白石正久、発達とは矛盾をのりこえること

■

白石 正久 著(龍谷大学名誉教授)

ISBN4-88134-243-6 C3037  23刷
本体1700円+税

発達とは矛盾をのりこえること目次

はじめに 3

第一章 発達の原動力は子どものなかに

第一節 子どものなかにある矛盾……………12
/わたしを育ててくれたもの/生き生きした矛盾をとらえる目を/障害の重い子どもたちのこと/子どもたちの姿から学ぶ

第二節 発達への願いを育てる……………16
/たっちゃんのこと/精一杯の「イヤ!」/たかしくんのこと/伝えられる喜び/発達への願いの底流は自己信頼

第二章 乳児期の矛盾

第一節 新しい世界への不安をのりこえる……………26
/シンちゃんの不安/二刀流の指導はむずかしい/わかりやすさをたいせつに/乳児期の矛盾とは

第二節 目的をつくり、抵抗をのりこえる……………34
/五月の山/思春期の光と影/再びシンちゃんの実践/目的をつくり、抵抗をのりこえる

第三節 「対の世界」をつくる……………44
/「対の世界」のたいせつさ/「対の世界」のつくりにくさ/「もう一つ」への心理的抵抗/心の窓を探り、ともに一歩を踏み出す指導

第三章 一歳半の発達の質的転換期

第一節 目的を誕生させる……………54
/心の主体性への信頼/生後一〇ヵ月、新しい主人公への生まれ変わり/自分のつもりと力の矛盾/していたことをしなくなる/失敗をたいせつに

第二節 他者の意図を知る……………63
/相手の期待、意図を知る/食べることはほんとうは楽しい/眠ることはほんとうは心地よい/子どもの期待をたいせつに

第三節 「◯◯ではない◯◯だ」……………72
/「帰らへん」/「◯◯ではない◯◯だ」/自分の意図と他者の意図の調整/「◯◯ではない◯◯だ」の内面化のむずかしさ

第四節 意味を共有する……………80
/なぜ相手を困らせるの?/感覚遊びから意味の共有へ/変化する自分、手ごたえある自分

第四章 幼児期の矛盾

第一節 大きな目的をもつ……………90
/活動をまとめあげる力/心のなかにできた支え/憧れの心をたいせつに/障害の重い子どもたちにも自らの可能性への覚醒を

第二節 「大きい自分」になりたい……………99
/対比的認識のはじまり/「こだわり」や儀式的行為など/新しい矛盾、浅くない葛藤/「大きい自分」との出会いを

第三節 マルにたくす思い……………108
/マルの「ファンファーレ」/頭叩きもことばの代わりになることがある/眠ることも表現手段になることがある/子どもの一生懸命

第四節 ことばを育てる……………116
/量的な拡大のとき/心の窓からいっしょにのぞこう/自らの可能性を学んでいく道すじ

第五章 発達と教育をつなぐもの

第一節 親と子の間にある真実に聞く……………126
/「のんびり育てていこう」/幸福への権利/親と子の「今」/親の心に聞いてみる

第二節 「教師が変われば子どもも変わる」とは……………134
/子どもの親に叱られながら歩む道/子どもの自己決定を尊重する教師/「教師が変われば子どもも変わる」と言うけれど

第三節 指導者の集団性が矛盾をのりこえさせる……………143
/ちーちゃんのこと/自分があるようで自分がない/「自分」を育てる指導/指導の集団性こそ子どもを支える

第四節 食べられる大きさの教材……………152
/快と不快が生まれていくとき/人格をもった発達の主体として見ること/食べられる大きさの教材にすること/働きかけへの反応から子どもを理解する/生活に深く入り、その事実にふれること/教材に命を吹きこむ

第五節 集団のなかで子どもは育つ……………162
/しげちゃんと一枚の作文/「大きい自分」を実感できる仲間づくり/集団のなかで育つ「自分」が発達を動かす

第六章 発達と教育をめぐる二つの道

第一節 発達の「ずれ」と指導……………172
/自閉症児の思春期と発達/一歳半の発達の質的転換期における「ずれ」/どんな指導の道を選ぶのか

第二節 自閉症児の思春期まで……………182
/こうじくんの二〇年/お母さんの決意/本当の要求を発見する

第三節 個別指導計画の検討(一)……………190
/並べることにも意味がある/「個別教育計画」の指導方法/指導は、発達の力の連結器

第四節 個別指導計画の検討(二)……………199
/課題設定がリアリィティーをもつと、実践の総括は深まり、実践は科学になる/「個別指導計画」への心配/教育の計画は、民主的な職員集団のなかで生命をもつ

第五節 「方法に子どもをあわせるのではなく、子どもにあった方法をつくろう」……………208
/障害を見つめる子どもたち/障害を受け入れ、のりこえるための指導/子どものなかに入って考えてみる

第七章 生活年齢と発達

第一節 生活年齢のプラスとマイナス……………218
/しごとの喜びの形骸化/生活経験のプラスとマイナス/「しごとに仲間をあわせるのではなく、仲間にあったしごとをつくろう」

第二節 ほんとうのコミュニケーションの力を育てよう……………226
/一五年目の再会/心のキャッチボールができているか/子どもを「問われ疲れ」にしていないか

第三節 生活と自立を支えよう……………234
/「わかる喜び、できる喜び」/子どもの自立をめざして歩く一本道/生活を支える横糸を紡ぐ

おわりに 243

本書といっしょに読んでいただきたい本 250
子どものなかにある矛盾・子どもの外にある矛盾 254

ご注文は 「オンラインショップ」 もしくは、 注文用紙(ここをクリックしてください)にて電子メールしてください。
        
確認しだい宅配便(送料310円)で発送いたします。送料含む代金は同封の郵便振替にてご送金ください。


前ページへ