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            | 障害の重い子どもの 発達と生活
 
 細渕 富夫 (ほそぶち とみお)
 川口短期大学、全障研埼玉支部長
 定価1700円+税  ISBN978-4-88134-875-8 C3037  2020.8.1
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            | 障害の重い子どもの発達と生活  目次 
 はじめに
  
 
 第1部 重い障害のある子どもを理解する
 
 1  重い障害のある子どもの基礎的理解
 重い障害のある子どもたちの教育/重度・重複障害児とは/特別支援教育への転換と「重度・重複障害」/重症心身障害児(重症児)と は/重症児施設の整備/重症児の定義と分類/「超重症児」の登場/超重症児の区分
 
 2  コミュニケーションの基盤をつくる
 特別支援学校の朝/コミュニケーションがとれない?/内面に寄り添い,主体性を育てる/かすかな表出を受けとめる/発達初期のコミュニケーション/体験の共有ということ/仲間とともに過ごす時間をつくる
 
 3   コミュニケーション欲求を育む 関係発達論を越えて
 原初的コミュニケーション/子どもが主導するコミュニケーションへの展開/関係発達論の落とし穴/学びへの欲求を育てる取り組み/文化にふれる授業
 
 4  超重症児の内面世界 1 ――意識障害のある超重症児とのかかわり
 動かない身体と内面世界/「反応がない」/意識障害があり、覚醒状態の維持が困難な子どもたち/内面世界を育てる
 
 5 超重症児の内面世界 2 ――運動制限のある超重症児とのかかわり
 閉じ込められた子どもたち/動けない子どもたちの内面世界に寄り添って/豊かな内面世界から学ぶ
 
 
 第2部 重い障害のある子どものいのちを守る
 
 6 重症児療育のあゆみ
 「法の谷間」に置かれた子どもたち/重症児施設の設置/看護・介護職員が足りない/「秋田から看護の手を」/「おばこ天使」の誕生 /国民的美談を越えて
 
 7 重症児のいのちを守る
 重症児の原因/増える低出生体重児/新生児医療と重症児
 
 8 出生前診断と豊かな社会
 いのちの選別/医療の進歩と遺伝子操作/見えない胎児/いのちの胎動/「生の技術」と「死の技術」/出生前診断のはじまり/出生前検査の広がり/新型出生前診断(NIPT)とは/誰のための出生前診断なのか
 
 9  いのちの思想を深める
 いのちを見つめて/100倍の競争率/求められた解剖承諾書/入園時の不適応反応/小林提樹による「第五の医学」/「選択的医療」:治療に値しないいのち
 
 
 第3部 重い障害のある子どもと家族の生活を支える
 10  新生児医療の現場から ――NICU長期入院問題
 出産の風景/出生時体重300g未満の赤ちゃん/早産児の成育限界/周産期医療体制の整備/NICU入院児の増加と入院期間の長期化
 
 11  家族を支える在宅移行支援
 NICUから家庭へ/重症児の在宅生活をとりまくケアシステム/「カルガモの家」の取り組み/家族が子どもと幸せな時間を過ごすこと
 
 12  医療的ケア児を支える
 学校における医療的ケアのあゆみ/医療的ケア児/学校における医療的ケアの現状と課題/「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」最終まとめ/医療的ケアで輝くいのち
 
 13  超重症児とその家族の成長
 変化する病態―歩く医療的ケア児/高度医療依存児/家族の不安を受けとめ,孤立をふせぐ支援/レスパイトサービスの利用/子どもと向き合い、仲間と子育てを楽しむ
 
 
 Column
 @盲ろう二重障害児の教育
 A脳性麻痺
 B療育記録映画「夜明け前の子どもたち」
  Cろう重複障害児と家族を描いたマンガ
 D在宅生活を支える人工呼吸器
 
 おわりに
 
 
 「みんなのねがい」連載(2019年4月号〜2020年3月号)「いのち・発達を保障するということ――障害の重い子どもたちから学ぶ」をもとに、重い障害のある子どもの指導にかかわる方の学びのテキストとして、大幅に加筆・再構成。
 
 重い障害のある子どもとのかかわりあいでは、通じあえない関係が長く続くことがあります。しかし、どんなに障害が重くてもその子なりの思いやねがいをもち、表現しています。「この子は何かを伝えようとしている」という思いで受けとめ、その子にわかりやすいやり方で返していくことが、かかわり(コミュニケーション)の出発点だと思っています。
 
  
 
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