大会アピール 2021年8月8日

大会アピール  2021年8月8日


大会アピール


 私たちの国の政権は、新型コロナウイルスの度重なる感染拡大により、かけがえのない命が危機にさらされ、人間らしい生活が脅かされる現実に目を背けながら、オリンピックの開催に踏みきりました。国民の命と健康を守る責任を投げ打ち、経済的な富を求めてやまない政治がそこにあります。命の切り捨てを許さず、政治への不信によって損なわれた社会への信頼を回復することなくして、障害のある人びとの発達保障は実現しません。

 全国障害者問題研究会は、2021年8月7日、8日の2日間、第55回全国大会(静岡2021)をオンラインで開催しました。開催地である静岡・浜松のなかまたちによるオープニングや文化行事は、「ひとりひとりのたいせつないのちにスポットライトを~RightsandLights~」という大会テーマと響き合って、いのちを輝かせ、平和に生きるための文化のねうちと力を伝えました。

 すべての人の命が脅かされることなく、豊かな発達が保障される社会を実現するためには、人間の命を破壊し、多くの障害者を生み出してきた戦争の歴史と向き合い続けなければならないことを、記念講演から学びました。

 分科会では、障害のある人びとの命を守り、ねがいを大切にしようと倦まず弛まず営まれてきた生活や実践の事実を語り合い、日々直面する悩みや困難をていねいに聴き合いながら、一人ひとりの足元から発達保障への道すじを明らかにしようとしました。そのなかで、はじめて全障研大会に参加された多くのなかまのことばにも脈打つ発達保障へのねがいを分かち合いました。

 新型コロナウイルスの感染爆発による危機は世界規模で広がっています。わたしたちの研究運動は、国際社会における権利保障の努力と歩みをともにし、障害のある人びとのねがいに学んで、すべての人の発達と権利を保障する社会をめざしたいと考えます。

 2日間で学び蓄えた力、確かめたつながりを糧に、それぞれの地域や職場で「ひとりぼっち」をつくらせず、みんなのねがいを語り合い、明日への希望を分かち合いましょう。「この子らを世の光に」。障害のある人びとの人格発達の権利を徹底的に保障するとりくみのうちに、だれもが生きるに値する平和な社会の発達を展望しましょう。互いに結び合った手を離さず、発達保障の道をともに歩んでいきましょう。

  2021年8月8日
  全国障害者問題研究会 第55回全国大会(静岡2021)

 

2021年08月08日