202511「みんなのねがい」 特集=実践を話すこと・書くこと

「みんなのねがい」2025年11月号

 


表紙のことば> 
 東北の山あいの道をゆく。午後の日差しに照らされた里山の風景は長閑で美しい。開けた視界の先に杖をついた女性が見えてきた。長い畦道をゆっくり進んでいるのだろう、まるで時が止まっているようだ。一枚の写真が見えた。
 僕はとっさに車を止め、カメラを手に走っていった。突然目の前に現れ挨拶をする僕に、おばあちゃんは優しく微笑えむ。家の前にある広い畑の様子を見にいくのが日課らしい。ゆっくりと時間をかけて毎日のルーティンをこなす、彼女の人生なのだろう。写真を数枚撮ったあと、帰りの一本道をいっしょに歩いた。なんだか懐かしくて愛おしくて、抱きしめたくなった。
 おばあちゃんありがとう。どうかいつまでもお元気で。


土佐 和史 とさ かずふみ/写真家。1977年大阪府生まれ。全国各地に出向き、旅ゆく道で出会ったひとや風景を撮り続け作品発表を行っている。2018年に写真集出版レーベルBUFFALO PRESSを立ち上げる。写真集に、「SUNLIGHT MEMORIES」(CITYRATpress)「北関東」「路地裏に咲いた花」(いずれもBUFFALO PRESS)がある


<目次>

◆特設 「試し読み」のページ

1 人として ちばかおり(イラストレーター)
2 【インタビュー】いま語りたい 心の窓を広げて 有原誠治(アニメーション監督)
4 教員のはじめの一歩 木澤愛子(全障研滋賀支部)
6 心に種をまく 安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
7 あなたに届けたいこの一冊 石井啓子(元教員)
8 この子と歩む 須藤淑子(川口市)
11 進め! 推し活道 山口悠生(奈良)
12 息子と歩く 千葉桜 洋(写真家)


特集 実践を話すこと 書くこと

14 おもいを伝える「心の声」を大切にしたい 大川彩子(愛知・みなと福祉会児童デイさざなみ)
16 本当の「おもい」に向き合うまで 木村千秋(同さざなみ)
18 綴ることを続けていくために 森脇拓恵(みなと福祉会研修委員長)
20 「自分らしく」働く職場に 小林健一郎(東京・のびのび共同作業所青空)
22 その子・その人発見の喜びを、「事実で」綴る 竹沢 清(愛知障害者センター)


25 ニュースナビ 「いのちのとりで裁判」「天海訴訟」
 坂下 共(きょうされん)・纐纈建史(天海訴訟を支援する会)
28 私ときょうだい 萩原千晶(東京)
30 子どものミカタ 竹脇真悟(日本福祉大学)
32 ソーシャルワークってなんだろう? 木全和巳(日本福祉大学)
36 シリーズ 18歳 西園健三(鹿児島・ユーススコラ鹿児島)
38 暮らしの場は今 和田大輝(福岡ひかり福祉会かしはらホーム)
40 実践にいかす障害と医療 土岐篤史(発達臨床研究・研修サポート/医師)
42 実践の魅力 仁村菜月子(滋賀・養護学校教員)
45 全障研の支部ニュース、紹介します 米倉拓也(長野支部)
46 みんなのひろば
47 BOOK/編集後記
裏表紙 おいしいひととき 小畑友希(さっぽろひかり福祉会)

デザイン・イラスト
うじたなおき、勝倉大和、ちばかおり、永野徹子、日本印刷、橋野桃子、山内若菜


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2025年10月08日