第204条)、保護責任者遺棄罪(同法第218条)、逮捕監禁罪(同法第220条)、脅迫罪(同法第222条)、強要罪(同法第223条)等を処罰する規定があり、これらの罪に該当する行為は、障害者に対するものも含め、処罰することが可能である。刑事訴訟法は、前記の犯罪に関し、司法警察職員、検察官、検察事務官などに捜査権限を与え、検察官に訴追権限を与えている(刑事訴訟法第247条)。検察においては、刑罰法令に触れる事実が認められる場合には、法と証拠に基づき、適切に対処している。(法務省)

 112.検察官が事件の捜査の結果を踏まえ、当該事件を起訴しないこととした場合に、その処分に不服がある者(障害者を含む。)は、検察審査会法に基づき、検察審査会に不服を申し立てることができる。一定の場合には、検察審査会は起訴すべき旨の議決を行うことができ、その場合、裁判所が指定する弁護士によって当該事件が起訴される。(法務省)

 113.法務省の人権擁護機関では、全国の法務局・地方法務局において、障害者の人権問題を含むあらゆる人権問題について相談に応じており、人権侵害の疑いのある事案を認知した場合は、人権侵犯事件として調査を行い、関係機関とも連携・協力し、事案に応じた適切な措置を講じている。(法務省)

 114.2004年12月に成立した「犯罪被害者等基本法」は、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進することによって、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的としており、その基本理念として、同法第3条第1項において、障害者を含め、すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有することなどが定められている。また、同条第2項において、犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に講ぜられるものとすることとされている。同法に基づき、2011年3月に閣議決定された「第2次犯罪被害者等基本計画」では、四つの基本方針(四つの基本方針:尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること、個々の事情に応じて適切に行われること、途切れることなく行われること、国民の総意を形成しながら展開されること)の下、241の具体的施策が掲げられており、現在、関係府省庁において同計画に基づく施策が進められている。(内閣府)

 115.配偶者からの暴力事案等、人身の安全を早急に確保する必要の認められる事案については、被害者等の安全の確保を最優先に、加害者の検挙、被害者等の保護措置等、組織による迅速・的確な対応を推進している(「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」)。(警察庁)

 116.「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」に基づき、地方公共団体に置かれている配偶者暴力相談支援センターにおいて、障害者を含め、配偶者等からの暴力被害者からの相談に応じる等の適切な支援を行っている。(内閣府)

 117.児童虐待の防止等に関する法律(以下「児童虐待防止法」という。)において、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の予防及び早期発見その他の児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援のための措置等が定められており、児童の保護が図られている。(厚労省)

 118.警察では、児童虐待防止法第6条に基づき、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、速やかに児童相談所に通告することとしている。また、同法第10条に基づき、児童相談所長が児童の安全確認、一時保護等を行う場合に、児童相談所長から警察署長に援助の求めがあったときであって、児童の安全又は身体の安全を確認し、又は確保するため必要と認めるときは、警察官職務執行法その他の法令の定めるところによる措置を講じることとしている。(警察庁)
 110: 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「障害者虐待防止法」という。)第4条において、国及び地方公共団体は、その責務として、障害者虐待の防止、障害者虐待を受けた障害者の迅速かつ適切な保護及び自立の支援並びに適切な養護者に対する支援を行うため、関係機関及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援等に努めなければならないとされている。また、同法第29条では、就学する障害者に対する虐待の防止として、学校の長は、就学する障害者に対する虐待の相談に係る体制の整備、就学する障害者に対する虐待に対処するための措置など、虐待を防止するために必要な措置を講ずることとされている。さらに、同法第32条及び第36条に基づき、全ての市町村又は都道府県において、市町村障害者虐待防止センター又は都道府県障害者権利擁護センターの機能を果たす部局又は施設を有している。
意見=2015年5月に発覚した山口県下関市の施設における自閉症者への虐待事件について、権利委員会に報告し、虐待撲滅に対する取組や施策を行うこと、とりわけ施設従事者等への障害特性に対する理解促進と適切な支援に関する研修をさらに実施するべきことを明記すべきである。
理由=
 1.2015年5 月28 日、山口県下関市における通所施設において、同施設職員が自閉症と知的障害のある男性に対して暴言を吐きながら、頭を叩く映像が報道された。
 2.これまでも、障害者に対する暴力、虐待の事件があり、これを撲滅しようと全国的にも大きな取り組みが行われ、国としても力を入れていたはずであったのに、このような事件が後を絶たないことは誠に残念である。改めて、関係者が力を合せ、このような事件を絶対に起こさせないという強い決意と具体的な行動が求められている。
 3.障害者虐待防止法が施行され、施設従事者等による虐待が禁止されているにもかかわらず、このような問題が起きた背景には、施設従事者等が障害を正しく理解できていない、正しい支援の仕方を知らないということがあると考えられる。
 4.日本自閉症協会では、世界自閉症啓発デーの取り組みをはじめ、障害を理解する「啓発活動」に力を入れてきた。また、支援の方法についても全国各地で研修会を開催してきた。日本政府においては、更なる虐待撲滅に対する取組や施策を推し進めるとともに、特に施設従事者等に対し、自閉症の障害を十分に理解し、障害特性を踏まえた適切な支援に関する研修・啓発を行うよう切望する次第である。なお、日本政府の同取組に対して、当協会は協力を惜しまない所存である。
(日本自閉症協会)

110で障害者虐待防止法、116でDV防止法、117で児童虐待防止法について記述されている。65歳以上の在宅の障害者の場合、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)による対応となる場合もあるので、高齢者虐待防止法についても記載するべきである。
(日本社会福祉士会)
第17条
個人をそのままの状態で保護すること
 119.障害者基本法において、全ての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されること、全ての障害者が基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提として、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることが規定されている(障害者基本法第1条、第3条)。(内閣府)  
第18条
移動の自由及び国籍についての権利 
 120.出生による国籍取得については国籍法第2条、国籍喪失については同法第11条、国籍離脱については同法第13条において定められており、障害の有無で差異を設けていない。また、我が国の国籍法上、障害者であることを理由に、国籍を剥奪するとの法制はとっていない。(法務省)

 121.基本的に我が国における国籍証明書は戸籍謄本又は旅券であるが、戸籍謄本については、戸籍法第10条によって取得可能であり、戸籍謄本の取得の可否について障害の有無で差異を設けていない。さらに、戸籍法及び国籍法上、出生登録、氏名を有すること、出生時の国籍取得及び戸籍上の父母を知ることに関する権利について、障害の有無で差異を設けていない。(法務省)

 122.憲法第22条において、移転の自由、外国に移住する自由が保障されている。出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)においては、障害を理由として出入国手続を利用すること自体を阻害する規定はない。また、入管法第25条は外国人の出国の事実を確認する手続を、同法第61条は日本人の帰国の事実を確認する手続をそれぞれ規定しているが、これらの手続は、障害者を含め、外国人又は日本人が自国に戻ること自体を法律上禁止又は制限するものではない。(法務省)
 
第19条
自立した生活及び地域社会への包容  
  123.障害者基本法において、全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることとともに、障害者が、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないことが基本原則とされている(障害者基本法第3条)。また、国及び地方公共団体が、障害者が生活支援その他自立のための適切な支援を受けられるよう必要な施策を講じることを義務付けている(同法第14条第3項)。(内閣府)

 124.障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスとして、障害者が地域で安心して暮らすことができるよう、単身等での生活が困難な障害者が共同して自立した生活を営む住居(グループホーム)において、相談や家事等の支援、必要に応じて食事や入浴等の介護といった日常生活上の援助を行う「共同生活援助」を実施している。
 また、障害者が地域で暮らしていくためには、在宅で必要な支援を受けられることが前提となるため、利用者の実態やサービスの提供形態に応じ、居宅において入浴、排せつ又は食事の介護などを提供する「居宅介護」のほか、「重度訪問介護」、「同行援護」、「行動援護」及び「重度障害者等包括支援」を実施している。(厚労省)

 125.これらに加え、自宅で障害者の介護を行う者が病気等の理由により施設への入所が必要な場合に、短期間、夜間も含めて施設において入浴等の介護を提供する「短期入所」も行っている。(厚労省)

 126.また、身体障害者や難病患者等の日常生活や社会生活の向上を図るために、身体機能を補完又は代替するものとして、補装具(義肢、装具、車椅子、盲人安全つえ、補聴器等)の購入又は修理に要した費用の一部について公費を支給する「補装具費支給制度」を実施しているほか、障害者総合支援法第77条に基づく市町村の地域生活支援事業として、日常生活を営むのに支障のある障害者等に対して、日常生活の便宜を図るため、特殊寝台、特殊マット、入浴補助用具等を給付又は貸与する「日常生活用具給付等事業」を、地域の実情や障害者等のニーズに応じた柔軟な形式で実施している。(厚労省)

 127.身体障害者、知的障害者及び精神障害者について、それぞれ身体障害者手帳制度、療育手帳制度、精神障害者保健福祉手帳制度が設けられており、手帳所持者に対して各種の支援策が講じられている。(厚労省)

 128.長期にわたって入院している精神障害者の地域移行に関して、検討会において、地域の受け皿づくりの在り方等についての具体的な方策等が議論され、地域移行の一層の推進に向けた方向性として、退院に向けた支援、居住の場の確保等の 地域移行の一層の推進に向けた方向性として、退院に向けた意欲の喚起(退院支援意欲の喚起を含む。)等の支援、居住の場の確保等の地域生活の支援などを徹底して実施するとともに、地域へ移行した精神障害者が退院後の地域生活を維持・継続するための医療の充実が図られるよう、病院の構造改革が必要とされた。今後、この方向性を踏まえ、必要な施策の具体化に向けて取り組むこととしている。(厚労省)

 129.難病の患者がその社会参加の機会が確保され、地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生することを妨げられないよう、難病に関する施策を総合的に行うことを基本理念とする「難病の患者に対する医療等に関する法律」(以下「難病法」という。)が2015年1月から施行されている(第25条「健康」参照。)。(厚労省)

 130.また、障害者総合支援法においては、2013年4月以降、「共同生活援助」や「居宅介護」といった障害福祉サービス等を利用することのできる障害者の範囲に難病患者等を加えており、難病等の対象疾病について、2013年4月の時点で対象とされていた130疾病から、2015年7月以降は332疾病に拡大している。(厚労省)
(意思疎通支援については、第21条「表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会」参照) 

 131.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)
 医療的ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援については、地域によってサービスの水準や運用に差異があるなどして利用しづらかったり、保護者に過重な負担となったりしている。人間らしく生きるための24時間の医療的ケア保障、介護保障が必要である。
 また、精神障害者の地域移行の支援については、精神科医療そのものの地域移行が必要である。精神科に入院している人の地域移行を考えるのと同時に、地域にいる精神障害者を訪問してサービスを提供すること等、精神障害者が地域で生活できるような資源を開発することが重要である。
 
123~125:意見=第19 条に関連して、「どこで誰と生活するかを選択する機会を有する」という観点を踏まえた生活の場の量的整備が不十分である旨、明記すべきである。
理由=精神科病院からの退院が進まないこと、障害の重い人の地域生活の場の不足、親亡き後の障害のある人の地域生活への不安等が多数、指摘されているため。
(きょうされん)


124~130:意見=福祉サービスにおける利用者負担については、骨格提言が示した「障害に伴う必要な支援は原則無償とすべき」を実施しておらず、国として実現する必要がある。とりわけ、コミュニケーション支援は相手と意思疎通をとるための支援であり、基本的人権を保障する基礎的な部分であるとともに、障害のある者だけに利用料負担させることは差別的取り扱いにあたるため、国として無償化しなければならない。また、この他にも骨格提言において障害に伴う必要な支援として整理された相談支援や日常生活・社会生活に関わる支援などについて無償化が求められている。あわせて、家族に対する利用者負担については、基本合意では「収入認定は障害児者本人だけで認定すること」、骨格提言では「成人の場合は障害者本人の収入」となっており、これらの実現が課題である。
(自立支援法違憲訴訟団 元原告・家平悟) 全文word

124~130:意見=
 (1)障害者総合支援法のもとでは、重度訪問介護、行動援護及び重度障害者等包括支援などによっても、1日24時間の公的介護体制等、重度障害者が地域で暮らすために必要な介護保障がなされているとはいえないこと、
 (2)障害支援区分や国庫負担基準を過度に重視した支給決定がなされている結果として、個別ニーズを積み上げて支給量を決める仕組みが実現していないこと、
 (3)基本合意及び骨格提言を踏まえ、上記介護保障の実現に全力を尽くすことが政府の最重要課題であることを明記すべきである。
(自立支援法違憲訴訟団 元原告・大谷真之) 全文word

124~125:意見=124に追記を求める
 在宅の知的障害者等は、高齢の親が主たる介護者になっているため、グループホームへの待機者も多く、絶対的に不足している。又、親の病気や夜間等の緊急時への対応策等が課題となっている。

 125に追記を求める:比較的障害の軽い入所者の入所施設からの地域移行を推進しているが、結果として入所者の重度化の進行。また、常時介護を必要としている知的障害者等が、親の死亡や高齢化等により在宅介護が困難になり、入所施設を希望する者が急増している都市部において、暮らしの場の選択肢の一つとして、緊急時等の地域生活を支える拠点施設としての役割を精査するなどその拡充が課題になっている。
理由=近年の入所施設の建設抑制、入所者の地域移行推進施策の結果として、「老障介護」と言われている高齢の親による在宅介護を余儀なくされている家庭が急増しており、親の死亡や急病などで、突然住家がなくなる重度の障害者が入所施設を求めて、短期入所を転々としている(いわゆるロングショート)が急増しています。
 この人たちは、少なくても数か月間、居住地不定のまま短期入所を転々とし、結果として、現在の居住地とは何の関係もない他府県の入所施設に移されている。この実態は、まさに「人権侵害」であり、制度的虐待ともいえるものです。地域生活を保障した障害者基本法にも違反するものと言わざるを得ません。
 重い障害があっても住み慣れた地域で暮らし続けられるためのグループホームの整備はもちろん、必要な入所施設を地域の中に建設し、地域生活を支える貴重な社会資源として、その拡充を図るべきです。
 昨年実施した私たち障全協の調査(回答数2640件)では、在宅障害者の主たる介護者は、91%が母親であり、その内15%の親が70歳を超えているという実態があります。この家庭で暮らしている障害者は、母子等の二人暮らしが多く、親に何かあり、介護できない状態になっても通報する力もなく、外部訪問者による数日以内の発見がなければ生死に係る問題であり、喫緊の対応策が求められるものです。
(障全協)

126:意見=追記すべき。日常生活用具、補装具制度の利用状況や利用者の意見を地域差、経済格差含め調査し、入手後の利活用状況を把握し、利活用できるしくみを検討する。
(日本障害者協議会 情報通信委員会)

126:意見=「補装具(義肢、装具、車椅子、盲人安全つえ、補聴器等)の購入又は修理に要した費用の一部について公費を支給する「補装具費支給制度」を実施している」、「日常生活の便宜を図るため、特殊寝台、特殊マット、入浴補助用具等を給付又は貸与する「日常生活用具給付等事業」を、地域の実情や障害者等のニーズに応じた柔軟な形式で実施している」とありますが、今後は、そうした「給付制度の利用状況やそれについての利用者の意見を調査・把握する必要がある」旨を追加希望いたします。あわせて、購入のみでなく、機器の利活用のための「購入前後の課題も把握しながら、更に必要なしくみを検討」していく旨も追加希望いたします。
理由=情報通信の支援機器や意思伝達装置は、日常生活用具、補装具の支給対象となっていますが、その決定には地域差があり、また、制度の谷間でそれらが使えない人が少なくありません(難病者、軽度の障害者)。
 また、タブレットなどの一般流通品が障害のある人の支援機器となってきていることは意義深いですが、反面、汎用品であることから給付対象の日具等になりにくく、購入利用できる人とできない人の格差がでています。
 支援機器は購入自体も大事ではありますが、障害が多様であることから、むしろ購入前の試用や、専門家によるカスタマイズ・アドバイスも不可欠です。
 更に、利用できるようになるまでは購入後の講習や人的なバックアップが必須ですが、いずれも現在そのしくみや財政措置がないため、購入したものの活用できていないケースが多く見られます。
 機器の購入(入手)やその前後の課題は、現段階でかなり大きいことを記述すべきと思います。
(東京コロニー)

126:意見=補装具・日常生活用具の支給には地域間格差があり、権利条約が求める「新たな技術も含め、質の高い補助具、装置、支援技術などを妥当な費用で利用可能にする」ことになっていない実態を記載すべきです。
理由=補装具・日常生活用具の両方とも、支給限度額が決まっているため、その限度額を超えた分は、全額自己負担となり、結果的に最新技術等はお金のない障害者は使えない。また、設置や修理の費用は人件費分が含まれていない装具なども多いため容易に使うことができない。さらに、支給決定や実施主体が都道府県・区市町村自治体となっているため、住んでいる地域によって支給格差が生まれている。加えて、とくに補装具は、障害の軽減のみを支給の審査基準としており、障害者の利便性や生活向上などを考慮する仕組みがない。そのため、例えば、電動車いすの座位を昇降するような多機能型車いすは贅沢品としてみなされ、支給されないケースなどが多々ある。こうした事実を記載し、権利条約の締約国としては、恥ずかしい水準にとどまっていることを包み隠さず報告し、改善する課題があることを表明すべきです。
(障全協)


選べるだけのグループホーム等の住まいの整備がすすんでいない。
「65 歳問題」についての実態調査を実施。介護保険制度に移行させられたために、利用料の負担が大きくなった人、支援を受ける時間を減らざるをえなかった人など、大きな矛盾や課題が明らかになった。
(きょうされん)

65歳(介護保険優先原則)問題とは、異なった制度への強制的移行で生じる、①経済的負担の増加、②サービスの質・量低下、③環境の変化等に起因する諸問題であり、政府主導で進められる「年齢と障害の原因疾患による権利侵害」である。 (障全協)  19_1 政策会議報告 

「長期入院精神障害者の地域移行に関わる検討会」の結論のひとつとして精神科病棟転換型居住施設の導入があり、その条件整備に腐心する姿勢は、条約の理念を無視し、地域生活支援の実質的な放棄にあたる。
(全国精神障害者地域生活支援協議会(あみ))

施設入所者が他の者と平等に社会参加する機会が保障されていない。また、地域移行にあたっても介護保険優先原則や地域資源の不十分さから施設を出ることが困難な実態がある。
(障害連)19_2要望書 

障害者の労働を含めた生活実態を把握した上で、労働で得た報酬に加えて、年金や賃金補填等で所得保障を伴った生活保障が必要である。
(ゼンコロ) 

会員企業実態調査の中で問題となって判明している項目のうち、補装具として支給されている車いすや電動車いすのユーザーの用具の使用環境が、施設より在宅にシフトしており、制度面においても在宅への対応を可能にする制度的な裏付けが求められている。
(日本車椅子シーティング協会)
第20条
個人の移動を容易にすること   
 132.障害者基本法において、国及び地方公共団体に対して、障害者が生活支援その他自立のための適切な支援を受けられるよう必要な施策を講じることを義務付け(障害者基本法第14条第3項)、専門的知識又は技能を有する職員を育成することについて努力義務を課し(同条第4項)、障害者が可能な限り身近な場所で適切な支援を受けられるよう施策を講ずること、人権を十分に尊重することを義務付け(同条第5項)、福祉用具及び身体障害者補助犬の給付又は貸与その他障害者が日常生活を営むのに必要な施策を講じることを義務付け(同条第6項)、福祉用具の研究開発、身体障害者補助犬の育成等を促進することを義務付けている(同条第7項)。(内閣府)

 133.障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスとして、視覚障害により移動に著しい困難を有する障害者等に対し、外出時に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護等を提供する「同行援護」を実施している。2015年2月には21、910人が当該サービスを利用しており、制度創設時(2011年10月)の利用者数(8、299人)と比較して約2.6倍に伸びている。また、障害者総合支援法第77条に基づく市町村の地域生活支援事業として、屋外での移動が困難な障害者等に対し、外出のための支援を行うことにより、地域における自立した生活及び社会参加を促すため、各市町村が、地域の特性や利用者のニーズに応じて、ガイドヘルパーの派遣等のサービスを提供する「移動支援事業」が実施されている。2014年3月の利用者数(個別支援型)は100、488人である。(厚労省)

 134.「身体障害者補助犬法」第3条第1項において、補助犬訓練事業者は、身体障害者補助犬(盲導犬、補助犬及び聴導犬)を使用しようとする各身体障害者に必要とされる補助を的確に把握し、その身体障害者の状況に応じた訓練を行うことにより、良質な身体障害者補助犬を育成しなければならないとされている。 また、障害者総合支援法第78条に基づく都道府県の地域生活支援事業として、身体障害者補助犬を使用することにより社会参加が見込まれる身体障害者のために、その育成に要する費用を助成する「身体障害者補助犬育成事業」が実施されている。(厚労省)    
入院患者は重度化して70%以上が人工呼吸器を使って寝たきりの状態である。車いすへの移乗や外出などを制限され、十分な日中活動ができない。日本筋ジストロフィー協会
(筋ジス協会) 

パーキングパーミットを全国的に実施してほしい。東京都身障運転者協会 有料道路の施設調査 
社会的制約によって資格のの喪失もしくは制限が生じた場合の法制度上で保障すること(例:自動車運転免許の取得と移動手段の保障制度)
日本てんかん協会
  ○移動に関する調査、○市民意識調査、○国会請願書
第21条
表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会
  135.障害者基本法において、国及び地方公共団体に対して、障害者が利用しやすい電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の普及、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進、障害者に対して情報を提供する施設の整備等が図られるよう必要な施策を義務付けている(障害者基本法第22条第1項)。また、行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進に当たって、障害者の利用の便宜が図られるよう特に配慮することを義務付けている(同条第2項)。(内閣府)

 136.公的な活動における手話・点字等の意思疎通の手段、形態及び様式の使用の受入れと容易化に関しては、障害者基本法において、全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られることとされている(障害者基本法第3条)。なお、地方公共団体の中には、手話言語条例を制定し 、積極的に手話の普及を図って いるところもある。(内閣府)

 137.一般公衆に対してサービスを提供する民間の団体に対する情報及びサービスを障害者にとって利用可能な様式で提供するよう要請すること、及びマスメディアがサービスを障害者にとって利用しやすいものとするように奨励することに関しては、障害者基本法において、電気通信及び放送その他の情報の提供に係る役務を行う事業者に対し、障害者の利用の便宜を図る努力義務を課している(障害者基本法第22条第3項)。(内閣府)

 138.第2次障害者基本計画(Ⅲ7.(2)a.)において、障害者にとって使いやすいように配慮した情報通信機器設計の指針等をJIS(日本工業規格)化することとしており、「日本工業規格(JIS X8341-3) 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウエア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」を2004年に制定した。また、2013年6月に高齢者や障害者等に配慮した情報通信機器のソフトウェアを設計するための手引きをJIS規格化した。(経産省)

 139.障害者総合支援法第77条及び第78条に基づく地域生活支援事業として、市町村及び都道府県において、聴覚、言語機能、音声機能、視覚その他の障害により、意思疎通を図ることに支障がある障害者等のために、意思疎通支援を行う者(手話通訳者、要約筆記者等)の派遣や設置、点訳、音声訳等による支援などを行う意思疎通支援事業や、点訳奉仕員、朗読奉仕員、要約筆記者、手話奉仕員、手話通訳者等を養成する事業が実施されている。2013年4月からは、手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう者向け通訳・介助員を養成する事業を都道府県の必須事業とするとともに、意思疎通支援を行う者の派遣を行う事業について市町村が実施できない場合等には都道府県が実施する仕組みとするなど、意思疎通支援の強化を図っている。(厚労省)

 140.視聴覚障害者の社会参加支援を目的として、点字・録音図書、字幕(手話)付き映像ライブラリー等の製作及び貸出を行い、手話通訳者や要約筆記者の派遣、相談等を行う視聴覚障害者情報提供施設を整備している。(厚労省)

 141.ネットワークを利用し、新聞情報等を即時に全国の点字図書館等で点字データにより受信でき、かつ、視覚障害者が自宅にいながらにしてウェブ上で情報を得られる「点字ニュース即時提供事業」や視覚障害情報総合ネットワーク「サピエ」による点字・録音図書情報等の提供を行っている。(厚労省)
(字幕放送等の普及、通信・放送役務の提供又は研究開発については、第9条「施設及びサービス等の利用の容易さ」参照)

 142.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)
 情報提供や意思疎通支援をさらに充実することが求められる。様々なメディアや場面において、特に、緊急時の対応、個別性の高いコミュニケーション方法を用いる人たちへの対応、省庁横断的な対応に課題がある。
 また、障害の多様性に対応したアクセシブルな教材の提供や行政情報のバリアフリー化になお課題があることが指摘された。
 
意見=第21条「表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会」は、「表現及び意見の自由と情報アクセス」とし、つぎを加筆、追記。

 137.(前中略)障害者基本法において、電気通信及び放送その他の情報の提供に係る役務を行う事業者に対し、障害者の利用の便宜を図る努力義務を課している(障害者基本法第22条第3項)。差別解消法や障害者の利活用実態をふまえ対応に務めたい(内閣府)

 139. 引き続き、支援者の不足を解消すべく、財政措置等を検討する
(日本障害者協議会 情報通信委員会)

135~142:意見=発達障害の特性に合わせた情報 の提供に言及 してほしい 。
理由=認知特性・コミュニケーションの力の齟齬に合わせた理解しやすい情報利用の提供が必要である。
(全国LD親の会)

136:意見=下線部を追記する。
136.公的な活動における手話・点字等の意思疎通の手段、形態及び様式の使用の受入れと容易化に関しては、障害者基本法において、全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られることとされている(障害者基本法第3条)。そのための手話通訳者の派遣や設置事業は必須とされているが、実施状況が不十分であり、改善につとめたい。なお、地方公共団体の中には、手話言語条例を制定して積極的に手話の普及等につとめているところもある。
(全通研)

138:意見=「日本工業規格高齢者・障害者配慮設計指針情報通信における機器、ソフトウェア及びサービスー第部:ウェブコンテンツ」を2004年に制定した」との記述があるが、政府官庁のインターネット動画の現状(字幕付与の状況)に言及すべきである。
(全難聴)

139:意見=地域格差や都道府県派遣事業の立ち遅れについての記述を加えるべきである。
(全難聴)

142:意見=障害者政策委員会の指摘「情報提供や意思疎通支援をさらに充実することが求められる」「個別性の高いコミュニケーション方法を用いる人たちへの対応、省庁横断的な対応に問題がある」という箇所はもっともである。
理由=コミュニケーション支援ツールの開発や障害者の利用を図る支援には省庁横断的な対応が必須である。
(全国LD親の会)

意見=「2013年4月からは、手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう者向け通訳・介助員を養成する事業を都道府県の必須事業とするとともに、意思疎通支援を行う者の派遣を行う事業について市町村が実施できない場合等には都道府県が実施する仕組みとするなど、意思疎通支援の強化を図っている」とありますが、さらに「引き続き、支援者不足を解消すべく、財政措置等も検討していく」旨を追加希望いたします。
理由=意思疎通(失語症等を含む)の支援者や、メディア変換等の担い手は、いまだ多くがボランティアにゆだねられており、現段階で不足しているケースについては、継続の保障がありません。
(東京コロニー)


現行の身体障害者福祉法では、身体障がい者とは認定されない軽度・中等度難聴、視覚障がい者などが、そのハンディキャップを補完するために購入する舗装具を購入する費用を補助してほしい。
 (全国ことばを育む会)

自治体の福祉行政、相談支援と差別(合理的配慮)との関係で行政機関の各窓口対応と福祉事務所の相談機能の活用についてこれまでの手話通訳配置や派遣の考え方から転換し、きちんと職員で対応できる方向にどう整理するか。
聴覚障害者の社会参加の広がりとともに手話通訳ニーズが高まることが想定される。現行の技能認定試験は一定の力量を持ったものの技能を認定するものなので、今後福祉分野を基盤とし、聴覚障害者の社会参加の担い手として学校で養成し巣立っていくシステムをどう具体化するか。
(日本手話通訳士協会) 

全身性の身体障害の中には、言語障害があり、自分の言いたいことが相手に伝わらないことがある。この課題には、相手や社会に’ゆっくり聴く姿勢’を持ってもらうことや、安価で利用しやすい情報機器の開発が必要だと考える。
(障害連) 

手話通訳制度が脆弱。身分保障が不十分。事業内容が不十分。
手話通訳事業の周知不足で利用件数が少ない。
利用者負担排除の保障がない。
公的な養成機関が不十分。
(全通研) 
第22条
プライバシーの尊重
 143.刑法上、住居侵入罪(刑法第130条)、秘密漏示罪(同法第134条第1項)、名誉毀損罪(同法第230条)、侮辱罪(同法第231条)、信用毀損罪(同法第233条)等を処罰する規定があり、これらの罪に該当する行為は、障害者に対するものも含め、処罰することが可能である。検察においては、刑罰法令に触れる事実が認められる場合には、法と証拠に基づき、適切に対処している。(法務省)

 144.障害の有無に関わらず、ある者の違法な行為によりプライバシー権を侵害された者は、当該行為をした者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求をすることができ(民法第709条、第710条)、当該行為が名誉毀損に当たる場合には、謝罪広告等名誉を回復するのに適当な処分を命ずるよう裁判所に請求することができる(同法第723条)。また、その場合には、民法に明文の規定はないが、プライバシー権を侵害された者は、人格権に基づき、加害者に対して、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができると解されている。(法務省)

 145.個人情報保護法は、障害者も含め、特定の個人を識別できる情報(個人情報)について、目的外利用の制限(個人情報保護法第16条)、第三者提供の制限(同法第23条)、安全管理措置(同法第20条)、本人からの開示等の求めへの対応(同法第25条から第27条)などの義務を課し、個人情報の適正な取扱いを図っている。また、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するもの(要配慮個人情報)について特別の規律を設ける等を内容とする改正法が2015年9月に成立した。(消費者庁)

 146.施設基準省令第49条において、指定障害者支援施設等の従業者及び管理者は、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない旨定めるとともに、過去に従業者等であった者が秘密を漏らさないよう必要な措置を講じなければならないこととしている。なお、指定障害者支援施設等のほか、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所や児童福祉法に基づく指定障害児入所施設などにおいても同様の規定を設けている。(厚労省)

 147.精神保健福祉法第53条及び第53条の2においては、精神科病院の管理者、精神保健指定医など、その職務の執行において精神障害者に関する秘密を知り得る職にある者がその秘密を正当な理由なく漏らしたときの罰則規定を設けている。(厚労省)
 
第23条
家庭及び家族の尊重
 148.我が国は、憲法第24条において婚姻の自由を規定している(なお、成年被後見人が婚姻及び協議離婚をするのに、その成年後見人の同意を要しない(民法第738条、第764条)。)。また、我が国の民法は、児童の後見、監督、財産管理及び養子縁組についての権利及び責任につき、障害の有無による差異を設けていない。(法務省)

 149.親権者には、子の居所指定権が付与されており(民法第821条)、子が父母の意見に反してその父母から分離されないことが確保されている。もっとも、父又は母による虐待等により子の利益が著しく害される場合には親権喪失の審判により(同法第834条)、父又は母による親権の行使が困難であるなどして子の利益が害される場合には親権停止の審判により(同法第834条の2)、いずれも子の利益を守るために子がその父母から分離されることがある。これらの審判により親権を行う者がないこととなった場合には、子の利益を保護するために、未成年者に対して後見が開始される(同法第838条)。(法務省)

 150.障害者権利条約第23条4の規定が、締約国の出入国管理上の適正な処分の妨げになるものではないと理解しているが、このような解釈が条約の文言上必ずしも一義的に明確ではないため、出入国管理及び難民認定法に基づく退去強制の結果として児童が父母から分離される場合に適用されるものではないとの解釈宣言を行っている。(法務省、外務省)

 151.障害者総合支援法第77条に基づく市町村の地域生活支援事業として、地域の障害者等の福祉に関する様々な問題について、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供や助言等を提供するとともに、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のための関係機関との連絡調整等の必要な援助を行う事業が実施されている。また、障害者総合支援法第78条に基づく都道府県の地域生活支援事業として、特に専門性の高い相談支援に係る事業が実施されている。(厚労省)

 152.児童福祉法については、2014年度に「児童福祉法の一部を改正する法律」が公布及び施行され、新たな小児慢性特定疾病医療費助成制度が確立したと同時に、小児慢性特定疾病児童等の自立支援事業について法定されることとなった(児童福祉法第19条の2~第19条の22)。(厚労省)

 153.児童福祉法第12条により、児童相談所の設置が規定されており、児童相談所における相談援助活動は、常に児童の最善の利益を考慮し、援助活動を展開していくことが必要としている。また、同法に基づき、相談、通告を受けた場合は、児童やその家庭の状況等を勘案して適切に対応している。保護者が、児童を虐待し、著しくその監護を怠り、その他保護者に監護させることが著しく当該児童の福祉を害する場合については、児童の最善の利益を考慮し、都道府県は、施設入所の措置等をしている。市町村は、児童についてやむを得ない事由により、保育を受けることが著しく困難であると認めるときは、当該児童に対して保育を行うこととなっている。これらの措置等は障害の有無に関わらず行われる。(厚労省)
 
第24条
教育   
 154.憲法第26条は、すべての国民に対して、その能力に応じて等しく教育を受ける権利を保障している。また、国民に対して、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を課しており、義務教育は無償と規定されている。(文科省)

 155.教育基本法第4条第2項において、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならないことが規定されている。 への教育上の支援について規定されている。 また、 これを踏まえ、教育振興基本計画においては、障害のある者がその年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶことができるよう配慮しつつ、教育内容・方法の改善充実などを図ることとされている。(文科省)
 150.障害者基本法第16条は、国及び地方公共団体に対して、障害者が、その年齢、能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童生徒が障害者でない児童生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じること、また、国に対して障害者の教育に関する調査研究を推進すること等を義務付けている。(文科省)

 156.学校教育法体系に基づき、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育が実施されており、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学びの場」が整備されて おり、引き続きこれらの場の充実に取り組んでいく いる ほか、特別支援教育支援員の配置や就学奨励費の支給等の支援が行われている。 2014年5月現在、小・中学校において通級による指導を受けている児童生徒数は83,750人(2009年5月:54,021人)、小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒数は187,100人(2009年5月:135,166人) 特別支援学校(幼稚部から高等部まで)に在籍する幼児児童生徒数は135,617人(2009年5月:117,033人)特別支援学級に在籍する児童生徒数は187,100人、通級による指導を受けている児童生徒数は83,750人である。なお、特別支援学校に在籍する児童生徒等について、障害者基本法第16条の「障害児である児童及び生徒と障害者でない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない。」との規定を踏まえ、小・中学校等に在籍する障害のない児童生徒との交流及び共同学習が行われている。また、我が国では、義務教育段階において、病弱・発育不全を理由として保護者の申し出により就学猶予・免除を受けている児童生徒は、2014年度は48人(0.0005%)である。(文科省)

 157. 幼稚園、小学校、中学校、高等学校 .小・中学校等においては、日常生活、学習生活上のサポート等を行う特別支援教育支援員の配置等による支援が行われている。 また特別支援教育支援員は年々拡充されており、2014年度については、 特別支援教育支援員は 前年度から3,400人増の49,700人分の地方財政措置を行ってしている。また、日常的に医療的ケアが必要な幼児児童生徒は公立特別支援学校において7,774人(2013年度:7,842人)、公立小・中学校において976人(2013年度813人)である。なお、公立小・中学校において、日常的に校舎内において障害のある児童生徒に付き添っている保護者等の人数は1,897人である。 なお、我が国では、義務教育段階において、病弱・発育不全を理由として保護者の申し出により就学猶予・免除を受けている児童生徒は、2014年度は48人(0.0005%)である。(文科省)

 158.就学先決定の在り方については、2013年8月に学校教育法施行令を改正し、就学基準に該当する障害のある子供は特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとするとともに、保護者及び専門家からの意見聴取の機会を拡大した。その際、本人、保護者の意向を可能な限り尊重し、教育委員会が決定することとした。2014年度の小学校・特別支援学校就学予定者(新第1学年)として、市区町村教育支援委員会等の調査・審議対象となった人数は、42,352人(2013年度:39,208人)、うち、学校教育法施行令第22条の3(特別支援学校に就学することが可能な障害の程度 従前の就学基準)に該当する人数は8,651人(2013年度:8,453人 6,190人)である。そのうち、公立特別支援学校に就学した人数は6,341人(2013年度:6,190人)である(文科省)

 159.また、障害のある児童生徒等の保護者等の経済的負担を軽減するために、特別支援学校への就学奨励に関する法律等に基づき特別支援教育就学奨励費の支給等の支援が行われている。必要な援助を行っている。(文科省)

 160.小・中学校等の学習指導要領において、障害のある児童生徒については、個別の教育支援計画等を作成することなどにより、個々の児童生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的に行うこと、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることのほか、誰に対しても公正、公平にし、差別や偏見のない社会の実現に努めること、障害のある人々などとの触れあいを充実するよう工夫すること等を指導することが規定されている。なお、幼稚園、小・中学校、高等学校における個別の教育支援計画の作成率は年々向上しており、2014年度の作成率は81.5%である。(文科省)

 161.特別支援学校学習指導要領において障害種ごとの配慮事項が規定されている。視覚障害者である児童生徒を教育する特別支援学校の配慮事項として、小中学部においては「児童の視覚障害の状態等に応じて、点字又は普通の文字の読み書きを系統的に指導し、習熟させること。なお、点字を常用して学習する児童に対しても、漢字・漢語の理解を促すため、児童の発達の段階等に応じて適切な指導が行われるようにすること」、高等部においては「生徒の視覚障害の状態等に応じて、点字又は普通の文字による的確な理解と適切な表現の能力を一層養うこと。なお、点字を常用して学習する生徒に対しても、漢字・漢語の意味や構成等についての理解を一層促すため、適切な指導が行われるようにすること」と規定しており、点字又は普通の文字の読み書きを系統的に指導し、習熟させる 等が規定されており、これらを踏まえた指導が行われている。また、(文科省
 155.特別支援学校学習指導要領において、聴覚障害者である児童生徒を教育する特別支援学校の配慮事項として、例えば小中学部においては「児童の聴覚障害の状態等に応じ、音声、文字、手話等のコミュニケーション手段を適切に活用して、意思の相互伝達が活発に行われるように指導方法を工夫すること」等が規定されており、高等部においては「生徒の聴覚障害の状態等に応じ、音声、文字、手話等のコミュニケーション手段の適切な活用を図り、意思の相互伝達が正確かつ効率的に行われるようにすること」と規定しており、手話をはじめとする多様なコミュニケーション手段を選択・活用した指導が行われている。また、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所における都道府県の指導者を対象とした研修の中で、手話又は点字に関する内容を扱っている。なお、小・中学校の通級による指導や特別支援学級で特別の教育課程を構成する場合は、特別支援学校の学習指導要領を参考とし、実情に合った教育課程を柔軟に編成することとしている。(文科省)

 162.「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」においては、障害のある児童生徒のための文字や図形等を拡大した教科書や点字教科書の発行の促進を図るとともに、その使用の支援について必要な措置を講ずること等により、教科用特定図書等の普及の促進等を図ることとされている。
2014年度に小・中学校等の義務教育諸学校で使用される教科書に対応した拡大教科書は全点発行された。高等部段階については、視覚障害特別支援学校高等部で使用されている主たる教科に関する拡大教科書は全点発行されたが、高等学校で使用される教科書については、教科書の種類が非常に多く、十分に普及していないため、普及促進を図るための調査研究を行っている(文科省)

 163.教育職員免許法において、幼稚園、小・中学校、高等学校の教諭の普通免許状を取得するためには、特別支援教育に関する事項を含んだ科目の単位を修得しなければならない。また、特別支援学校の教員は、原則として特別支援学校の教員の免許状を有していることが必要である されている。特別支援学校教諭免許状を取得するためには、特別支援教育に関する科目を修得しなければならない。(教育職員免許法第5条、第5条の2、教育職員免許法施行規則第7条)、(文科省)

 164.教育基本法の趣旨も踏まえ、政府の障害者基本計画において、障害のある児童生徒の後期中等教育及び高等教育への就学を促進するための配慮及び支援するとともに、福祉、労働等との連携の下での障害のある児童生徒の就労について、支援の充実を図る、こととしている。また、高等教育における支援の推進として、障害のある学生への個々の障害特性に応じた情報保障やコミュニケーション上の配慮、施設のバリアフリー化、入試等における適切な配慮、大学等における情報公開を推進することとしている(文科省)

 165.教育基本法第3条において、障害者を含む国民一人一人の共通理解の下もと、国及び地方公共団体をはじめ、学校、家庭、さらに各種団体や企業等も含め地域を通じた社会全体で、生涯学習社会の実現が図られるべきという「生涯学習の理念」を規定している。また、同法第4条に教育の機会均等を規定し、その第2項として、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じる義務を国及び地方公共団体に課している。(文科省)さらに、同法第12条に社会教育を規定し、個人の要望や社会の要請にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならないとしている。

 166.職業能力開発促進法第15条の6、第16条において、障害者職業能力開発校(全国に19校)の設置等を定めている。また、同法第3条の2第4項では、身体又は精神に障害がある者等に対する職業訓練は、特にこれらの者の身体的又は精神的な事情等に配慮して行わなければならないと規定されており、他の職業訓練施設においても障害者に対する配慮がなされている。なお、一般の公共職業能力開発校における障害者の受講状況は、2012年度は608人、2013年度は663人となっている。(厚労省)   

 167.なお本条に関しては、障害者政策委員会より、インクルーシブ教育を推進していくために、我が国が目指すべき現在の到達点に関する議論、また、進捗状況を監視するための指標の開発とデータ収集が必要であるとの指摘があった。また、具体的な課題として、個別の教育支援計画、個別の指導計画の実効性の担保、合理的配慮の充実、本人及び保護者の意思の尊重、特別支援教育支援員の配置や教育的ニーズに応じた教材の提供といった環境の整備などについて問題提起があった。(より詳しくは、付属文書を参照のこと) 
意見=憲法第 26 条は 、すべての国民に対しそ能力応じ等く教育 を受ける 権利有すとしている。 慢性疾患を抱え自宅療養中の児童のためには、特別支援学級や院内学級があるが、通学できない場合には義務教育さえ保証されていない現状があることを明記すべきである。
理由=平成 26年度の厚労省ME/CFS患者の実態調査によ り、6割弱の就学患者が就学・通学を継続で きなかったことや、義務教育を受ける権利さえ保障れてい現状が明らになった。 政府は、通学できない児童にどう義務教育を保証するのか、また、通学を継続するためにどのような合理的配慮を提供するのかが問われている。
(筋痛性脳脊髄炎の会)

148~152:意見=現行特別支援教育の説明に終始しているが、インクルーシブな教育システムの構築への具体的な施策、とりわけに通常の教育の改革の展望を示すべきである。
理由=教育振興基本計画や障害者基本法において、「可能な限り障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶことができるよう配慮」するという規定があることや、就学システムの改正によって、あたかも日本ではインクルーシブ教育が推進されてきているかの印象を与えようとする文章であるが、あまりに現状肯定的で実態を反映していないと思われる。
 そもそもインクルーシブ教育は、単に「障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶ」ということにとどまらない。障害のある子どもはもとより、民族・文化・言語的マイノリティ、ジェンダー、貧困など多様な理由によって排除されやすい子どもたちを含め、すべての子どもの多様なニーズを受け止め、それに応えていく教育全体の改革であり、何よりも通常の教育の在り方が問われているはずである。
 しかし、この間の特別支援学校・学級、通級指導対象者の急増は、一面では、より多くの子どもの専門性の高い指導・支援へのニーズに応えた結果と評価できるものの、同時に通常の教育が障害のある子どもをしっかりと受け止められる状態にないことを示している。通常の教育における学級定数や教職員配置を抜本的に改善すること、および教育課程や指導法を、障害のある子どもも含めた多様なニーズに応えられるように改革することが、インクルーシブ教育システムの構築には不可欠である。
(全国障害者問題研究会)

154~157:意見=特別支援学校の学習指導要領や教員免許の説明だけでなく、通常の幼稚園、小学校、中学校、高等学校の学習指導要領や教員免許制度を、インクルーシブ教育推進に向けてにどう改革すべきか、現状と課題を明記すべきである。
理由=上記と同様に、現在問われているのは通常の教育の改革である。現行の学習指導要領には交流及び共同学習の記述はあるものの、通常の教育課程をどのようにインクルーシブなものにしていくかが記されていない。また現行の教員免許制度も、教職科目の一部に障害について扱う以外、インクルーシブ教育に対応できるものとなっていない。
(全国障害者問題研究会)

意見=障害者権利条約は、第24条において、教育についての障害者の権利を認め、この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現するため、障害者を包容するあらゆる段階の教育制度及び生涯学習を確保する、としている。その権利の実現に当たり、障害者が障害に基づいて一般的な教育制度から排除されないこと及び障害のある児童が障害に基づいて無償のかつ義務的な初等教育から又は中等教育から排除されないことを確保する、としている。
 上記の認識のもと、政府報告は、現在の障害者の教育の深刻な実態について反映しておらず、不十分な記述になっている。以下のように加筆修正されたい。

・156で報告は「通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある『多様な学びの場』が整備されている」とあるが、障害のある子どもの教育の場は不充分であり整備されているとは言えない現状であり、その旨を課題として明記すべきである。

・通級の学級在籍の障害のある子どもが通常の学級で学ぶために必要な教育条件は、不十分であり整備されているとは言えない現状にあり改善が必要である。特別支援教育支援員と通級指導教室を充実し、障害のある子どものニーズにこたえた柔軟な支援システムの充実が必要であり、その旨を課題として明記すべきである。
理由=文部科学省調査でも通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする子どもは、約66万人1校あたり21人である。これに対し、特別支援教育支援員は、1校あたり1.24人しか配置されていない。他の文部科学省調査でも、「知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた子ども」の87.2%が、特別支援教育支援員の支援対象でないと報告されている。

・障害のある子どもが通常の学級に在籍しながら,障害の状態に応じた指導を受ける場である通級指導教室はおおよそ10校に1校の設置であり、中学校の設置数は特に少なく、不十分のままであり整備されているとは言えない現状にあり、その旨を課題として明記すべきである。
理由=通級指導教室で指導を受けている児童生徒数は83,750人とあるが、これは通級指導教室を必要とする子どもの6.2%にすぎず、通級指導教室を受けている子どもの半数は、週1時間以下の指導であり極めて貧弱である。

・特別支援学級の学級数や特別支援学校の学校数が増加するとともに、特別支援学級や特別支援学校に在籍する子どもが急増している現状があり、その旨を課題として明記すべきである。
理由=2003年度から2013年度までの10年間に、特別支援学級数は1.6倍、特別支援学級在籍者数は2.0倍増えている。9万名近い子どもの増加は、特別支援学級を選ぶ子ども・親が増えただけでは説明がつかない数字であり、障害のある子どもが通常の学校から排除されたためと考えられる。
 2003年度から2013年度までの10年間に、特別支援学校数は1.1倍に、特別支援学校在籍者数は1.4倍に増えている。増加の多くは転入転入学であり、中学部1年、高等部1年に顕著である。この期間、全子ども数が約130万人減少するなかで、特別支援学級在籍者数が2倍、特別支援学校在籍者数が1.4倍の増加は特筆すべきである。

・特別支援学校は在籍する子どもの急増に対し教育条件の整備は劣悪である。知的障害特別支援学校で顕著であり,その原因が特別支援学校に学校設置基準がないことであり、その旨を課題として明記すべきである。
理由=特別支援学校に必要とされる面積に対し実際の保有面積は3分の2である。学校種別ごとの保有面積の充足率を経年で比較すると、特別支援学校の教育条件の悪さが際立つ。他の学校種別は充足率の改善が見られるのに、特別支援学校はほぼ横ばいである。他の学校種では考えられない劣悪さである。
(以上、全国障害者問題研究会)

意見=報告は、施策の実施とそれに基づく教育の状況の説明はありますが、障害のある子どもたちの教育条件等の現状や課題等には一切ふれていません。政府として現状や課題をしっかりと明記することがなければ、今後障害者権利条約の求める教育の実現に向けた政府の責務は見えてきません。この旨を各項目へ明記することを求めます。
理由=障害のあるこどもたちの学校義務制施行から35年になります。依然として権利侵害ともいえる教育環境に置かれているといわざるを得ません。例えば教室が、学級ごとに確保できない事はあってはならないことですが全国的に常態化しています。これひとつとっても権利侵害といえます。学校建設が十分でないために特別支援学校では1校500人を越える学校もあり、特別教室、校庭が十分使えない、移動教室の実施に養護教員の付き添いもままならないなど、「十分な教育を受けられるように、教育上必要な支援を講じなければならない」とした教育基本法すら遵守できていない状況があります。こうした事態を明確にすることこそが障害者権利条約の求める教育の実現に向け、国が行うべき施策の方向が明確になると考えます。

154:意見=憲法25条の解釈だけでなく、障害のある子どもたちの教育保障を進展にとって小・中学校等の教育条件整備が重要であり、拡充に努める必要性を明記するべきです。
理由=現状の小、中学校の教育条件は、学級35人学級の設置も十分でなく、逆に40人に戻す話も出されています。障害のある子どもたちの教育保障にとって、学校の中でのインクルーシブ教育を進めるために、小・中学校など通常の教育の抜本的な改善をはかることが不可欠です。

155:意見=特別支援学校の教室不足やマンモス化の原因ともいえる「設置基準」(障害のない子どもが通う普通学校には基準があるのに、障害のある子どもだけが通う支援学校には教室を設置する基準がない)について触れることを求めます。説明文のあとに設置基準の策定など教育条件整備や教育内容及び充実に向けた施策を推進する旨を明記してください。
理由=文科省は、設置基準がない理由について「障害の度合いに応じて必要な施設も違う。それぞれの実情に合った柔軟な対応が出来るようにするため」としています。しかし、教室がないことの理由には全くなっていません。そもそも教室がなければ、子どもの教育を保障することはできません。こうした事態は人権侵害そのものです。放置しておけない問題として明確に示す必要があります。

159:意見=保護者の負担なしに教育保障を行えない実態がまだまだ残されています。報告文の続きに保護者等の負担をなくすための支援の在り方の検討が必要であることを明記すべきです。
理由=保護者の負担について、確かに就学奨励費を支給していますが、段階によって支給内容が変るために、宿泊行事への医療的ケアを必要とする子どもの保護者の付き添い費用が、大きな負担になる場合があります。また医療的ケアのある子どもの通学や学校での付き添いも求められる場合があります。こうした保護者の負担は早急になくすべきです。また156に述べている「交流・共同学習」も保護者への負担なしには教育権保障ができていない実態があります。

164:意見=「高等教育における支援の推進として、障害のある学生への情報保障やコミュニケーション上の配慮、施設のバリアフリー化、入試等における適切な配慮、大学等における情報公開を推進することとしている」とありますが、バリアフリー化等は、どの教育機関においても必要なことであり、その旨を明記することを求めます。
理由=施設のバリアフリー化は、理由を問わず必要なことです。
(以上、障全協)

164:意見= 「障害のある学生への情報保障やコミュニケーション上の配慮」を「障害のある学生への情報保障や障害特性に応じた個別的で多様なコミュニケーション上の配慮」などとしてほしい。
理由=高機能の発達障害学生に対する支援について、その個別性や多様性に配慮していることを盛り込む必要があると考える。
(全国LD親の会)

167:意見=障害者政策委員会の指摘にある「具体的な課題として、個別の支援計画、個別の指導計画の実効性の担保・・」はもっともである。
理由=教育の場だけでなく、その後の人生でも継続してカルテのように支援目標や実績・支援履歴目など個別に作成・管理運用されていくことが重要で、支援の質を評価したり効果的な支援を創出していくことにつながるのではないかと期待する。(全国LD親の会)


教育における学びの保障
通級指導教室の設置数が少ない。(特に中学校)
通級指導教室を利用できない児童制度が多くいる。
教室での障害に応じた支援機器の使用を認めて欲しい。
高校、大学の入試試験が、読み書き障害への代読またはPC読み上げの実施。(全国LD親の会)

障害者・家族が求めている教育が行われていない。権利条約に示される「可能な最大限までの発達」「人間の多様性の尊重、自己の価値についての意識の十分な発達」「自由な社会への効果的参加」などの教育の目的を実現するための教育制度と教育条件の整備が不十分。

通常学校の特別支援教育の条件整備がすすんでいない。
1学級あたりの児童生徒数は改善されていない
特別支援教育の支援員は人員的にも専門性でも不足している
特別支援学級教員の専門性も不足している

特別支援学校の適正な規模、適正な配置にかんする法律がないために、通常の学校では考えられないほど教育条件が悪化している。特に知的障害校が顕著。

放課後等デイサービスが急増しているが、施設設備、職員の専門性が不十分。基本報酬が低い。(全国障害者問題研究会)
 24_1 政策会議報告
 24_2 放課後デイ実態調査

インクルーシブ教育システムと合理的配慮の重要性を条文は示唆している。関連する制度改正には確実に反映させるべきである。ゼンコロ全国特別支援教育推進連盟経由で要望している(全国ことばを育む会) 24_3 要望書   

筋ジス協会  24_4 要望書  
第25条
健康   
168.障害者総合支援法では、障害者等の障害の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療として、身体障害を軽減又は除去するための治療(更生医療及び育成医療)及び精神疾患に対する継続的な治療(精神通院医療)を自立支援医療と位置付け、その医療費の一部又は全部を公費で負担することとし、障害者のための医療・リハビリテーション医療の充実を図っている。(厚労省)

 169.精神障害者に対する保健・医療・福祉に携わる全ての関係者が目指すべき方向性として、2014年3月に、「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」(2014年厚生労働省告示第65号)を策定し、同指針では、入院医療中心の精神医療から地域生活を支えるための精神医療への改革の実現に向け、地域で生活するために必要な保健医療サービス及び福祉サービスを提供できる体制を確保することとしている。(厚労省)

 170.適切な医療を提供するための施策としては、リスクの高い妊産婦や新生児に高度な医療を提供する周産期医療や外傷等に対する適切な治療を行うための救急医療等の医療提供体制の充実を図った。また、疾病等の病因・病態の解明、予防、治療等に関する研究開発を推進するとともに、再生医療等の新たな医療分野について、研究開発の推進及び実用化の加速に取り組んでいる。更に保健人材の育成に関しては、医師、歯科医師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の医療従事者につき、資質の向上等に努めた。(厚労省)

 171.難病に関する施策の推進として、難病法案を2014年2月に国会へ提出した。難病法は同年5月に成立し、2015年1月からより施行された。その具体的な内容は、(1)施策の総合的な推進のための基本方針の策定 (2)公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立 (3)調査研究の推進等であり、その対象として難病に起因する障害を持つ患者も含んでいる。2015年7月までに同法の施行により、医療費助成の対象疾病が56疾病から306疾病に拡大した。なお、306疾病以外の疾病であっても、研究の結果、医療費助成の対象となる指定難病の要件に合致することが明らかになった疾病は、指定難病への指定を検討していく予定である。(厚労省)   
168、171:意見=障害者権利条約においては、「無償の又は負担しやすい費用」にて保健及び保健計画の提供を行うこととされている。しかし、日本の障害者への医療については多くの課題が残されている。報告書においては、以下の制度上の不備を認め、最低でも以下の2点については問題点を明記すべきである。

168 自立支援医療について
 自立支援医療については負担の軽減が充分にはかられていない。他の障害施策に比べても低所得層への配慮をはじめとした、負担の軽減が十分に行われているとは言えない。
理由=育成医療は負担軽減が3年間の経過的特例措置であり安定した制度にはなっていない。18歳以上になると更生医療には負担上限額が設けられていないため、心臓手術などの一時期に多額の費用がかかる医療においては負担が軽減される施策とはなっていない。政府と違憲訴訟団により結ばれた基本合意により約束されている低所得層などの負担のあり方の検討がまったく進んでいない。

171 難病に関する施策の推進
 難病法による医療費助成の助成においては対象疾病の範囲が充分とは言えない。同程度の障害を有する者も対象から外れてしまっているという問題を有している。
理由=難病法により医療費助成が拡大したことのみ述べられているが疾病名の違いにより同じ心疾患のなかでも対象から外れている疾病がまだ多数残されている。小児慢性特定疾病の対象704疾病に対して306疾病しか対象となっていないため、トランジション問題は解決しておらず制度の谷間はまだ存在している。
(障全協)

意見=難病法が2015 年 1月から施行され、医療費助成の対象疾病が、医療費助成の対象疾病が56疾病から306疾病に拡大した と記載されているが、難病は5000~7000あると言われており、ME/CFSをはじめその他疾病対象外 となっていることを明記すべきである。
理由=障害者権利条約において、障害者が障害に基づく差別なしに到達可能な最高水準の健康を享有する権利を有すること認めるとしているが、難病法 では医療費助成の対象疾病を名で区切 ることによっ て、同じよう に苦しんでいるも関わらず、「制度の谷間」置かれて医療費助成等を受けられない難病 がある現状 は、権利条約の趣旨に反する。対象疾病に希少性を求める根拠は全くないと考える。
(筋痛性脳脊髄炎の会)

意見=基本合意で「当面の重要な課題」となっている自立支援医療における低所得者の無償化が同合意から5年を過ぎてもいまだに実現できていないため、国として裁判上の約束を守るために早急に必要な予算を確保し、実施する義務がある。
(自立支援法違憲訴訟団)


二次障害について:意見=脳性まひやポリオなどの障害者が、不自由な身体を酷使することなどで起こる二次障害〔新たに出現する障害〕について、政府は啓発活動や早期発見・治療など、何らの対策も講じていないことを明記すべきです。また、こうした障害の悪化を防ぐために有効なリハビリテーションについても、制限を設けたり、不当に診療報酬を下げるなど、結果として、障害者の健康を維持することが難しい実態があることを記載すべきです。
理由=私たちの団体では、この二次障害の深刻な実態を啓発するべく様々な活動を行ってきました。こうした事実を国・厚生労働省に知ってもらうため、懇談の場を持ってきていますが、厚生労働省はこの二次障害の問題を聞き、解決する部署すらもっていません。ゆえにこの問題は長年放置され続けており、年々深刻性が増しています。また、リハビリ問題では上記のような制度の実態がある中で、医療現場では、障害者に継続したリハビリの提供が困難になっており、障害者リハをやめる病院も増えてきている実態を明らかにすべきです。
(障全協)


乳幼児から成人までの発達障害に対応できる医療機関が少ない。
二次障害として精神疾患を発症した人への医療機関の連携と支援がなされていない。
(LD親の会)

精神障害者処遇に関して、入院処遇中心の入院大国の現状は、地域生活支援の世界的趨勢から大きく逸脱している。
(あみ)  25_1 声明   25_2 声明

筋ジス協会   25_3 実態調査資料

透析治療を受ける環境=透析患者の高齢化、医療体制の変化(医師・看護師等不足等)により、遠くへの通院を余儀なくされ、高齢者の場合はその介護と通院に要する費用負担、在宅生活が難しい場合は介護保険施設等への入所が実質的に保障されていないこと 
(全国腎臓病協議会)
 5年毎に行っている「2011年度血液透析患者実態踏査報告書」にて、家族形態、原疾患、健康状態(自立生活動作能力等)、療養実態(食事などの自己管理、通院状況、入院できる病院のあて、寝たきりの療養場所)、透析継続・中止に対する患者意識、就労状態、公費負担医療制度の活用実態、公的年金受給状況などについて、医師・研究者らと協働して実施。
 2014年に透析医学会が発表したいわゆる透析に関わる終末期ガイドラインでは、策定に至る過程で実態調査が基礎資料として、また追加調査や当事者の立場から参画を求められるなどの協力を行った。

25条を担保する具体的な制度としては、国民皆保険制度が存在します。医療費の7割が保険で賄われ、かつ、支払いの上限は、高額療養費制度があります。しかし、一般で約8万円(4回目以後は約4万4千円)の上限は、「無償の又は負担しやすい」ものとは言えず、受診抑制を招いています。
権利条約に反する動きとして、「患者申出療養」、すなわち、国民皆保険制度をなし崩しにして、保険外の診療を部分的に認める動きがあり、2016年4月には施行されます。薬剤が「保険外」のまま放置されると、継続的な治療は難しくなります。1カ月の抗がん剤が数百万円というものもあります。
障害者を対象とした、自立支援医療の対象範囲は、障害の除去・軽減にとどまっており、障害程度の維持や進行をおさえる治療などがその対象になっていません。放置すれば障害になる場合など予防的な考え方を導入し、適用範囲を拡大するとともに、身体障害者手帳がなくとも自立支援医療が受けられるようにすることが大事です。
( 日本難病・疾病団体協議会:JPA)  
第26条
ハビリテーション(適応のための技術の習得)及びリハビリテーション 
 172.障害者基本法において、国及び地方公共団体に対して、リハビリテーションの提供を行うよう必要な施策を講じることを義務付けている(障害者基本法第14条第1項)。また、ハビリテーション及びリハビリテーションのサービスに従事者に対する研修に関しては、障害者基本法において、国及び地方公共団体に対して、専門的技術職員その他の専門的知識又は技能を有する職員を育成する努力義務を課している(同法第14条第4項)。また、ハビリテーション及びリハビリテーションに関連する補装具や支援機器の利用可能性等の促進に関しては、国及び地方公共団体に対して、福祉用具等の給付又は貸与その他障害者が日常生活を営むのに必要な施策を講じること(同条第6項)、及び福祉用具の研究開発等の促進を義務付けている(同条第7項)。(内閣府)

 173.障害者雇用促進法第8条第1項においては、職業リハビリテーションの措置は、障害者各人の障害の種類及び程度並びに希望、適性、職業経験等の条件に応じ、総合的かつ効果的に実施されなければならないと規定されている。また、職業リハビリテーションを実施しているハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターは、20165412月現在において、それぞれ全国に544箇所、52箇所、3287箇所配置されており、障害者自身が属する地域社会の可能な限り近くにおいて利用可能なものとなっている。(厚労省)

 174.さらに、障害者雇用促進法第20条第3号等の規定に基づき、障害者職業総合センター等において、障害者の職業リハビリテーションに従事する職員である障害者職業カウンセラー及び職場適応援助者の養成及び研修を実施している。加えて、同条第1号の規定に基づき、障害者職業総合センターにおいて、多様な障害に対応した職業リハビリテーション技法の研究・開発及び障害者の雇用拡大に役立つ就労支援機器やソフトウェアの研究・開発を実施している。また、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構において、障害者を雇用する事業主や事業主団体を対象として、就労支援機器を一定期間無料で貸し出すことにより、その普及の促進を図っている。(厚労省)  
意見=第26条について、障害者総合支援法に基づく就労移行支援事業や就労継続支援事業は一般就労に向けた訓練や働くことを通じた全人間的復権等の役割を果たしている旨、明記すべきである。
理由=就労移行支援事業や就労継続支援事業は、障害者総合支援法において「就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練」を「供与」する役割として位置づけられている。また、政策上も一般就労への移行策が一層推進されており、福祉的就労の場は実質的に職業リハビリテーションの機能を果たしていることから。
(きょうされん)

最初の療育を選択するときの支援について、待機がある。子どもにふさわしい相談の場が公的に保障されていない。
舞う療育の費用は食費も含めて保護者の所得によるために応益負担がある。
(障害乳幼児に応益負担を持ち込ませない会)

発症から社会参加への切れ目のない、医療・福祉制度の確立が強く望まれる。
(日本脳外傷友の会)  
第27条
労働及び雇用   
 175.障害者基本法において、何人に対しても、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為を禁止している(障害者基本法第4条第1項)。また、国及び地方公共団体に対して、職業相談、職業指導、職業訓練及び職業紹介の実施その他の必要な施策を講じること(同法第18条第1項)、障害者の雇用を促進するため、障害者に適した職種又は職域について障害者の優先雇用の施策を講じること(同法第19条第1項)を義務付けている。さらに、障害者を雇用する事業主に対して、障害者が雇用されるのに伴い必要となる施設又は設備等に要する費用の助成その他の必要な施策を講じることを義務付けている(同法第19条第3項)。

 176.積極的差別是正措置を含む適当な措置等による障害者の雇用の促進について、障害者雇用促進法は、第38条及び第43条に基づき、事業主等に対してその常時雇用する労働者の数に法定雇用率(公的機関:2.3%、民間企業:2.0%)を乗じて得た数(法定雇用障害者数)以上の数の障害者を雇用する義務を課している。この算定にあたって、重度身体障害者及び重度知的障害者については、その1人をもって2人の障害者である労働者に相当するものとし、短時間労働者(週の所定労働時間が週20時間以上30時間未満である者)はその1人をもって0.5人の障害者である労働者に相当するものとしている。 2015年6月現在の民間企業における実雇用率は1.88%(前年1.82%)であり、雇用障害者数は453、133.5人と前年比5.14%(21,908人)増加となり、12年連続で過去最高を更新し、我が国の障害者雇用は着実に進展している状況である。なお、雇用障害者数の内訳は、身体障害者数は320,752.5人、知的障害者数は97,744人、精神障害者数は34,637人となっている。(厚労省)

 177.また、事業主間の経済的負担を調整するため、その雇用している障害者数が法定雇用障害者数未満である事業主から障害者雇用納付金を徴収し、法定雇用障害者数以上の障害者を雇用している事業主に対しては障害者雇用調整金を支給している。さらに、障害者雇用促進法第49条に基づき、障害者雇用調整金の支給に加え、障害者の雇用に伴う経済的負担の調整と障害者の雇用の促進及び継続のため、必要な要件を満たした事業主に対して各種助成金を支給している。(厚労省)

 178.労働市場における障害者の雇用機会の増大については、障害者雇用促進法第2章に基づき、職業紹介を含む各種職業リハビリテーションを実施している。2014年年度のハローワークにおける職業紹介による障害者の就職件数は84,602件と5年連続で過去最高を更新しており、そのうち身体障害者の就職件数は28,175件、知的障害者の就職件数は18,723件、精神障害者の就職件数は34,538件、その他(発達障害、高次脳機能障害など)の障害者の就職件数は3,166件となっている。(厚労省)

 179.また、障害者基本計画において、「福祉、教育、医療等から雇用への一層の推進のため、ハローワークや地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターを始めとする地域の関係機関が密接に連携して、職場実習の推進や雇用前の雇入れ支援から雇用後の職場定着支援までの一貫した支援を実施する。」と策定している。ハローワーク職員が中心となって、福祉施設の職員等の関係者による連携体制を確立し、就職の準備段階から職場定着までの一連の支援を行う「チーム支援」においては、2014年度に26,156人を支援し、そのうち14,005人が就職した。なお、「チーム支援」の支援対象者数の内訳は、身体障害者3,068人、知的障害者11,099人、精神障害者10,865人、その他の障害者1,124人であり、就職件数の内訳は、身体障害者1,645人、知的障害者6,301人、精神障害者5,579人、その他の障害者480人となっている。 (厚労省)

 180.さらに、同基本計画において、「障害者の身近な地域において、雇用、保健福祉、教育等の関係機関の連携拠点である障害者就業・生活支援センターの設置の促進・機能の充実を図り、就業面及び生活面からの一体的な相談支援を実施する。また、地域の就労支援機関と連携をしながら、継続的な職場定着支援を実施する。」と策定している。2014年度の障害者就業・生活支援センターの支援対象者は140,838人、就職件数は18,379件となっている。(厚労省) 

 181.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)  
 障害者の雇用・就業の促進のためには、障害者や企業に対する支援の更なる充実をはかることや、改正障害者雇用促進法の趣旨や法に基づく「障害者差別禁止指針」及び「合理的配慮指針」等について情報提供し、着実に実施することが重要である。 
意見=第27条に関連して、障害者総合支援法に基づく就労支援事業所を労働法の適用対象とすべきであるとの指摘や、一般就労を目指す人が通勤支援等必要な支援が未整備であるために断念せざるを得ない現状の解消等が求められている旨、明記すべきである。
理由=授産施設での作業を労働法の範囲とすることの重要性は国内だけではなくILO からも指摘されているため。また、通勤支援等が未整備であるために一般就労を断念せざるを得ない現状については社会保障審議会障害者部会でも認識されていたため。
(きょうされん)

意見=:平成 25 年4月に施行された「優先調達推進法」より、国や 地方自治体等には障害者就労支援施設等の商品・サービス発注を進める調達方針の策定が求られていること、同法施行後の調達件数や調達金額の実績、同法に基づく発注は一層拡充していく方向であることを、 政府報告に盛り込む。
理由=今回の政府報告は、 第3次障害者基本計画の実施状況監視を踏まえた報告とすることが障害者政策委員会において確認された。同計画の 『4-(3) 障害特性に応じた就労支援及び多様な業の機会確保 』の中で』の中では、「障害者優先調達推進法に基づき、 障害者就労施設等の提供する物品・サービスの優先購入(調達)を推進する」とある。同法に基づく発注の拡大は、障害者本計画推進につながることからも、同法に基づく発注は一層拡充していく方向であることを盛り込むべきである。
(セルプ協)

意見=難病や慢性疾患を抱えた人が、就労するために必要な合理的配慮が十分提供されているとは到底いいがたい状況であることを明記すべきである。
理由=難病や慢性疾患を抱えていても、仕事をしたい・経済的に自立したいという気持ちに変りはない。ME/CFS 患者は短時間労働や週に数日の勤務、室温や空調の適切な設定、横になって休むことや時差出勤、フレキシブルな勤務時間や在宅ワークを認める等の配慮を得られれば、就労をすることが可能となるため、継続して就労できるための支援を拡充していただきたい。(筋痛性脳脊髄炎の会)

意見=
 1.基本課題
 障害者総合支援法は、障害者基本法ならびに障害者基本計画の基本理念に則り、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律である。わが国の労働施策は、原則として一般の労働市場に開放されている。
 障害者も他のものとの平等を基礎として、基本的には一般労働市場に開放されなければならない。しかし、現状の民間企業における障害のある労働者の実数は、比較的軽度の障害者431,225人(平成26年度障害者白書:障害者雇用の現状より)しか実現しておらず、雇用率は1.82%に留まっている。さらに、障害者総合支援法による障害福祉サービスで働いている障害者の数は231,070人(平成25年6月国保連データより)にのぼる。

 2.障害者権利条約における労働及び雇用
 障害者権利条約 第27条では、「他の者との平等を基礎とした労働についての権利を有すること」を認め、「あらゆる形態の雇用に係るすべての事項(募集、採用及び雇用の条件、雇用の継続、昇進並びに安全かつ健康的な作業条件を含む。)に関し、障害を理由とする差別を禁止すること。」としており、障害者の労働権利を認め、あらゆる形態の雇用に係るすべての事項で障害を理由とした差別を禁止している。

 3.障害者総合支援法における労働及び雇用
 障害者総合支援法では「労働の定義」がなく、第5条で「障害福祉サービス」による「就労継続支援」として位置付けられており、「就労継続支援」とは、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう、としている。しかし、その中には、「就労継続支援A型事業」という雇用契約と利用契約が混在したサービスがあり、雇用と利用という矛盾を生んでいる。加えて、「就労継続支援B型事業」の実態は、訓練を伴った工賃を支給する明らかな労働である。

4.第1回政府報告について
 障害者の労働及び雇用については、第27条で記述しているが、障害者基本法における労働行政による施策、あるいは障害者雇用促進法における法定雇用率、雇用者数の進展など労働施策の記述に終始している。
実際には、ハローワークなどの職業紹介の先には、「障害福祉サービス」の就労継続支援A型事業も対象である。現実的な対応も雇用の対象としている。「障害福祉サービス」について政府報告は、「第28 条 相当な生活水準及び社会的な保障(175)障害者総合支援法に基づき、一般企業等への就労を希望する障害者に対し、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等を提供する「就労移行支援」、一般企業等での就労が困難な障害者に就労する機会を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練等を提供する「就労継続支援」を実施している。」の記述に留まっており、いわゆる労働施策と切り離されている。さらに、「第26 条 ハビリテーション(適応のための技術の習得)及びリハビリテーション」においても、障害福祉サービスの記述がなく、訓練としての就労系支援事業所の役割が見えてこない。加えて、障害福祉サービス利用1割負担原則の問題に触れていない。

 5.具体的な課題と提言
 就労継続支援A型事業もまた、障害者権利条約にある「あらゆる形態の雇用」に該当するものと思われる。加えて、就労継続支援B型事業においても労働実態を明らかにした上で、障害を理由とした相当の労働成果が得られないのであれば、新たな所得保障の仕組みが必要と考える。障害者権利条約による「他の者との平等を基礎として」を前提に、少なくとも、障害を理由とした合理的配慮は、あらゆる環境と手段により提供されなければならず、福祉・労働施策のいずれの労働環境においても、必要な福祉サービスを受けながら労働できる制度や環境整備が必要である。

 6.統計資料について
 「生活のしづらさなどに関する調査」は、障害種別、疾患、障害等級、程度別障害者数の推移などを中心に、多くのデータがいわゆる「医学モデル」による統計であり、真の障害者の生活実態を明らかにすることは困難である。今後の調査に当たっては、あらゆる労働市場における重度障害者のダブルカウント、短時間労働、減額特例などの雇用条件を含み、偏見や差別に起因するものや社会による障壁など、いわゆる「社会モデル」を採用した調査が必要である。(以上、ゼンコロ)

意見=障害者差別を禁止しているというものの、障害者雇用促進法の前身が身体障害者に限定されていたなごりもあり、雇用されている障害種別が、圧倒的に身体障害者が多い。企業が、コミュニケーションが図れ、仕事の内容が限定される場合もあるが、仕事を教える場合も、特別な配慮を必要としないことが多く、企業として扱いやすい障害者を雇用していると思われる。
 精神障害者が増加しているというものの、雇用義務が規定されていないなかでは、伸びているものの、精神障害者の障害特性を正しく理解することなく、「怖い」「何を起こすかわからない」という理由を持ち出して、雇用に懸念を持たれているのが現実である。また、労働環境が悪化している中、精神障害発症した従業員を抱えていることから、これ以上は対応できないとなっていると思われる。
 チーム支援で、雇用が伸びているものの、障害者総合支援法に規定する就労支援事業所の職員が充分に配置されておらず、雇用をしてくれる企業の開拓やハローワークに求人にすらいけない現状があり、雇用に結びつかない現状がある。
 雇用していない企業に対して納付金を納入させているが、障害者を雇用し、配慮などをおこない、仕事をしてもらうぐらいなら、納付金を納入する方が良いと考えている企業もあることは現実である。
 雇用が伸びない理由として、助成金の支給が、期間限定のものや一回限りのものが多く、企業の言う、必要なだけ支給されないことも、雇用が進まない現実を作りだしていると言える。
 障害者雇用促進法では、雇用させるための規定が多く、働き続けられるための規定がなく、とにかく雇用されれば良いという考え方をしていると言える。
理由=障害者雇用促進法が、障害者権利条約締約国としてふさわしいものということで、改正がされていますが、障害当事者の意見をほとんど聞かず、権利条約に違反はしていないものの、以前の状態と大きく変わっていないという内容である。当事者の意見を聞かずの改善はあり得ず、改正にいかすべきである。
 差別禁止指針と合理的配慮指針については、例を文書で示すことは必要なことではあるが、目新しいものはなく、これまでとりくんできたことを改めて整理しただけで、この内容で何か変化が起きるとは思えない。やはり、ここでも、当事者の意見聞くことはとりくむべきである。
 就労支援事業所の職員配置は、常勤換算方式で配置されているために、継続的に、責任を持って支援する事ができない状態にある。支援を必要とする者たちに対して、継続的な支援をすることは、雇用に結びつくための力をつけるためにも必要最低限の考え方であるため、障害者雇用を前進させたいのであれば改めるべきである。
 利用料の徴収に関しても、国際労働機関(ILO)は、159号条約、168号条約、99号勧告に違反しているとする提訴の回答でも懸念を示している。障害者自立支援法違憲訴訟団と交わした基本合意で、「混乱と尊厳を傷つけた」と明記されていることからすれば、障害のない労働者と差があり、「障害者は働いていても支援を受けるのだから、利用料は徴収する」という考え方は、障害者権利条約の精神からしても早急に改めるべきである。
 日本の障害者の労働政策は、「障害者は働けない。だから、労働市場にはのせられない。」という考えが根本にあり、障害者の労働能力も、勝手に「ないとか、劣っているとか」と判断し、労働市場ではなく、福祉政策の中で展開してきた結果が現状であり、障害者の労働者としての権利を曖昧にすることで、事業主に都合の良い働かせ方を強いられており、障害者権利条約に違反していると言うことができ、早急に改めていくべきである。障害者が権利の主体者として認められた時に、初めて障害者権利条約の締約国としての責任を果たしたと言ってもらいたい。
 従って、今回の報告書では、素直に違反の事実があることを認めて、改善をすることを国威的に宣言するべきである。
(障全協)

一般就労を臨む障害のある人への支えが不十分。(就労支援、通勤支援など)
地域活動支援センターの地域間の公費格差、他の就労系事業との公費格差が歴然とある。
(きょうされん)

●福祉的就労で働く障害者の権利向上を目指しつつも、ニーズや状態にあった働く場が失われないような現実的な対応をすすめる。
福祉的就労の場で働く障害者の労働者としての権利向上を図る制度を導入する。(全国社会就労センター協議会:セルプ協) 27_1 要望書 27_2 意見 

教員や雇用・就業関係機関職員の発達障害についての理解がない。
継続して働けるための支援を充実してほしい。
(LD親の会) 

福祉就労の場において、その労働の権利は就労継続支援A型事業で福祉サービスの利用契約という二重契約でしか認められていない。
生産性が障害に起因するものならば、合理的配慮の下、所得保障を伴った新たな施策が必要。
障害者雇用促進法にも合理的配慮が記載されるべき。
労働基準法にも障害および合理的配慮について反映させるべき。
(ゼンコロ)  27_3 政策会議報告   

健保組合からなる企業の就労実態について、高額な医療費のかかる透析患者は採用時に人数調整が行われている実態(民間の雇用あっせん会社による情報)を明らかにし状況改善につなげたい。また、タンパク尿などの所見が就活時に提出する健康診断で判明すると採用に至らない報告が続いており、健康状態と採用との真の因果関係を明らかに、慢性疾患があっても個々の状態にあった配慮があれば一般労働が十分できる環境づくりにつなげたい。
(全国腎臓病協議会) 

難病等は法定雇用率の対象に入っていません。 
(日本難病・疾病団体協議会:JPA)  
第28条 
相当な生活水準及び社会的な保障 
 182.障害者基本法は、国及び地方公共団体に対し、障害者の自立及び生活の安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じることを義務付けている(障害者基本法第15条)。特に、住宅の確保については、国及び地方公共団体に対して障害者のための住宅確保及び住宅整備の促進のための施策を義務付けている。(同法第20条)。また、障害者の経済的負担の軽減のために必要な施策を講じることとしている(同法第24条)。(内閣府)

 183.障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスとして、一般企業等への就労を希望する障害者に対し、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等を提供する「就労移行支援」、一般企業等での就労が困難な障害者に就労する機会を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練等を提供する「就労継続支援」を実施している。なお、2013年度において、就労系障害福祉サービスの利用を経て一般就労に移行した者の数は10,001人であり、2012年度の数(7,717人)と比較して大幅に増加している。(厚労省)

 184.公営住宅への入居に関して、公営住宅を管理している地方公共団体の判断により、入居者の選考において、一定の障害者世帯の優先的な取扱いを実施している(2005年国土交通省住宅局長通知)。(国交省)
(公営住宅のバリアフリー化については、第9条「施設及びサービス等の利用の容易さ」参照。)

 185.「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」に基づき、精神又は身体に障害を有する児童に対して特別児童扶養手当を、精神又は身体に重度の障害を有する児童に対して障害児福祉手当を、精神又は身体に著しく重度の障害を有する者に対して特別障害者手当を支給している。なお、2013年度末時点において、特別児童扶養手当は、225,201人、障害児福祉手当は66,632人、特別障害者手当は121,372人が受給している。(厚労省) 
意見=障害者総合支援法における就労支援サービスについて日本政府は、2009年3月にILO条約ならびに同条約の実質的な規定をなす2つの勧告(第99号、第168号)の精神と容にそぐわない旨の指摘を受けており、実質的な違反状態にある。とくに就労サービスの利用者に対する利用料負担は「強い懸念が表明」されており、これらの改善が必要である。
(自立支援法違憲訴訟団)


意見=第28 条に関連して、障害のある人の所得の実態を政府として調査・分析し、抜本的な処置を講じるべきであるとの指摘がある旨、明記すべきである。
理由=障害のある人の生活保護受給率が一般よりも高いことや、障害年金の水準が生活保護基準以下であるために最低限度の生活保障ができないこと、また障害のある人の就労による所得が一般よりも低いことは、民間の調査などにより指摘されているため。
(きょうされん)


意見=障害福祉サービスとして「就労移行支援」「就労継続支援」を実施していることのみならず、就労継続支援(A型・B)を中心した福祉的底上げ図る
べく各種施策を実してい必要があること、政府報告に盛り込む。
理由=今回の政府報告は、第3次障害者基本計画実施状況監視を踏まえたとすることが障害者政策委員会において確認された。 第3次障害者基本計画では、 『4-(4) 福祉的就労の底上げ 』の中で、「事業所の経営力強化に向けた支援、共同 業所の経営力強化に向けた支援、共同
受注化の推進等、 就労継続支援 B型事業所等に おける工賃の向上に、官民一体と おける工賃の向上に、官民一体となった取組を推進するど、就労継続支援A型も含めた福祉的就労の底上げを図る」とある。 政府報告案では、第4期障害福祉計画における就労系事業係目標値、害福祉サービスの 利用 者数や平均工賃額等を付属資料に掲載しているのみであ り、不十分である 。障害福祉計画に福祉的就労の底上げが明記されていることからも、報告に盛り込むべきである

(セルプ協)

意見=障害者本人の年収を見た場合、年金や手当をあわせても年収100万円以下が半数近くとの調査結果があり、日本の貧困線(2012年は122万円)以下の収入しかない人たちが、障害者の大半をしめている実態をきちんと明記すべきである。あわせて、多くの障害者の最大の収入源は障害年金となっているにもかかわらず、この年金さえ受給できていない無年金障害者が多数いる事実も統計データ等の公表も含め、隠さずに報告するべきである。
 加えて、政府は、障害者の雇用等における賃金等の状況について、実態を把握するための調査が不十分であること。また、障害者の雇用等については若干の前進はあるものの年金や手当等の障害者の所得保障は、権利条約批准に向けたとりくみも、批准後のとりくみも、政府としてなんら法制度の再整備を行ってこなかったことを記載すべきである。
理由=日本の障害者の多くが貧困状態にあるという実態があるにもかかわらず、政府はその実態をきちんと把握する調査を行っていない。国民全体の貧困率や子供の貧困率(それぞれ6人に1人が貧困層)が出ているにもかかわらず、障害者の貧困率を把握する調査はなく、政府は早急な実態把握をする必要がある。
 また賃金等の状況調査では、2012年度の障害者白書で、雇用されている者の賃金の平均月額26.4万円、福祉的就労の工賃の平均月額は1.3万円等の調査結果があり、働く障害者と障害のない人の賃金には大きな開きがあることがわかっているにもかかわらず、そのことを報告していないことは不誠実である。

意見=こうした障害者の厳しい所得状況がある一方で、政府は「障害者の経済的負担の軽減のために必要な施策を講じることとしている」と報告しているが、その内容は、依然不十分であることを明記すべきである。
 とりわけ、障害福祉サービス等の利用者負担についての議論の到達点は「骨格提言」で示された「障害に伴う必要な支援は原則無償とすべき」である。しかし、これを実現する政府のとりくみが行われておらず、それどころか、障害者自立支援法違憲訴訟で約束された自立支援医療の低所得の無償化すら実施されていない事実をはっきりと明記すべきである。
 加えて、政府は身体、知的、精神を3障害一体化として同様の施策を講じるとしてきたが、例えば交通運賃の割引では、精神障害者だけを割引の対象から除外している交通機関が少なからずあるなど、障害の種別によって制度から除外されている実態がある。これは政府として責任をもって3障害一体化の施策をすすめる必要と課題があることも明記すべきである。
理由=2006年に施行された障害者自立支援法は、支援の量に応じて利用者負担が増える「応益負担」の仕組みを導入し、支援をたくさん必要とする重度障害者ほど負担が高くなるという実態をつくりだした。そもそも障害者が必要とする支援は、障害のない人と同じスタートラインに立つためのものであり、その支援にお金を支払うこと自体、権利条約の趣旨に反するという声が広がった。こうした運動や声に押されて政府は、2010年に応益負担等の法制度を導入した過ちを認め、障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と和解し、基本合意を締結。その合意では、自立支援法に代わる新たな福祉法制は「憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする」とし、応益負担撤廃の第一歩として、国は低所得世帯の無償化などを約束した。これを踏まえ、権利条約を批准するために行われた障害者制度改革の議論では、「骨格提言」が示した通り「障害に伴う必要な支援は原則無償とすべき」となり、条約を批准する上で必要な見直しとして、日本の障害関係団体の一致した考え方となった。
 にもかかわらず、政府は違憲訴訟の約束を誠実に守ろうとはしておらず、自立支援医療の低所得無償化を放置し続けている。また、骨格提言の原則無償にも手を付けず、背を向ける動きがあることは許されるものではない。
 条約を批准した日本政府がいまやるべきことは、障害者の権利を保障するための施策を国の責任で行うことであり、その象徴として利用者負担における応益負担(支援の量と負担が連動する仕組み)を完全撤廃するとともに、福祉制度からの利用料徴収をやめるべきである。障害児の家庭や配偶者・障害のある親と暮らす子どもへの世帯負担の問題など、障害児者がいる家族への自己責任を強要している施策を一日も早くなくすためにも、原則無償を実行すべきである。
 権利条約の締約国として、そうした姿勢と決意を表明する政府報告とすべきである。
(障全協)

意見=障害者基本法は、障害者の自立及び生活安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な
年金手当等の制度に関し必要 るため、年金手当等の制度に関し必要 な施策を講じること義務付けていが 、現状では障害者の所得保障が十分でないため、 家族に依存しなければ生活していかれず、他の人 と平等 に社会参加することができない現状 である。
理由=障害者の多くが年金 ・手当てしか収入がないが、それだけでは十分に自立して生活できる額ではな い。また、平成 26年度の厚労省のME/CFS患者の実態調査によ り、半数近ME/CFSS患者が無収入であることが明らかになっ ている 。
(筋痛性脳脊髄炎の会)

182:意見=182で総論的に年金について触れているが、障害年金については、185の特別児童扶養手当等に関する記述と同程度に記載するべきである。
(日本社会福祉士会)


所得保障が不十分かつ引き下げられており、家族に頼った生活にならざるをえない。
(きょうされん) 

障害にともなう稼働能力の減退・喪失などを補うための所得保障である障害年金を受給する権利を、日本政府は不適切な制度運用によって制限・制約し、無年金障害者を生み出している。加えて、日本政府は、無年金障害者問題の要因を自己責任とし、この問題に対する根本的な解決策を講じず、その救済策に関しても、一部を対象としたものに留まっている。
(無年金障害者の会) 28_1 要望書 

障害者総合支援法のなかでは、所得保障に関する支援策があまりにも乏しい。さらに、地方分権により地域格差が頻繁に発生しており、年金制度について、都道府県で年金受給の判定に大きな格差を生んでいることが明らかとなっている。障害者の生活保障の大きなウェイトを占める所得保障を充実させることが、他の者との平等を基礎とした相当の生活水準を保障することに連動していることを認識する必要がある。
(ゼンコロ)  
第29条
政治的及び公的活動への参加 
  186.障害者基本法第28条において、国及び地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより行われる選挙、国民審査又は投票において、障害者が円滑に投票できるようにするため、投票所の施設又は設備の整備その他必要な施策を講じなければならないこととされている。(総務省、内閣府)

 187.公職選挙法第47条及び公職選挙法施行令第39条の規定により、目のみえない方々が点字投票を行うことができ、同法第48条の規定により、心身の故障その他の事由により、自ら投票用紙に候補者の氏名等を記載することができない者は、代理投票(代筆投票)を行うことができ、同法第49条の規定により、都道府県選挙管理委員会の指定する病院、老人ホーム、身体障害者援護支援施設等に入院、入所中の方々が、その施設において投票を行うことができ(指定施設における不在者投票)、身体に重度の障害のある方々(身体障害者福祉法に規定する身体障害者、戦傷病者特別援護法に規定する戦傷病者のうち一定の障害を有する者等)が、郵便等による投票を行うことができ(郵便等による不在者投票)。また、同法第58条の規定により、障害者を介助している者等投票管理者が「やむを得ない事情がある者」と認めた者については、選挙人とともに投票所に入ることが認められている。また、同法第150条、政見放送実施規程の規定により、衆議院比例代表選挙及び都道府県知事選挙の政見放送においては手話通訳の付与、参議院比例代表選挙においては手話通訳及び字幕の付与が可能であり、また、衆議院小選挙区選挙においては、候補者届出政党が作成したビデオに手話通訳や字幕を付与することができる状況にある。また、総務省は公益財団法人明るい選挙推進協会と連携し、選挙啓発を実施しており、その中で、障害者が可能な投票方法等の周知に努めている。(総務省)

 188.「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」に基づき、自書を必要とせず、自書が困難な選挙人であっても比較的容易に投票することができる電子投票の実施の促進に取り組んでいる。(総務省)

 189. 公職選挙法第9条により、選挙権は障害者と障害者でない人とを区別せず保障されている。同法第46条第4項において、投票用紙に選挙人の名前を記載することが禁止されており、同法第52条において、選挙人の投票した被選挙人等の氏名等を陳述する義務を負わないことが規定されている。さらに同法第227条において、公権により投票の秘密を侵害した場合に処罰されることが規定され、また同法228条において、投票に干渉した場合に処罰されることが規定されている。同法第10条により、被選挙権についても障害者と障害者でない人とを区別せず保障されている。(総務省)

 190. なお、成年被後見人は選挙権及び被選挙権を有しないものとする規定が存在していたが、2013年6月に施行された、「成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律」(2013年法律第21号)により削除されたところである。(総務省)

 191. 障害者の公務の遂行について、国家公務員法第27条において、すべての国民が国家公務員の任用、勤務条件及び処分などについて、差別されてはならない旨規定している。また、地方公務員法第13条において、すべての国民が地方公務員の任用、勤務条件及び処分などについて、差別されてはならない旨規定している。(内閣人事局、総務省) 
意見=政治参加に以下を追記
 新番号. 国会中継のアクセシビリティについては、障害者政策委員会で実施されている手話通訳、要約筆記の配置に務める。国会を傍聴する障害者から視聴覚及び記録のための支援機器を取り上げない。パブリックコメントは手話でも受付できるよう務める
(日本障害者協議会 情報通信委員会)


190:意見=.なお、成年被後見人は選挙権及び被選挙権を有しないものとする規定が存在していたが、2013年6月に施行された、「成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律」(2013年法律第21号)により削除されたところである。
意見内容=自閉症者や知的障害者等が真に選挙権を行使し得るよう、障害者が選挙権行使時に実際に困難に直面していた事例を多く権利委員会に報告し、障害者権利条約の趣旨から、選挙権行使の際の情報保障と意思決定支援を徹底し、代理投票での選挙公報紙等による意思確認を行うなど、自閉症・知的障害のある人の選挙権行使において、充分な支援が受けられるように代理投票の仕組み等をさらに改革するべきことを明記すべきである。
理由=1. 2014年 12 月 7 日、東京都港区において、自閉症と知的障害のある青年が、成人して初めての選挙となる衆議院議員選挙に、期日内投票をするため投票所に行ったが、投票できないという事態が生じた。青年は口頭や筆談での意思表示が苦手なため、投票所には家族も同行し、選挙管理委員会職員に代理投票を申し出た。投票所に掲示された候補者名一覧から指さすことも困難なので、候補者名を記入した紙片を見せるなどの方法を家族が提案したが、選挙管理委員会側は、本人の意思を確認する方法が見いだせないとして、投票補助を断り、投票はがきを返した。
 2. 2013 年の公職選挙法改正により、成年被後見人にも選挙権が認められ、自閉症や知的障害のある人の投票参加が増えた。投票時に自署できない人には、2 名の投票補助者がついて代理投票してもらえるが、投票補助者は投票所の事務員に限られるため、選挙人本人との意思疎通が重要である。代理投票の際に、本人が口頭で意思を伝えられない場合には、投票所に掲示してある候補者一覧表から候補者を指さす方法が一般的であるが、自閉症や知的障害のある人には、それもできない人が少なくない。その場合、最もわかりやすい意思確認方法は、選挙公報紙を示して、本人がその中から候補者を指さす方法である。投票所に備えてある公報紙を用いてもよい。他人に見えないように、別室かパーティションで囲んで行う。このような方法を長年実施している東京都国立市など長年実施している自治体もあるが、前述のように代理投票を認めない自治体も存する。
3. 日本自閉症協会では、2014年12月10日、「自閉症・知的障害者等の選挙権行使への支援を求める声明」を出し、障害者の選挙権を奪う総務省通知の改正を求めるとともに、総務省、各都道府県選挙権利委員会、各市区町村選挙管理委員会に対して、自閉症・知的障害のある人の選挙権行使において、充分な支援が受けられるように代理投票の改革を求めた。日本政府においては、自閉症の障害を十分に理解し、障害特性を踏まえた選挙権行使支援を行うよう切望する次第である。なお、日本政府の同取組に対して、当協会は協力を惜しまない所存である。
(日本自閉症協会)

投票の権利は拡大されたが、弱視者や車いすの障害のある人に対する配慮が不十分で、立候補者名が高い位置に掲出されていて見えない。
代理投票する人には個室などを用意し投票の秘密を保持して欲しい。
(視覚障害児(者)親の会)  
第30条
文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加 
 192. 障害者基本法は、国及び地方公共団体に対して、障害者の文化的意欲を満たし、若しくは障害者に文化的意欲を起こさせ、又は障害者が自主的かつ積極的にレクリエーションの活動をし、若しくはスポーツを行うことができるようにするため、施設、設備その他の諸条件の整備、文化、スポーツ等に関する活動の助成その他必要な施策を講じることを義務付けている(障害者基本法第25条)。(内閣府)

 193. 2001年に成立した文化芸術振興基本法は、第22条において、障害者が行う文化芸術活動の充実を図るため、その文化芸術活動が活発に行われるような環境の整備その他の必要な施策を講ずることを国に義務付けており、当該規定等に基づき必要な取組を実施している。(文科省)

 194. 2013年に開催された「障害者の芸術活動への支援を推進するための懇談会」中間とりまとめを受け、2014年度からは、障害者の優れた芸術作品の展示を促進するため、作品の所在や制作活動の現状を把握するための調査や、優れた芸術作品を広く一般に普及するための取組に関する調査研究等を実施。また、障害児が継続的に文化芸術活動を実施できる環境を整備するとともに、障害者の文化芸術活動を支援する活動を行う団体への支援を通じ、障害者の文化芸術活動の充実を図っている。 (文科省)

 195. 2001年度から、全ての障害者の芸術及び文化活動への参加を通じて、障害者の生活を豊かにするとともに、国民の障害への理解と認識を深め、障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的として全国障害者芸術・文化祭を実施している。(厚労省)

 196. 障害者によるコンサートや作品展、障害者も楽しめる舞台芸術公演や展覧会等が各地で開催されている。国立劇場や新国立劇場においては、障害者の入場料の割引を、国立美術館、国立博物館においては、展覧会の入場料の無料を実施しているほか、全国各地の劇場、コンサートホール、美術館、博物館などにおいて、車いす使用者でも利用ができるトイレやエレベーターの設置等障害者に対する環境改善も進められている。一方で、視覚障害者や聴覚障害者等の「情報へのアクセス」の課題を整理し、更なる改善に取り組んでいく必要がある。(文科省)

 197. 2014年度より文化芸術振興費補助金にて製作支援した映画作品を対象に、聴覚障害者に、より多くの映画を鑑賞する場を提供する趣旨から、映画の日本語字幕制作を行おうとする団体へバリアフリー字幕制作支援を行っている。また、著作権法では、障害者からの要望等を踏まえ、文化的作品への障害者のアクセスの確保に関して必要に応じて法的処置を行っている。(文科省)

 198. 2011年6月にスポーツ基本法が成立し、同法第2条第5項において、スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならないことを基本理念として明記した。また、同法の規定に基づいて2012年3月に策定した「スポーツ基本計画」において、年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができる環境を整備することを基本的な政策課題としている。(文科省)

 199. 文部科学省の調査(2013年)によると、過去1年間に週1回以上スポーツ・レクリエーションを行った割合は、成人一般が47.5%であるのに対し、障害者(成人)は18.2%にとどまっており、障害者のスポーツ参加を一層促進する必要がある。(文科省)

 200. 2015年度より、スポーツ関係者と障害者福祉関係者が連携・協働体制を構築し、地域において一体的に障害者スポーツを推進する取組を支援している。
 また、障害児を含めた障害者の日常的なスポーツ活動を推進するため、特別支援学校等を拠点とした障害者のスポーツ活動の拠点づくりを推進するための支援を実施することとしている。


 2010. スポーツ基本法の規定に基づき、障害者スポーツの全国的な祭典である全国障害者スポーツ大会の円滑な実施等のために、開催者である公益財団法人日本障がい者スポーツ協会及び開催地の都道府県に対し、必要な援助を行っている。(文科省)

 2021. スポーツ基本法の規定等に基づき、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会に対する補助を通じて、障害者スポーツ教室や体験会等の実施などの障害者スポーツの機会の確保や、障害者スポーツ指導者の養成・研修、パラリンピック、デフリンピック、スペシャルオリンピックス等の国際大会への選手の派遣等を推進している。また、選手強化のため、世界大会でメダル獲得が有望な選手・団体に対し重点的な強化等の実施や、パラリンピック、デフリンピック、スペシャルオリンピックス世界大会等の国際大会が開催される年度には、選手団の派遣や国内合宿を実施している。その他、同協会において、組織強化や主催大会の実施、国際大会への日本選手団派遣、パラリンピック競技大会のメダリストへの報奨金や選手の育成強化を図るための、各企業への協賛や募金の呼びかけなどを行っている。(文科省)

 2032. 障害者のスポーツに対する国民各層の理解と関心は年々高まりをみせており、国際スポーツ大会に我が国から多数の選手が参加している。2015年3月~4月には、ロシアのハンティマンシースク、マグニトゴルスクにて第18回冬季デフリンピック競技大会が開催され、日本からは22名の選手を含む48名の日本代表選手団が参加した。また、2015年7月から8月にアメリカのロサンゼルスで開催された「2015スペシャルオリンピクス夏季世界大会・ロサンゼルス」には、77名の選手を含む118名の日本選手団が参加した。2014年3月には、ロシアのソチで「ソチ2014パラリンピック冬季競技大会」が開催され、日本からは20名の選手を含む55名の日本代表選手団が参加した。(文科省)

 2043. 2013年9月に開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会において、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京都に決定した。これにより、東京都は史上初めて、2度目のパラリンピック夏季競技大会を開催する都市となった。パラリンピック競技大会は、世界のトップアスリートが参加し、スポーツを通じて、障害者の自立や社会参加を促すとともに、様々な障害への理解を深めることにつながるものであり、また、利用の容易さに配慮した会場やインフラの整備により、東京のまち全体を障害者を始めとする全ての人々が安全で快適に移動できるようになり、ユニバーサルデザイン都市、東京の実現が促進されるものである。(文科省)

 2054. パラリンピック競技大会を始めとする近年の障害者スポーツにおける競技性の向上は目覚ましく、障害者スポーツに関する施策を、福祉の観点に加え、スポーツ振興の観点からも一層推進していく必要性が高まっていることを踏まえ、2014年度より、スポーツの振興の観点から行う障害者スポーツに関する事業を厚生労働省から文部科学省に移管し、障害者スポーツをより一層推進している。(文科省

 2065. 障害者総合支援法第77条及び第78条に基づく地域生活支援事業として、レクリエーション活動を通じた障害者等の体力増強、交流、余暇活動の充実等を図り、また、障害者等がスポーツに触れる機会を提供するため、各種レクリエーション教室運動会などを開催し、障害者等が社会参加活動を行うための環境の整備や必要な支援を行う「レクリエーション活動等支援事業」を実施している。(厚労省)

 2076.観光立国推進基本法第21条において、国は、高齢者、障害者、外国人その他特に配慮を要する観光旅行者が円滑に利用できる旅行関連施設及び公共施設の整備及びこれらの利便性の向上に必要な施策を講ずることとされている。これに基づき、高齢者や障害者など、観光や移動に際して困難を生じたり何らかの支援を必要とする方に対して、相談・問合せ等の対応を実施する一元的な窓口の立ち上げや、その活動強化に向けた取組を行っている。(国交省)
(施設のバリアフリー化、放送を含む情報の利用におけるバリアフリー化、字幕放送等の普及については、第9条「施設及びサービス等の利用の容易さ」参照。) 
意見=政府報告の余暇についての記述は、「205.障害者総合支援法第77 条及び第78 条に基づく地域生活支援事業として、レクリエーション活動を通じた障害者等の体力増強、交流、余暇活動の充実等を図り、また、障害者等がスポーツに触れる機会を提供するため、各種レクリエーション教室運動会などを開催し、障害者等が社会参加活動を行うための環境の整備や必要な支援を行う「レクリエーション活動等支援事業」を実施している。」の1カ所のみであり、十分な記述が書かれていない。
 上記の認識のもと、政府報告は障害者の余暇活動についての必要性、実態を反映しておらず、不十分な記述なので、次のように加筆修正されたい。

第30条 文化・レクリエーション・余暇・スポーツ
 2012年4月1日に児童福祉法の一部が改正され「放課後等デイサービス」が法制化されました。放課後活動は、家庭・学校以外の第三の活動の場として機能しており、全国的にも爆発的な広がりをしています。そのような場を確保できたことは画期的なことです。家庭や学校とは違う環境の中で支援してくれるスタッフや仲間たちとの交流の中で自分の場が確保でき、仲間との交流を生活の一部とし、充実した生活が送れるようになっています。全国では約6000の事業所が出来、95,000人以上の利用があり、東京都でも約600の事業所で6000人以上の人が利用されています。
 障害のある人は12年間の学校生活を終了した後、概ね社会へと進まざるを得ない状況です。職場や作業所等の新しい環境に移った時にほっとできる場があるということは、当人にとってとても大事なことです。自分の事を知ってくれるスタッフや仲間がいることで気持ちのリセットが出来、家に帰っても安定した生活ができると思います。
 しかし都内では、14の事業所(約300名)が学校を卒業した青年・成人期の集団活動を行っています。この活動には放課後等デイサービスのような公的な支援が無く、各事業所の独自努力で行われております。生涯を通して成長して豊かな生活をして行くために新たな支援が必要です。
  憲法25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定してあり、障害者権利条約の30条で「文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加」を締約国に求めいています。余暇は人権、という世界的な見方が定着しており、生涯を通して継続的な支援がもとめられています。
(障害をもつ子どものグループ連絡会)

意見=文化・レクレーション・余暇・スポーツについては
○権利条約のいう「アクセシブルな様式」をとおして「活動へのアクセスを享受」できるための施策を記述すべき。
○スポーツに関する多くの記述を整理・短縮して、余暇活動などの利活用実態と対応を追記すべき
(日本障害者協議会 情報通信委員会)


青年・成人期の障害のある人の日中活動や就労時間後の余暇活動を支援する施策が必要。
(全国障害者問題研究会)    
第31条 
統計及び資料の収集    
  2087. 障害者基本計画(Ⅳ3)に基づき、具体的な達成目標を設定し、数値等に基づき取組の実施状況及びその効果を把握、評価している。内閣府においては、関係省庁から、障害者に関する基礎的なデータを集め、ホームページに掲載している(基礎データ集)ほか、障害者施策に関する国際比較調査や世論調査、意識調査などを毎年行い、ホームページ等で公表している。(内閣府)

 2098. 統計法において、統計調査によって収集された情報については、守秘義務等
を規定しており、障害者に関する情報も含めて適切に保護されているほか、国際連合で採択された「公的統計の基本原則」を踏まえた基本理念も定めており、統計の収集及び利用に関する倫理上の原則が遵守されている。また、公的統計については、その所在に関する情報も含め、インターネットその他の方法により適切に公表を行っている。(総務省)

 2109. 国の行政機関により収集された障害者の個人情報は、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」に基づき、適切に取り扱われる。同法の規定に違反した場合には刑罰が課せられる。同法は、個人情報の保護に関する国際的な基準であるOECD8原則を具体化しているものであり、国際的に受け入れられた規範を遵守している。(総務省)
 また、国家公務員法第100条では、国家公務員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない旨規定している。(内閣人事局)

 2110.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)
  障害者に関する政策の監視・評価に使える水準の統計が、国・地方公共団体ともに不足しており、日本の人口全体を対象とした調査の実施や男女別統計の実施を徹底すべきである。 
(統計・データについては、Ⅰ「条約締結に至る経緯と現状」参照) 
障害のある人の就労に関する総合的かつ正確な調査
利用料負担など介護保険に移行したことによる影響調査
報酬改定による事業所における支援や職員処遇の影響調査 
(きょうされん)

一般就労からの退職の状況
最低賃金減額特例の適用の状況
雇用における形態や短時間労働の状況 
(セルプ協)

視覚障害者の年齢別人数 視覚障害児(者)親の会
児童発達支援センターが障害保健福祉圏域や人口10万人エリアで機能しているかについての実態調査
保育所入所と障害児保育。障害がある場合の入所要件についての自治体ごとの実態調査 
(応益負担を持ち込ませない会)

失語症者の正確な員数実態調査
失語症者の生活実態調査
失語症者の福祉サービスのあり方調査
●失語症者に必要なリハビリテーション・あり方調査
失語症のある方々の基本的人権が守られていない実情を把握し、いかにすればその方々が憲法で保障されている権利が保障されるかの調査・研究 
(日本失語症協議会)

各政策についての各自治体からの達成率回答と、障害者からの実態報告との突き合わせ
(LD親の会)

いわゆる「谷間の障がい者」が置かれている実態について、政府・関係機関が掌握している実態の公表。(例えば、軽度・中等度難聴者、吃音者、高機能自閉症などの発達障害者など) 
(全国ことばを育む会)

身体障害者手帳を取得できている患者数、訪問教育を受けられている小児患者の数
(筋痛性脳脊髄炎の会)

障害年金の種類別、障害別、等級別の受給者
無年金障害者の実数・生活実態調査 
(無年金障害者の会)

障碍者の支援にかかわる国公私立の諸機関に置かれている専門職の職種・人数、常勤・非常勤別の資料 
(日本臨床心理士会)

施設入所者の人権が守られているかどうか
施設運営への参加や社会参加の機会がどれだけ保障されているか 
(障害連)

障害者雇用の実態調査(雇用契約内容、労働時間、年俸、1カ月給与、時間給、賞与、平均勤続年数などを中心に)
福祉関連施設で働いている障害者の実態調査(意思疎通や意思決定支援など合理的配慮を駆使して、ご家族の意見も加えた本音が探りだせるものが望ましい) (ゼンコロ)

救急病院における頭部外傷者数・入院期間・リハビリテーション期間とその内容
地域生活支援事業における高次脳機能障害者への予算配分額
文部科学省における、医科系大学・教員養成大学での高次脳機能障害についての教育内容
各種、国家資格授与に際しての試験問題に障害への理解を促すための問題を作成すること 
(日本脳外傷友の会)

雇用されている手話通訳者の実態調査
教育場面におけるろう者の情報保障の必要性
労働場面におけるろう者の情報保障の必要性
ろう者の生活/社会参加場面における手話コミュニケーション保障の必要量 
(全通研)

在宅の患者家族の全国的な実態調査
(筋ジス協会)

全国の自閉症者数の調査・開示
全国のハローワークにおける障害種別の職業紹介状況のうち、「精神障害者」ならびに「その他」に分類される人のうちに占める発達障害者の割合、実数の開示 
(日本自閉症協会)

障がいのある人の“きょうだい”の持つ課題について *国が政策を立案する立場から、障がいのある人の“きょうだい”としての意識の有無等に偏らないように、広くデータを集めることが必要。
国内及び国際的な、“きょうだい”に関する活動の事例
障がいのある人のその親と“きょうだい”に対する要望等
(兄弟姉妹の会)

「障害」から漏れている者も含め、しかりと把握し、施策に生かすよう、民間団体と協働した調査を公的に実施して欲しい  
(長野県障害者運動推進協議会) 
第32条 
国際協力
 21211. 障害者基本法においては、国が、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を国際的協調の下に推進するため、外国政府、国際機関又は関係団体等との情報の交換その他必要な施策を講ずるように努める旨規定されている(障害者基本法第30条)。(外務省、内閣府)

 21312. 我が国は、開発協力大綱に基づき、人間の安全保障を推進する観点から開発途上国の障害者に対する支援や障害者に配慮した協力を実施している。支援は主に有償資金協力、無償資金協力及び技術協力により実施している。有償資金協力では、鉄道建設、空港建設等においてバリアフリー化を図った設計を行うなど、障害者の利用に配慮した協力を行っている。無償資金協力では、障害者の利用に配慮した協力を実施するとともに、障害者のためのリハビリテーション施設や職業訓練施設の整備等の協力を行っているほか、日本NGO連携無償資金協力を通じて日本のNGOによる障害者支援(障害児の普通学校通学支援、職業訓練、車椅子供与、緊急人道支援における障害者家庭に対する物資供与等)に資金面で協力している。技術協力では、開発途上国の障害者の社会参加と権利の実現に向けて、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて、障害者を対象とした取組に加え、開発プロセスへののあらゆる分野に障害者の参加支援しておりするために、研修員の受入れや障害者を専門家及びJICAボランティアとして派遣することもなど幅広い協力を行っている。(外務省)

 21413. その他にも、アジア太平洋地域への協力として、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)に対する日本エスカップ協力基金(JECF)を通じた活動支援等を実施してきた。(外務省)
 
第33条 
国内における実施及び監視
 21514. 我が国における中央連絡先は、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(障害者施策担当)付及び外務省総合外交政策局人権人道課であり、政府内における調整のための仕組みについては、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(障害者施策担当)付が担当する。(内閣府、外務省)

 21615. 障害者権利条約の実施を促進するための枠組みに関して、障害及び障害者に対する国民の関心、理解を深めるとともに、障害者の社会参加意識の高揚を図るため、1995年から、毎年12月3日から9日までの1週間を「障害者週間」としている。前後の期間も含め、全国で、官民にわたって多彩な行事を集中的に実施するなど、積極的な啓発・広報活動を実施している。(内閣府)

 21716. 障害者権利条約の実施を保護するための枠組みに関して、人権擁護に携わる行政機関として法務省に人権擁護局が設けられており、その下部機関として、法務局人権擁護部(全国8か所)、地方法務局人権擁護課(全国42か所)及びこれらの支局(全国263か所(2015年4月1日現在))が設けられている。また、我が国においては、全国で約1万4000人の人権擁護委員(法務大臣が委嘱した民間のボランティア)が、法務省人権擁護局、法務局・地方法務局と協力して、人権擁護活動を行っており、以上の法務省人権擁護局、法務局人権擁護部・地方法務局人権擁護課及びこれらの支局並びに人権擁護委員を総称して、「法務省の人権擁護機関」と呼んでいる。(法務省)

 21817. 法務省の人権擁護機関では、人権教育・啓発推進法第7条に基づき策定した「人権教育・啓発に関する基本計画」により、各種啓発活動を実施している。具体的には、「障害のある人の自立と社会参加を進めよう」を啓発活動の年間強調事項の一つとして掲げ、講演会や座談会の開催、啓発冊子等の配布、各種イベントにおける啓発活動を実施している。(法務省)

 21918. 人権教育・啓発推進法第6条では、国民は、人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努めなければならないと明記している。同法第7条に基づき策定した「人権教育・啓発に関する基本計画」において、人権教育・啓発の推進については、地方公共団体や公益法人、民間団体、企業等の果たす役割が極めて大きく、これらの団体等が、それぞれの分野及び立場において、必要に応じて有機的な連携を保ちながら、人権教育・啓発に関する基本計画の趣旨に沿った自主的な取組を展開することを期待するとともに、当該計画の実施に当たっては、これらの団体等の取組や意見にも配慮する必要があると明記している。(法務省)

 22019. 障害者権利条約の実施を保護するための枠組みに関して、法務省上記の人権擁護機関では、全国の法務局・地方法務局において、障害者の人権問題を含むあらゆる人権問題について相談に応じており、人権侵害の疑いのある事案を認知した場合は、人権侵犯事件として調査を行い、関係機関とも連携・協力し、事案に応じた適切な措置を講じている(法務省設置法第4条第26号、同条第29号、人権擁護委員法第11条、人権侵犯事件調査処理規程(法務大臣訓令))。なお、2014年の障害者を被害者とする暴行虐待、社会福祉施設における侵犯、差別待遇、強制強要についての人権相談件数は2、818件であり、人権侵犯事件数は448件となっている。(法務省)

 221. 障害者権利条約の実施の促進、保護、監視の全般にわたる枠組みに関して、障害者基本法においては、内閣府に、障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業の従事者、学識経験者30人以内で構成される審議会として「障害者政策委員会」を置くこととしている(障害者基本法第32条、第33条)。その構成については、様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた協議を行うことができるよう配慮することとされており(同法第33条第2項)、現在の構成員の半数が障害者本人又はその家族の代表から構成されている。政策委員会は、「障害者基本計画」の策定又は変更について意見を述べるほか、障害者基本計画についての調査審議、実施状況の監視などを行い、必要に応じて内閣総理大臣に対して意見を述べること等ができることとされている(同法第11条第4項及び第9項、第32条第2項)。この政策委員会が、本条約第33条にいう監視するための枠組みを担っており、条約の実施の監視は、政策委員会が、障害者施策の方針の根本を成す障害者基本計画が本条約の趣旨に沿って実施されているかを監視することによって行われる。政策委員会においては、2015年5月から、本報告の提出を視野に入れて第3次障害者基本計画の実施状況の監視を行い、同年9月にその結果を文書として取りまとめた。(同文書は付属資料参照) (内閣府、外務省)

 222.また、障害者基本法においては、都道府県や市町村において、当該都道府県又は市町村の障害者施策の総合的かつ計画的な推進について調査審議し、及びその実施状況を監視する合議制の機関を置く(市町村においては「置くことができる」)こととされており、また、当該機関の委員の構成については、当該機関が様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた調査審議を行うこととなるよう配慮されなければならないこととされている。(障害者基本法第36条)。(内閣府)
                                                     (了) 

215:意見=第33条に関連して、啓発活動の一環として障害者週間が挙げられているが、さらに効果的かつ積極的な啓発・広報活動が求められていることを明記すべきである。
理由=内閣府による平成24 年度「障害者に関する世論調査」によれば、障害者週間を知らないと答えた者が71.4%に及ぶことから。
(きょうされん)

220:意見=障害者基本法にもとづく第3次障害者基本計画の実施状況の監視を通じて障害者政策委員会による権利条約の監視がなされたとしている。しかし第3次障害者基本計画と障害者権利条約は(関連はするものの)項目も内容も異なるものであり、前者の監視を後者の監視とするのは無理である。そのため、例えば障害者施策の根本課題である所得保障について、その実態に踏み込めていないことを明記すべきである。
理由=障害者基本計画の実施状況の範囲内の監視では、日本の障害のある人の暮らしの全般が権利条約を批准したことで改善したのか、残された課題がどこにあるのかなどが明確にならない。本来であれば、国の責任において障害のある人の貧困の状況を明らかにすべきであろう。OECDで発表されている障害者の貧困率などのデータに日本のデータはない。改善すべき重要な問題である。
(日本障害者協議会)

220:意見=第33 条に関連して監視の枠組みについて触れているが、条約は独立した機関の設置を求めており、日本の監視の枠組みは課題を残していることを明記すべきである。
理由=パラグラフ220 で条約の実施を促進、保護、監視する機関として紹介されている障害者政策委員会は内閣府に設置された政府機関であるため。
(きょうされん)


生活環境、施設整備と差別状況の考え方については、省庁別、所管部局別に捉えるだけではなく、建築、交通、まちづくりの視点で総合的に捉え検討する場が必要。
(日本福祉のまちづくり学会)

合理的配慮が認められなかった場合の調整機関を明確にしてほしい。
(全国LD親の会) 
 障害者の権利に関する条約 第1回日本政府報告(日本語仮訳) 2015.12.18
  「議論の整理  ~第3次障害者基本計画の実施状況を踏まえた課題~ 障害者政策委員会」の付属文書を含むPDFファイル

障害者権利条約第1回日本政府報告(日本語仮訳)に関する意見募集について パブリックコメント(2016.1.15~2.13):結果公示案件詳細


障害者権利条約(日本政府公定訳) 2014年1月20日公布
 JDウオッチング政策委員会+障害者部会