北欧の国から 1


93/09/26 01:42:37 NGI00001 北欧の国から(1)だれもがやさしかった
(1)だれもがやさしかった

「良ちゃんの声を聞くといつも天使のような気がして平和な気持ちになったありがとう」
3歳の娘の良に、
70歳をすぎた和歌山支部長の上杉文代さんが笑顔で別れ際に声をかけてくれた。

「このお人形さん、良ちゃんにもらってほしくって」
と東松山市の保母の小野美佐子さんは、こちらがお礼をしなければならないところを
すてきな民族衣装の人形をくれた。

松葉杖の石田弁護士は、
ヨーテボリで買ったスウェーデン語の絵本を、石田流の解釈で良に読み聞かせてくれた。

今度の旅のメンバーは、
わたしや障都連のいっちゃんや加藤せんせいの友人知人たち18名だけど、
ほぼ一堂に会したのは前日の成田だった。
地域も職種も年齢も問題関心もちがう仲間たちだけれど、
発達保障の一致点で楽しく意味ある旅をつくった。

わたしにとっては社会人10年をすぎての節目の旅で、
わたしたちにとっては6年遅れの子連れの「新婚」旅行も兼ねていて、
3歳の良がどこまでやれるか正直心配だったが、
1日だけ、ストレス解消に本体のスケジュールから外れて、チボリ公園で遊んだだけで
ほぼ全日程をすごせた。

子連れで歩くと、みえないものもみえてくる。
いちばん感じたのは、
コペンハーゲンでもヨーテボリでもどこでも、良をみる目がとびきりやさしかったことだ。

エレベータのなかでもどんな大男もニコッとわらい、
食堂でも、移動の飛行機の中でも、良がまず話題の中心だった。
「チャイニーズ?」と2度ほどいわれたが、
良へのほほえみから、わたしは北欧の人たちへのコミュニケーションの一歩をはじめられた。

それは訪問した先々の、
たとえばホイバンゲン就労センターの
「すべての仕事をのぞむ人に仕事を提供することが自治体の義務」
ときっぱりいいきるバイス所長(男性)のまなざしも、
フレデリックボー県補助器具センターのイレーネ所長(女性)のねぎらいでも、
じつにやさしかったのである。

その「やさしさ」の底流にながれるものは、
「子どもは未来である」という人類の本能にプラスして、
「個人のなにができないのかをみるのではなく、
なにができ、なにがよりじょうずにできるのかをみること」(バイス所長)を強調する、
人間観(障害者観)にあるような気もした。

9月15日の夜、お風呂に入りながら良にたずねた。
「良、たのしい?」
「うん、はじめてのりょこうだから」
「今日はどこが楽しかった?」
「パパがウンチ、ポトンとしたとこ、フフフ」

大人のかってな海外視察に、
もうすぐ4歳ながらも、
良はよくがんばってくれた。


イメージ
ヘルシンオアの街で


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