保育者のための
 テキスト障害児保育
    
 近藤直子(日本福祉大学)・白石正久(龍谷大学)・中村尚子(立正大学)
 
定価 本体2000円+税 ISBN978-4-88134-125-4 C3037  2013.3.1
  
表紙

目次

はじめに/近藤直子
 子どもや保護者に共感的な視点をもち、集団的な取り組みを創造する(PDF)


第1章 障害乳幼児の生活と発達/白石正久
 障害児保育と発達保障の歴史/障害児保育の前提~私たちに求められること/障害児保育の内容と方法~なかみをつくる/障害児保育の目的~人格として育てる/子どもの発達の道すじ~見通しのある保育のために


第2章 保育実践の展開/近藤直子
 障害乳幼児の保育・療育施設と保育所・幼稚園の違いは?/保育計画を立てて見通しをもって実践を進めよう/あそびを軸に日々の保育を築く/担任任せにしないで職員集団で実践を深めよう


第3章 障害の基礎知識と保育
Ⅰ 発達のおくれ/奥住秀之(東京学芸大学)
 発達の道すじと障害/精神遅滞(知的障害)/発達年齢・精神年齢と発達検査/発達検査の結果をどのように読むのか/発達のおくれのある子どもの保育上の留意点                 

Ⅱ LD、ADHD、高機能自閉症/別府悦子(中部学院大学)
 「発達障害」とはなにか/それぞれの障害の理解と対応/ライフサイクルを通じた発達保障のために

Ⅲ 自閉症/松原巨子(大津市健康推進課)
 自閉症とはどういう障害か/子ども理解を深める視点/幼児期の特徴と療育・保育の視点/保育所での事例から

Ⅳ 視覚障害/池谷尚剛(岐阜大学)
 視覚障害とは/教育相談と家族支援/保育所・幼稚園での支援

Ⅴ 聴覚障害/加藤登美子(大阪発達支援センターぽぽろ)
 聴覚の発達/聴覚障害の状態を表すことば/難聴の発見/聴覚補償/難聴幼児の療育・保育

Ⅵ 運動障害/坂野幸江(大阪発達総合療育センター)
 脳性マヒとは/療育・保育において配慮すること

Ⅶ 医療との連携が必要な子どもたち/古川和子(あおぞら生協クリニック)
 合併症への取り組み/医療的ケアの必要な子どもたち/重症児の保育・療育の留意点


第4章 障害児保育の現状と課題
Ⅰ 保育・療育の場の全体像/中村尚子
 児童福祉法改正と障害児支援/障害児通所支援としての乳幼児施策/改正児童福祉法の改善課題

Ⅱ 保育所における障害児保育/藤上真由美(高石市子育て支援課)
 制度の現状と到達点/障害児の入所のしくみ/専門施設との連携/制度と実践の発展のために

Ⅲ 障害乳幼児のための保育・療育施設/中村尚子、海老原功(貝塚市児童福祉課)
 子どもと保護者・家族がホッとできる場/親子教室/専門施設―児童発達支援センター・児童発達支援事業、特別支援学校幼稚部


第5章 家族への援助
Ⅰ 父母への援助・仲間づくり/近藤直子
 保護者への援助・仲間づくり

Ⅱ きょうだいへの援助/広川律子(大阪千代田短期大学)
 障害児と親、そしてきょうだい/保育所や幼稚園、学校できょうだいは…/きょうだいの悩み・母親の悩み/障害児通園施設・保育所におけるきょうだい支援/きょうだいが肩の荷をおろすとき


第6章 就学に向けて/越野和之(奈良教育大学)
 どの子にも心からの「入学おめでとう」を/障害のある子どもの学校教育をどう考えたらよいか/障害のある子どものための特別な学校―特別支援学校/通常の小・中学校における障害児教育/「就学手続き」をめぐる現行制度と今後の動向

■最新の研究や制度改正を加え
  乳幼児の発達、障害、実践、制度が1冊で学べる

  中村尚子(立正大学、全障研副委員長)

装いも新たに、『テキスト障害児保育』が生まれかわりました。
書名は『保育者のためのテキスト障害児保育』。表紙やタイトルが変わっただけではありません。
全編にわたって、障害児保育・療育にかかわる「いま」が書き加えられました。
 
本書に新たに加わった「いま」の特徴的なことを3つ紹介します。
一つめは、障害児福祉制度の内容です。2012年4月施行の改正児童福祉法によって再編された、障害児通園施設や関係する事業、利用の仕組みを紹介し、保育所、専門施設双方にかかわる乳幼児期の取り組みの課題を新たに加えました。
二つめは、発達障害者支援法にかかわっての内容です。LD、ADHDなどへの関心は格段に広がりましたが、「障害特性」という言葉だけがひとり歩きしているかのような「保育上の配慮」に、違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。ここに関連する節では、近年の実践や研究の成果を十分に反映させました。
そして三つめは、特別支援教育にかかわる内容です。特別支援教育への移行についてはすでに記述していましたが、今回、その実施から数年を経た現状と、乳幼児期の育ちを学校につなげていくための課題を書き改めました。

同時に、本書は前身である『テキスト障害児保育』(1986年)以来、変わらないことがあります。
それは、発達的な見方を貫いていること、保育所・幼稚園などから求められる障害の基礎知識を簡潔にまとめていること、そして保護者や家族に視点を盛り込んでいることです。
本書を編集している途中で、こんな言葉が浮かびました。
「発達、障害、実践、制度がそろった、1冊でたりる本。一人で読むもよし。みんなで読むとさらに学べてよし」。
      
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